排泄物は健康のバロメーターのように体調によって量や形状が変化します。この記事では介護職が知っておきたい高齢者の排泄・目安量などの観察ポイントについてわかりやすく解説します。
介護の現場における排泄ケア
排泄ケアは介助を必要とされるご本人のお気持ちを十分に理解することが重要です。
プライバシーに配慮し、気持ちよく排泄できる環境を整えて、ご本人が安全・快適・清潔に排泄が行えるよう必要な介助を行いましょう。
排泄環境の整え方
自分が介助されることを想像し、プライバシーの確保、羞恥心への配慮をした環境を整えましょう。
- トイレのドアやカーテンをしっかり閉める
閉めることが困難な場合は居室のカーテンと居室入り口のドアを閉める - オムツ交換時も居室のカーテンと居室入り口のドアを閉める
- 介助者からも見えにくいように腰にタオルをかける
- 排泄後は換気をしたり、消臭剤を使用する
介護職が知っておきたい排尿・排便の観察ポイント
排泄は、疾患や加齢による影響を受けやすいので、一般的な平均回数や量ではなく、その方の「いつも」が大事になります。その「いつも」と違う様子がないかに注意して、いつもと違う場合には、看護職員や関係者に相談しましょう。
1.排尿
目安になる量
成人の1日の標準尿量(目安):1000ml ~1500ml
目安になる回数
排尿の標準回数(目安):1日5~8回、高齢者の場合は、10回以上の方も多い
その他
色、一回の量、におい、血液がまじっていないか、にごっていないか
2.排便
いつもの回数
標準1日1~2回
2,3日に1回の排便でも、快適に排泄できていれば異常と考えなくてもよい場合もあります。お一人おひとりの状況を把握することが重要です。
その他
色、量、性状(硬便、普通便、軟便、泥状便、水様便)、血液が混じっていないか、未消化便でないか
注意点:通常は尿失禁・便失禁をしない方が急に失禁されたときは、脳に何らかの障害が起こっている可能性もあるため、すぐに看護職員に相談しましょう。
排泄障害時のケア
頻尿、尿失禁、便失禁、便秘、下痢のときなどの対応
排泄障害があっても、ご本人の想いや残存機能を考え、想いに沿った自然な排泄ができるようにケアをしましょう。
- 歩行能力があればオムツをはずしてトイレへ、トイレまでの移動が難しい場合も座ることができればポータブルトイレを使用する
- 失禁を気にして社会生活が消極的にならないように、外出時にはパッドを使うなど、工夫する
- 尿意/便意がない、または訴えない場合も定期的に排泄にお連れしてみる
- 失禁の原因はお一人おひとりさまざまなので、看護職員に対応を相談する
対応時のポイント
- オムツの使用:安易に使用することで意欲の低下、自信の低下につながることを理解した上で、必要なときには失禁の不安を取り除くために効果的に使うようにしましょう。
- お一人おひとりの排泄にお連れするタイミングや1日のパターンを把握することは重要ですが、その日の体調や活動(外出したか、どんな食事をしたか、など)にも合わせて排泄にお連れするタイミングを調整する必要があることに注意しましょう。
便秘のケア
ご本人が苦しい思いをしないためにも日頃から便秘を予防するようにしましょう。脳出血の既往のある方、痔をお持ちの方にとっては、便秘の予防は特に重要です。
便秘への対処法
- 便意をのがさない
- 十分な水分をとる
- 食事量が減少すると便秘になりやすいので、バランスよく召し上がっていただけるようにお声かけする
- 身体を動かす
→杖歩行や伝い歩きができる場合は、少しでも歩いていただく
→座位で足踏みをしたり、上体をひねるのも効果的
→臥位でもひざの曲げ伸ばしなどを行う - 便器に座る(腹圧がかかって排泄しやすくなる)
→座ることが可能な場合は、はっきりした便意がなくても朝食のあとに1日1回は便器に座って、排便の習慣をつけるようにする - マッサージをする(腸の蠕動運動を促す)
→おへそを中心にして時計回りに、手のひらで腹部のマッサージをする
→ウォシュレットで肛門に刺激を与えたり、腹部・腰・背中を温めることも効果的
まとめ
適切な排泄方法を選ぶために、排泄方法の種類・それぞれの特徴を把握しましょう。また、異常を早く見つけるためには日常的な尿や便の観察がとても重要です。
プライバシーに配慮し、ご本人が気持ちよく排泄できる環境を整えましょう。
※記事の内容は2021年3月時点の情報をもとに作成しています。
そのほかの移動・移乗介助のページを見る
関連記事【排泄介助】ベッド上でのオムツ交換の手順・コツを分かりやすく解説!
関連記事夜間のおむつ交換回数を見直し睡眠状態の改善を図った「夜間ぐっすり排泄ケア」

著者プロフィール
介護アンテナ編集部Kaigo Antenna Editorial Department














