更衣介助を行う上で、いくつかの注意点や覚えておくべきことなどがあります。この記事ではご利用者の更衣介助を行う上で、気を付けるべき点、ポイントなどをわかりやすくご紹介します。
更衣介助では、衣服を着ること・脱ぐことに集中するあまり、ご本人の状況や触れ方・支え方に意識が向きにくくなることがあります。
更衣介助に気をとられ、指先に力を入れてしまうような介助は、内出血や表皮剥離の原因になってしまいます。介助の基本である、手の平や腕、身体を使ってご本人を支え更衣介助を行うようにしましょう。
ご本人の衣類を強く引っ張って皮膚を傷つけてしまったり、衣服を破ってしまうことがあります。上着の袖やズボンは、小さくたくし上げた状態で手足を通し、布で皮膚を擦らないようにしましょう。
また、手や足を通す際に手足の爪を引っ掛けないように注意することも必要です。
ご本人の身体状況はさまざまです。更衣介助にあたっては、ご本人個々の関節の可動範囲を知ったうえで介助をしないと、無理な姿勢になり関節を痛めたり、骨折させてしまうなどの事故につながりやすくなります。
麻痺側の肩は脱臼しやすいので、腕を無理やり引っ張らないようにします。
側臥位で麻痺側を下にする際は、腕が身体の下に入らないように前に出しましょう。
更衣介助後に衣服を整えることはとても重要です。衣服は正しく整えられた状態でないと、見た目だけでなく、着心地も悪くなります。
また、身体の一部分だけを圧迫して血流が悪くなり、皮膚に悪影響を与えることもあります。ねじれやしわを直しておくことはとても大切です。
身体介護技術の中で更衣介助(=着替え介助)は、触れ方と支え方・衣服の扱い方・身体の動かし方・更衣後の衣服の整え方の4つが特に重要であり、注意して介助しなければ事故に繋がります。
ご本人に負担なく、更衣介助(=着替え介助)をスムーズに行うためには、介助手順の根拠と注意点を理解しておくことが重要です。
※記事の内容は2021年3月時点の情報をもとに作成しています。
介護アンテナ編集部Kaigo Antenna Editorial Department
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株式会社ベネッセスタイルケア運営の介護アンテナ。編集部では、ベネッセの25年以上にわたる介護のノウハウをはじめ、日々介護の現場で活躍している介護福祉士や介護支援専門員(ケアマネジャー)、看護師、理学療法士、作業療法士、言語聴覚士などの高齢者支援のスペシャリストたちの実践知や日々のお仕事に役立つ情報をお届けします!
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