高齢者にとって食事とは必要な栄養を摂取するだけでなく、生きがいや生活リズムを感じるための重要な行動です。 この記事では介護職が知っておきたい高齢者にとっての食事の意義・必要性についてわかりやすく解説します。
高齢者にとっての食事の意義・必要性
高齢者の食事の意義は大きく下記の3つです。
- 楽しみ、生きがい、社会参加につながる
- 食べることで生活のリズムや季節感を感じることができる
- 元気で生活するために必要な栄養素を身体にとりいれる
上記からわかるとおり、食事は高齢者にとってとても重要な行動です。
食事にご満足いただくために必要なこと
食事のおいしさの要因は味だけではありません。
以下の4つの要素も食事にご満足していただくために必要となります。
食事の内容
- 味、調理方法(揚げる、煮るなど)
- 料理の組み合わせや見た目
- 食べやすい工夫(大きさ、やわらかさ)
- 嚥下を補助する食品などの利用(水分・汁物のとろみ おかゆなど)
食事の環境
- 食事の雰囲気づくり
- 介助者の気配り
- テーブルや椅子(高さ、距離など)
- 使いやすい食器と道具
介助
- 食事介助の仕方
- 見守り
- 口腔ケアや食事前の体操など
衛生
- 食中毒や集団感染、異物、添加物等の危険防止
食事サービスの概要
食事のエネルギー・栄養素量と献立
ご利用者の性別や年齢、活動量などから必要栄養量を算出し、ご満足いただける食事内容を加味して給与栄養量を設定しましょう。
下記の表はベネッセスタイルケアの有料老人ホームで実際に提供している食事の例です。
献立の構成
一般的に和食の献立は、以下の5種類で構成されています。
- 主菜 (焼き魚・お肉など)たんぱく源
- 副菜 (小鉢 炒めもの・煮物など)
- 副々菜(小鉢 和え物・サラダ・漬物など)
- 主食 (ごはん・パン・麺など)エネルギー
- 汁物 (お味噌汁・スープなど)塩分
楽しい食事をもっと楽しく
高齢者にとって、食事は特に大きな楽しみです。そして食事時間はもっともコミュニケーションを図りやすい機会です。食事を絡めたレクリエーションなど、いろいろな広がりが考えられます。
介護職はご利用者の毎日の食事が生活の楽しみになるように心がけましょう。それには、お一人おひとりのお身体の状態や嗜好、生活習慣を把握し、しっかり理解・確認することが大切です。
医師や看護職員、栄養士と連携を取りながら、ご利用者にとって何が一番良いのかを考えていくことも大切です。
この記事を参考に五感に響く食事の演出について考えてみてください。
※記事の内容は2021年3月時点の情報をもとに作成しています。

著者プロフィール
介護アンテナ編集部Kaigo Antenna Editorial Department














