公開日:2023/03/16
更新日:2023/03/23
登録者:介護アンテナ編集部
老人ホームなどの高齢者施設などで行う音楽・歌のレクリエーションには認知症予防の効果や口腔機能などの改善効果が期待できます。理学療法士が監修した体操の要素があったり「回想法」にもなる介護アンテナオリジナルの音楽・歌のレクリエーションをご紹介します。
高齢者施設などで人気の高いのが音楽や歌を歌うレクエーションではないでしょうか。音楽のレクリエーションはただ楽しむだけでなく高齢者にとっては健康維持や改善が期待できたりといくつかおすすめな理由があります。
ここでは高齢者にとって音楽のレクリエーションがおすすめな理由と音楽を使ったレク素材をご紹介していきます。施設などでのレクリエーションにぜひ採り入れてみてください。
認知症予防のアプローチに「回想法」と呼ばれる心理療法があります。これは昔の懐かしい音楽や写真などを見たり、触れたりしながら昔のことを思い出したり、話したりすることで脳を活性化させる心理療法のひとつです。
昔流行った歌を歌ったり、歌詞を思い出すことが回想法となり認知症の予防が期待できます。
歌を歌うとき口を大きく開け、舌や口の周りの筋肉を動かします。そのように筋肉を動かし鍛えることで、口腔機能の維持や改善につながります。高齢になり口腔機能が低下すると「食べ物が噛みづらい」「活舌が悪くなる」「食事の時にむせるようになる」などの症状が出てきます。
こういった年齢による機能低下も歌を歌ったりと、口を動かすことで口腔機能の維持や改善などが期待できます。
歌を歌うことで深く息を吸い込んだり、呼吸の回数が増えることで血流の促進が見込まれます。これにより栄養素や免疫細胞が体の隅々まで運ばれることによる免疫力の向上が期待できます。
唾液にはコルチゾールと呼ばれるストレスホルモンが含まれていますが、第一興商の行った調査で歌唱後にコルチゾールが減少していることが分かりました。また歌うことでセロトニンやドーパミンなどの幸せホルモンが分泌されるので、満足感や幸福感を感じやすくなると言われいます。
特に施設などでのレクリエーションで行えば、同世代の人同士が集まっているので盛り上がり、ご利用者同士のコミュニケーションの活性化にもつながります。
一言に音楽レクリエーションといってもただ歌を歌うだけではありません。種類を変えることで参加者を飽きさせずにいつも楽しんでもらうことができます。
介護アンテナではオリジナルの音楽レクリエーションがあるので、厳選したおすすめのレク素材をご紹介します。紹介したレク素材は会員登録(無料)することですべて無料でダウンロード・印刷できますので、ぜひご活用ください。
童謡は誰もが小さい時に歌ったりしたことが多く、メロディを聞くと自然に口ずさんでしまうこともあるのではないでしょうか。歌詞を思い出したり、当時の情景を思い出したりと回想法にはおすすめなレクリエーションです。
一人でも大人数でも楽しめるので高齢者施設などのレクリエーションとしてもぜひご活用ください。
介護レク素材童謡の音読・言葉遊びゲーム - No.00050
介護レク素材童謡の音読・言葉遊びゲーム - No.00054
介護レク素材童謡の音読・言葉遊びゲーム - No.00058
『「ミュージックの日」! 音楽を楽しもう』は、あらかじめ参加者に好きな曲などを聞いておきその音源や可能であれば当時の映像や写真などを用意し、それを音源と一緒にモニターなどに流します。次に「この曲を好きな理由」や「どんな時に聞いていた曲なのか」など質問し、参加者に理由や思い出を話してもらうレクリエーションです。思い出す要素が強いので回想法の効果が期待できるだけなく、歌が苦手という方にも参加してもらいやすいレクリエーションになっています。
介護レク素材3月19日は「ミュージックの日」! 音楽を楽しもう - No.01241
「この歌、覚えている? ゲーム」は、「童謡の音読・言葉遊びゲーム」と似ていますが、曲のタイトルと穴あき歌詞をホワイトボードに書き、参加者に伺い歌詞を埋めていきます。そして歌詞がすべて埋まったら全員で歌います。ホワイトボードに答えを含めいくつか単語を書き、そこから選んでもらうことで難易度を下げることもできます。ホワイトボードを使うことで大人数で参加できるため高齢者施設等でのレクリエーションにもおすすめです。
