トラムセット配合錠

しる100

このページではトラムセット配合錠(持田製薬株式会社|鎮痛薬)について、効能・効果や用法・用量、副作用などの基本情報と併せて、服薬介助のときに介護する方が理解しておきたい高齢者が気を付けるべき点などについても記載しています。

薬の使用に際してはご自身で判断することなく、必ず医師や薬剤師に相談してください。

詳細情報

主成分

トラマドール塩酸塩、アセトアミノフェン

効能・効果

非オピオイド鎮痛剤で治療困難な非がん性慢性疼痛、抜歯後の疼痛における鎮痛に使用します。

病気・病態

用法・用量

非がん性慢性疼痛
通常、成人は1回1錠、1日4回服用する。服用間隔は4時間以上空けること。1回2錠、1日8錠を超えて服用しないこと。また、空腹時の服用は避けることが望ましい。
抜歯後の疼痛
通常、成人は1回2錠を服用する。なお、追加服用する場合には、服用間隔を4時間以上空け、1回2錠、1日8錠を超えて服用しないこと。また、空腹時の服用は避けることが望ましい。

副作用

以下の副作用が現れることがあるので、異常が認められた場合は速やかに医師に報告または診断をうける事を推奨します。

重大な副作用

  • ショック、アナフィラキシー(頻度不明):呼吸困難、喘鳴、血管浮腫、蕁麻疹等があらわれることがある。
  • 痙攣(0.2%)
  • 意識消失(0.2%)
  • 依存性(頻度不明):長期使用時に、耐性、精神的依存及び身体的依存が生じることがある。本剤の中止又は減量時において、激越、不安、神経過敏、不眠症、運動過多、振戦、胃腸症状、パニック発作、幻覚、錯感覚、耳鳴等の退薬症候が生じることがある。
  • 中毒性表皮壊死融解症(Toxic Epidermal Necrolysis:TEN)、皮膚粘膜眼症候群(Stevens-Johnson症候群)、急性汎発性発疹性膿疱症(頻度不明)
  • 間質性肺炎(頻度不明):咳嗽、呼吸困難、発熱、肺音の異常等が認められた場合には、速やかに胸部X線、胸部CT、血清マーカー等の検査を実施すること。異常が認められた場合には投与を中止し、副腎皮質ホルモン剤の投与等の適切な処置を行うこと。
  • 間質性腎炎、急性腎障害(頻度不明)
  • 喘息発作の誘発(頻度不明)
  • 劇症肝炎、肝機能障害、黄疸(頻度不明):劇症肝炎、AST、ALT、γ-GTPの上昇等を伴う肝機能障害、黄疸があらわれることがある。
  • 顆粒球減少症(頻度不明)
  • 呼吸抑制(頻度不明)
  • 薬剤性過敏症症候群(頻度不明):初期症状として発疹、発熱がみられ、さらに肝機能障害、リンパ節腫脹、白血球増加、好酸球増多、異形リンパ球出現等を伴う遅発性の重篤な過敏症状があらわれることがある。また、ヒトヘルペスウイルス6(HHV‐6)等のウイルスの再活性を伴うことが多く、投与中止後も発疹、発熱、肝機能障害等の症状が再燃あるいは遷延化することがあるので注意すること。

その他副作用

傾眠(25.9%)、浮動性めまい(18.9%)、頭痛、悪心(41.4%)、嘔吐(26.2%)、便秘(21.2%)、胃不快感、肝機能検査異常、そう痒症、異常感、貧血、食欲不振、不眠症、味覚異常、高血圧、ほてり、腹痛、下痢、口内炎、口内乾燥、消化不良、胃炎、発疹、多汗症、冷汗、排尿困難、口渇、倦怠感、発熱、浮腫、体重減少、血中CPK増加、血中尿酸増加、血中トリグリセリド増加、血中ビリルビン増加、尿中血陽性、尿中ブドウ糖陽性、腎盂腎炎、高脂血症、低血糖症、不安、幻覚、筋緊張亢進、感覚鈍麻、錯感覚、注意力障害、振戦、筋不随意運動、第4脳神経麻痺、片頭痛、視覚異常、耳不快感、耳鳴、回転性めまい、動悸、呼吸困難、嗄声、逆流性食道炎、口唇炎、胃腸障害、腹部膨満、胃潰瘍、鼓腸、メレナ、上部消化管出血、アルブミン尿、尿閉、胸部不快感、無力症、悪寒、好酸球数増加、白血球数増加、ヘモグロビン減少、尿中蛋白陽性、血中クレアチニン増加、血中ブドウ糖増加、血小板数増加、血中クレアチニン減少、血中尿酸増加、好中球百分率増加、転倒・転落

形状・色

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薬の飲みにくさの改善に向けて、医師や薬剤師、言語聴覚士などの専門職との連携にお役立てください。

淡黄色のフィルムコーティング錠、長径15.5mm、短径6.3mm、厚さ5.5mm

粉砕の可否

原則不可(治療上必要であると医師や薬剤師が判断した場合粉砕することがある)

