※動画は記事の最後でご紹介しています※
皮膚を守る機能が低下した高齢者にとって、陰部洗浄・清拭は快適にお過ごしいただくのはもちろん、炎症や感染症を防ぐ意味でも大切な介助です。この記事では陰部洗浄・清拭の方法や手順・ポイントについてご説明します。

陰部洗浄の方法
陰部洗浄の準備(物品)
- 使い捨て手袋
- トイレットペーパー
- 陰部洗浄ボトル(お湯の温度に注意)
- 陰部清拭用使い捨てタオル(温かいお湯で湿らせたもの、乾いたもの)
陰部洗浄の手順
陰部洗浄を行う場合は、頭側の手を清潔、足側の手を不潔として使い分けます。 また、トイレットペーパーやタオルは同じ面は使わず、片手で折りたたみながら必ずきれいな面で拭くように注意しましょう。
陰部洗浄:女性の場合
女性の場合は、尿路感染や膣炎を予防するため、拭いたり洗ったりする場合は必ず上から下に向かって行います。

- 手袋を装着し、トイレットペーパーで排泄物をやさしく取り除きます。
- お湯が人肌程度になっているか自分の腕にかけて確認します。
- ご利用者様にお声がけし、ご利用者様の大腿の内側にお湯をかけて適温か確認します。
- 陰部に上からお湯をかけて洗う。汚染が強い場合は陰唇を開き、しっかりと洗い流します。(その場合は、洗い流した後手袋を交換します)
- 上から下に向けて濡れた使い捨てタオルでやさしく陰部を拭きます。
- 乾いた使い捨てタオルで軽く押さえ拭きをします。
陰部洗浄:男性の場合
- 手袋を装着し、トイレットペーパーで排泄物をやさしく取り除きます。このとき亀頭→陰茎→陰嚢の順に拭きます。
- 手袋の不潔な面を内側に入れて外し、オムツの中に捨てます。
- 新しい手袋を装着し、お湯が人肌程度になっているか自分の腕にかけて確認します。
- ご利用者様にお声がけし、ご利用者様の大腿の内側にお湯をかけて適温か確認します。
- 尿道口にお湯が入らないように気を付けながら、お湯をかけて使い捨てタオルで洗います。このとき尿道口から陰茎に向かって皮膚をのばしながら汚れを取ります。
- 乾いた使い捨てタオルで軽く押さえ拭きをします。
プライバシーに十分配慮をしたケアが重要
排便時以外での陰部洗浄は一日一回が目安ですが、頻度はその方の状態などによってさまざまです。回数やその方にあった方法を確認し、ケアを行うようにしましょう。
また陰部はデリケートな部分でもあるため、羞恥心への配慮も必要です。プライバシーの保たれた環境を整備し、ご本人のお気持ちに寄り添ったケアを提供できるよう心がけてください。
【動画】陰部洗浄の方法・実施する場合の注意点
介護アンテナ会員の方は動画で一連の流れを見ることができます。※会員登録は無料です。
ブックマークするには
ログインが必要です