この記事では、ベッド上での更衣介助ポイントなどをわかりやすくご紹介します。ここでは、『ご自分から動く事は難しいが、麻痺・痛みはなく、コミュニケーション可能な方』をモデルに解説します。 ※記事の内容は2021年3月時点の情報をもとに作成しています。
ベッド上での更衣介助
準備
- 声かけして、ベッドの高さを上げる(介助者の腰の位置にあわせる)
- 手前のサイドレールをはずす(サイドレールは下側を持って)
- これから行う動作を声かけしながら介助を行う
- 2人で介助を行うときは、ベッドの左右両側に立って介助を行う
- これから着ていただく衣服は、ズボンを足元に、上着を介助者からみて奥(イラストではご本人の左)側の上半身に、着やすいように準備しておく
ズボンの更衣介助
ズボンを脱ぐ
ひざの下をかかえ、もう一方の手で足裏から支えるようにひざを立てる
ひざを支え、身体を少し傾けながらズボンを下までおろしていく
ひざを伸ばしてズボンを足先から完全に抜く
ズボンをはく
新しいズボンを足先から通し始める
このとき爪に引っ掛けないように注意する
ひざを立ててひざまでズボンを上げる
ズボンをももの下まで上げたら、ひざを伸ばす
上着の更衣で側臥位になった際に片側ずつウエストまで上げる
上着の更衣介助
上着の更衣では、寝返りの介助をする場面も出てきます。更衣介助は、片側のみで介助しますので、ご本人の腕の位置に気をつけるようにしましょう。
上着を着替える(左側から着替える場合)
ボタンを外し、両肩を脱いだ状態に
腕を組んでひざを立て、介助者側に寝返り
ひじを支えながら、左腕の袖を抜いていく
脱いだ部分を背中の下に入れ、新しい上着の袖を通す
肩の部分までは袖を通さない状態で上着の中心線を身体の中心に合わせておく
脱いだ上着を巻き込むようにして完全に身体の下に入るまで押し込む
肩とひざを支えて、仰向けに
介助者に背を向けるように寝返り介助
枕を手前から奥の方にずらして、介助者に背を向けるように寝返り介助をする(寝返ったときのスペースがあるか確認)
右の袖を抜く
押し込んでいた上着を手前に引きながら身体の下から引き出す
仰向けになり右腕の袖を通す
右肩を支えながら袖を通す
右肩を支えながら完全に肩まで通し、服の内側に手を入れ、服の外側からも肩甲骨のあたりを支えながら、服のしわを伸ばしていく
右肩同様に服の内側に手を入れながら左肩も肩まで通す
ボタンをとめて上着を調える
更衣介助後に行うこと
更衣が完了した後は、枕の位置を戻し、サイドレール・ベッドの高さを戻しましょう。
ご本人の可動域を理解し、無理のない安全な介助を心がける
更衣介助では、着替え後の衣服ができるだけしわのないように注意することが、褥瘡防止のためにも大切になります。ベッド上の更衣介助では、衣服だけでなく、身体の下にしいてあるシーツ、タオルのしわも伸ばしておくようにしましょう。
また、ベッドの上での更衣介助では、ご自身ではほとんど動けず、関節の拘縮がすすんでいる場合もあるので、無理に動かさず、ゆっくりと順番を意識して行うことが、ご本人の安心にもつながります。
準備をしっかりと行い、手順の根拠を理解した上で、その方に合わせた更衣介助を行いましょう。
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著者プロフィール
介護アンテナ編集部Kaigo Antenna Editorial Department