保管方法

室温保存

禁忌

病名禁忌

  • アルコール、睡眠剤、鎮痛剤、オピオイド鎮痛剤または向精神薬による急性中毒の方:中枢神経抑制及び呼吸抑制を悪化させるおそれがある。
  • 治療により十分な管理がされていないてんかん疾患の方:症状が悪化するおそれがある。
  • 重篤な肝障害のある方:重篤な転帰をとるおそれがある。
  • 本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある方
  • 抜歯後の疼痛;アスピリン喘息(非ステロイド性消炎鎮痛剤による喘息発作の誘発)またはその既往歴のある方:アスピリン喘息の発症にプロスタグランジン合成阻害作用が関与していると考えられる。

併用禁忌

MAO阻害剤:セレギリン塩酸塩(エフピー)、ラサギリンメシル酸塩(アジレクト)、サフィナミドメシル酸塩(エクフィナ)
外国において、セロトニン症候群(錯乱、激越、発熱、発汗、運動失調、反射異常亢進、ミオクローヌス、下痢等)を含む中枢神経系(攻撃的行動、固縮、痙攣、昏睡、頭痛)、呼吸器系(呼吸抑制)及び心血管系(低血圧、高血圧)の重篤な副作用が報告されている。MAO阻害剤を投与中の方または投与中止後14日以内の方には投与しないこと。また、本剤投与中止後にMAO阻害剤の投与を開始する場合には、2~3日間の間隔を空けることが望ましい。
ナルメフェン塩酸塩:セリンクロ
離脱症状を起こすおそれがある。また、鎮痛作用が減弱するおそれがある。ナルメフェン塩酸塩を投与中の方または投与中止後1週間以内の方には投与しないこと。

併用注意

オピオイド鎮痛剤
中枢神経抑制剤:フェノチアジン系薬剤、催眠鎮静剤等
痙攣閾値の低下や呼吸抑制の増強を来すおそれがある。
三環系抗うつ剤
セロトニン作用薬:選択的セロトニン再取り込み阻害剤(SSRI)等
セロトニン症候群(錯乱、激越、発熱、発汗、運動失調、反射異常亢進、ミオクローヌス、下痢等)があらわれるおそれがある。また、痙攣発作の危険性を増大させるおそれがある。
リネゾリド
セロトニン症候群(錯乱、激越、発熱、発汗、運動失調、反射異常亢進、ミオクローヌス、下痢等)があらわれるおそれがある。また、痙攣発作の危険性を増大させるおそれがある。
メチルチオニニウム塩化物水和物(メチレンブルー)
セロトニン症候群(錯乱、激越、発熱、発汗、運動失調、反射異常亢進、ミオクローヌス、下痢等)があらわれるおそれがある。
カルバマゼピン
フェノバルビタール
フェニトイン
プリミドン
リファンピシン
イソニアジド
トラマドールの血中濃度が低下し作用が減弱する可能性がある。また、これらの薬剤の長期連用者では肝代謝酵素が誘導され、アセトアミノフェンの代謝物による肝障害を生じやすくなるとの報告がある。
キニジン
相互に作用が増強するおそれがある。
クマリン系抗凝固剤:ワルファリン
出血を伴うプロトロンビン時間の延長等のクマリン系抗凝固剤の作用を増強することがある。
ジゴキシン
ジゴキシン中毒が発現したとの報告がある。
オンダンセトロン塩酸塩水和物
本剤の鎮痛作用を減弱させるおそれがある。
ブプレノルフィン
ペンタゾシン等
本剤の鎮痛作用を減弱させるおそれがある。また、退薬症候を起こすおそれがある。
エチニルエストラジオール含有製剤
アセトアミノフェンの血中濃度が低下するおそれがある。エチニルエストラジオールの血中濃度が上昇するおそれがある。

飲食物(食べ合わせ/飲み合わせ)

注意する飲食物

アルコール
呼吸抑制が生じるおそれがある。また、アルコール多量常飲者がアセトアミノフェンを服用したところ肝不全を起こしたとの報告がある。

高齢者が特に注意すること
(一般的な注意点も含む)

  • 副作用が出やすいので、空腹時の投与は避けさせることが望ましい。非がん性慢性疼痛に使用している場合で、本剤の投与を必要としなくなった場合は、退薬症候の発現を防ぐために徐々に減薬する。
  • 状態を観察しながら慎重に投与すること。生理機能が低下していることが多く、代謝・排泄が遅延し副作用があらわれやすい。

薬の併用に際しては専門家(医師、薬剤師)による判断が必要です。決して自己判断で薬の併用や併用中止を行わず、必ず掛かりつけの医師や薬剤にご相談ください。

食べ合わせ・飲み合わせについては、服用される方のQOL(生活の質)も含めて専門家(医師、薬剤師)に相談しながら個別に判断が必要です。これらを飲む・食べることで、どんなことが起こる可能性があるかをご本人や周囲の方が理解し、注意点・観察ポイントの検討にお役立てください。

ご利用に際しての注意点

このページでは、医療用医薬品添付文書をもとに高齢者とその介護者向けに編纂した内容を掲載しています(小幼児・妊婦向けの内容を除く)。正確な情報に努めておりますが、常に最新であるとは限らず、また内容を完全に保証するものではありません。薬の使用に際しては、ご自身で判断せず、医師や薬剤師などの専門家にご相談ください。当サイトによって生じた損害について、その賠償の責任を一切負わないものとします。

監修

秋下 雅弘
佐々木 淳

情報提供

クオール株式会社

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