介護レク素材ホワイトボードを使ったレク「この歌、覚えている? ゲーム」 - No.00200
『「ザ・ベストテンが始まった日」!マイ・ベストソング』は参加者全員に自分の好きな曲を最大10曲書いてもらいます。それを集計し、ホワイトボードに10位から書いて発表します。そしてそのベストテンの中から選曲し歌ったり、曲を聴いたりします。また、曲を選んだ理由を個人にインタビューすることで発語を促したり、思い出してもらうことで脳の活性化につながります。
歌に加えて「ザ・ベストテン」の雰囲気も味わえるので、リアルタイムで番組を見ていた方はより楽しめるレクリエーションとなっています。
介護レク素材「ザ・ベストテンが始まった日」!マイ・ベストソング
誤嚥予防体操は体操をしつつ歌を歌う内容となっています。
歳を重ねると口や舌の機能が低下することから誤嚥のリスクが高まります。日頃から話をしたり歌ったり口を動かすことを意識することが誤嚥予防につながります。
さらにそれだけではなく、食べ物を飲み込むときに重要な唾液分泌を促すための肩・首周りの筋肉をほぐしたり、唾液腺のマッサージすることで食べ物を噛み、まとめるための総合的な口の筋肉を鍛えることができます。本体操は楽しみながらできる誤嚥予防を目的とした体操となっています。
リンク【動画】楽しい簡単!高齢者向け誤嚥予防体操(口腔・首・肩の体操)
ゆっくりとうつむき、顔をあげます。両肩を上げておろします。この一連の動きを8カウントで2回行います。
ゆっくりと肩の後ろを見るように左右に振り向きます。両肩を上げておろします。この一連の動きを8カウントで2回行います。
首を左右にゆっくり倒して戻す。両肩を上げてからおろします。この一連の動きを8カウントで2回行います。
両肩をしっかり上げてからおろします。5回行います。
耳下腺・顎下腺は唾液腺とも呼ばれ、唾液の分泌にかかわる場所です。ここを刺激することによって唾液の分泌を促進させます。
耳の前と後ろにある耳下腺に人差し指と中指をあてて、円を描くように後ろから前に5回マッサージします。
耳下腺同様、顎下腺のマッサージを行います。あごの根本(耳の下あたり)からあご先にかけて、親指でゆっくりと押していきましょう。
8カウントで1往復し、それを2回繰り返します。
じんわりと唾液が出てきたら、少しうつむいてごくんと飲み込みます。
「パタカラ」と発声する。噛む・飲み込むというお口の機能向上が期待できます。
「パ・パ・パ・パ・パ」「タ・タ・タ・タ・タ」「カ・カ・カ・カ・カ」「ラ・ラ・ラ・ラ・ラ」とはっきり発声します。
手拍子にあわせて「パタカラ・パタカラ・パタカラ・パタカラ・パタカラ」と発声します
歌を歌うことは心肺機能の維持・向上も期待できます。
「ふじの山」を歌いながら、リズムにあわせて左右の肩を交互に上げます。両腕を大きくひろげて2回まわします。この一連の流れを2回繰り返します。
動画を見ながら、もしくは職員がお手本となって一緒に行うのも良いでしょう。
リンク【動画】楽しい簡単!高齢者向け誤嚥予防体操(口腔・首・肩の体操)
ここでいろいろなレク素材でご紹介したように、音楽レクリーションには認知症予防や口腔機能の維持、免疫力の向上などさまざまな健康増進効果が期待できます。
特に老人ホームなどの高齢者施設では、レクリエーションのアイデアやどうしたら多くの方が参加してくれるのかなど頭を悩ませることも多いかと思います。
そんな時に種類が豊富で大人数で楽しめ、健康増進が期待できる介護アンテナのレク素材がおすすめです。
介護アンテナ編集部Kaigo Antenna Editorial Department
プロフィール
株式会社ベネッセスタイルケア運営の介護アンテナ。編集部では、ベネッセの25年以上にわたる介護のノウハウをはじめ、日々介護の現場で活躍している介護福祉士や介護支援専門員(ケアマネジャー)、看護師、理学療法士、作業療法士、言語聴覚士などの高齢者支援のスペシャリストたちの実践知や日々のお仕事に役立つ情報をお届けします!
いいね!するには
ログインが必要です