公開日:2020/04/14

更新日:2024/03/18

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【動画つき】介護職のための高齢者の食事にかかわるリスク

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高齢になると、摂食嚥下機能が低下してきます。ここでは嚥下機能が低下することで起こりやすい3つのリスクをご紹介します。※無料会員登録をすると動画が閲覧できます※

【動画つき】介護職のための高齢者の食事にかかわるリスク

嚥下機能低下により高まるリスク

嚥下機能が低下することで起こりやすくなる事故・症状は3つあります。

1.誤嚥

誤嚥とは

誤嚥とは食べ物や飲み物、唾液などが、食道ではなく気管に入ってしまうことです。本来、空気しか通らない肺に異物が入ることで、誤嚥性肺炎を引き起こし、最悪の場合死に至ることもあります。

誤嚥を疑うサイン

  • むせ
  • 痰がらみ
  • ガラガラした声

※誤嚥していてもむせない場合もある

2.窒息

窒息とは

窒息とは空気の通り道である気道が、食べ物などで塞がれ呼吸ができなくなってしまう状態をいいます。即、生命に関わる危険な状態です。

窒息時に見られることのある状態

  • 急に黙り込む
  • 顔色が悪い、チアノーゼになる、呼吸をしていない、声が出ない
  • 急に動きが止まる
  • 意識がなくなる(ぐったりしている)
  • 苦しそうな様子(胸を叩くなど)

※チョークサイン(喉に手を当てるなど窒息を周りに知らせるサイン)をとらず、身動きせず黙って座っていることがあります。

3.低栄養、脱水

低栄養、脱水とは

体に必要なエネルギーやたんぱく質などの栄養素や水分が不足している状態を言います。低栄養状態が長く続くと、体力や免疫力の低下により転倒しやすくなる、感染症を起こしやすくなる、認知機能が衰えてくるなど様々な悪影響があります。

低栄養、脱水を防ぐには

低栄養、脱水を防ぐには下記の3つを介護記録などでこまめにチェックするようにしましょう。

  • 食事量
  • 水分量
  • 体重

誤嚥を防ぐためのとろみの活用

高齢者にとって、もっとも誤嚥のリスクの高い食品は、お茶・水などのさらさらした液体の飲み物です。とろみをつける技術は食事のケアに必須です。しっかり身につけましょう。

液体のむせやすさを解決するのが『とろみ』。とろみをつけることで、液体が喉に流れ込むスピードを遅くして、まとまりやすくなります。

液体が誤嚥しやすい理由

  1. 液体は流れが速いので、嚥下反射が間に合わない
  2. 液体はまとまりがないので、喉で飛び散りやすい

とろみの基礎知識と注意するべきポイント

とろみはその方にあった濃度を選ぶ

とろみはその方に合った濃度を選ぶことがとても重要になります。

基本的に嚥下障害の重症度ととろみの濃さは比例し、嚥下障害の軽い方のとろみは薄く、嚥下障害の重い方のとろみは濃くなります。

とろみが薄すぎると 誤嚥の危険が高まりますし、濃すぎるとかえって飲みにくくなって、水分摂取がすすまなくなってしまうこともあります。

とろみの濃度の見極め方

その方に適したとろみの濃度はすぐに判断ができません。さまざまなタイミングで何度か様子を見ます。

観察のポイントは主にむせの状態と、水分の進み具合です。いくつかの段階のとろみを試しながら、その中で、むせにくく、できるだけ薄いとろみをつけます。

いまつけているとろみでむせが目立ってきたら、濃度を少し濃くしてみることを試してみましょう。

とろみのつけ方

とろみをつける前に確認すること

【動画つき】介護職のための高齢者の食事にかかわるリスク
  1. 飲み物の分量を確認
  2. その方に合ったとろみ量を確認
  3. 計量スプーンで正しく計量

とろみをつける手順

  1. 容器に飲み物を入れます
  2. 飲み物に適切な分量のとろみの粉を入れます
  3. 30秒間、攪拌します
  4. 2~3分待つと適切なとろみの状態になるので、とろみの具合を確認してから提供します

知っておきたいポイント

  • 撹拌から少し時間(2~3分)をおくと、とろみは安定します
  • 飲み物が熱いときはとろみは薄くなります
  • 粉が溶けてなくなっているように見えても、しっかりしたとろみをつけるには30秒しっかり攪拌します
  • とろみをつけた飲み物に、さらにとろみの粉を加えてはいけません。粉を追加するとダマになってしまうので、作り直しをしましょう
  • とろみの粉は容器に飲み物を入れた後に入れます。先に入れる場合は乾いている容器を使いましょう

※とろみ製品によって使用方法は異なる可能性がありますので、とろみ製品に表示されている方法に従ってください。

安全にお食事をしていただくために

誤嚥のリスクを伴う食事介助では、摂食・嚥下のメカニズムを理解して介助を行うことが大切です。

ご利用者がより安全に食事できるように、3つのリスクを理解し、状態に合わせて適度にとろみをつけるなどの工夫を行い、その方に合う食事サポートを心がけましょう。

【動画】誤嚥防止のためのとろみの基礎知識

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※記事の内容は2021年3月時点の情報をもとに作成しています。

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著者プロフィール

介護アンテナ編集部Kaigo Antenna Editorial Department

プロフィール
株式会社ベネッセスタイルケア運営の介護アンテナ。編集部では、ベネッセの25年以上にわたる介護のノウハウをはじめ、日々介護の現場で活躍している介護福祉士や介護支援専門員(ケアマネジャー)、看護師、理学療法士、作業療法士、言語聴覚士などの高齢者支援のスペシャリストたちの実践知や日々のお仕事に役立つ情報をお届けします!

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