高齢になると、摂食嚥下機能が低下してきます。ここでは嚥下機能が低下することで起こりやすい3つのリスクをご紹介します。※無料会員登録をすると動画が閲覧できます※
嚥下機能低下により高まるリスク
嚥下機能が低下することで起こりやすくなる事故・症状は3つあります。
1.誤嚥
誤嚥とは
誤嚥とは食べ物や飲み物、唾液などが、食道ではなく気管に入ってしまうことです。本来、空気しか通らない肺に異物が入ることで、誤嚥性肺炎を引き起こし、最悪の場合死に至ることもあります。
誤嚥を疑うサイン
- むせ
- 痰がらみ
- ガラガラした声
※誤嚥していてもむせない場合もある
2.窒息
窒息とは
窒息とは空気の通り道である気道が、食べ物などで塞がれ呼吸ができなくなってしまう状態をいいます。即、生命に関わる危険な状態です。
窒息時に見られることのある状態
- 急に黙り込む
- 顔色が悪い、チアノーゼになる、呼吸をしていない、声が出ない
- 急に動きが止まる
- 意識がなくなる(ぐったりしている)
- 苦しそうな様子(胸を叩くなど)
※チョークサイン(喉に手を当てるなど窒息を周りに知らせるサイン)をとらず、身動きせず黙って座っていることがあります。
3.低栄養、脱水
低栄養、脱水とは
体に必要なエネルギーやたんぱく質などの栄養素や水分が不足している状態を言います。低栄養状態が長く続くと、体力や免疫力の低下により転倒しやすくなる、感染症を起こしやすくなる、認知機能が衰えてくるなど様々な悪影響があります。
低栄養、脱水を防ぐには
低栄養、脱水を防ぐには下記の3つを介護記録などでこまめにチェックするようにしましょう。
- 食事量
- 水分量
- 体重
誤嚥を防ぐためのとろみの活用
高齢者にとって、もっとも誤嚥のリスクの高い食品は、お茶・水などのさらさらした液体の飲み物です。とろみをつける技術は食事のケアに必須です。しっかり身につけましょう。
液体のむせやすさを解決するのが『とろみ』。とろみをつけることで、液体が喉に流れ込むスピードを遅くして、まとまりやすくなります。
液体が誤嚥しやすい理由
- 液体は流れが速いので、嚥下反射が間に合わない
- 液体はまとまりがないので、喉で飛び散りやすい
とろみの基礎知識と注意するべきポイント
とろみはその方にあった濃度を選ぶ
とろみはその方に合った濃度を選ぶことがとても重要になります。
基本的に嚥下障害の重症度ととろみの濃さは比例し、嚥下障害の軽い方のとろみは薄く、嚥下障害の重い方のとろみは濃くなります。
とろみが薄すぎると 誤嚥の危険が高まりますし、濃すぎるとかえって飲みにくくなって、水分摂取がすすまなくなってしまうこともあります。
とろみの濃度の見極め方
その方に適したとろみの濃度はすぐに判断ができません。さまざまなタイミングで何度か様子を見ます。
観察のポイントは主にむせの状態と、水分の進み具合です。いくつかの段階のとろみを試しながら、その中で、むせにくく、できるだけ薄いとろみをつけます。
いまつけているとろみでむせが目立ってきたら、濃度を少し濃くしてみることを試してみましょう。
とろみのつけ方
とろみをつける前に確認すること
- 飲み物の分量を確認
- その方に合ったとろみ量を確認
- 計量スプーンで正しく計量
とろみをつける手順
- 容器に飲み物を入れます
- 飲み物に適切な分量のとろみの粉を入れます
- 30秒間、攪拌します
- 2~3分待つと適切なとろみの状態になるので、とろみの具合を確認してから提供します
知っておきたいポイント
- 撹拌から少し時間(2~3分)をおくと、とろみは安定します
- 飲み物が熱いときはとろみは薄くなります
- 粉が溶けてなくなっているように見えても、しっかりしたとろみをつけるには30秒しっかり攪拌します
- とろみをつけた飲み物に、さらにとろみの粉を加えてはいけません。粉を追加するとダマになってしまうので、作り直しをしましょう
- とろみの粉は容器に飲み物を入れた後に入れます。先に入れる場合は乾いている容器を使いましょう
※とろみ製品によって使用方法は異なる可能性がありますので、とろみ製品に表示されている方法に従ってください。
安全にお食事をしていただくために
誤嚥のリスクを伴う食事介助では、摂食・嚥下のメカニズムを理解して介助を行うことが大切です。
ご利用者がより安全に食事できるように、3つのリスクを理解し、状態に合わせて適度にとろみをつけるなどの工夫を行い、その方に合う食事サポートを心がけましょう。
【動画】誤嚥防止のためのとろみの基礎知識
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※記事の内容は2021年3月時点の情報をもとに作成しています。

著者プロフィール
介護アンテナ編集部Kaigo Antenna Editorial Department














