介護全般に共通する考え方は、介助する側ではなく、介助される側を主として考えることです。どんな場面でもご利用者の想いに沿った介助を実践するために介護技術の基本6つのポイントをご紹介します。※記事の内容は2021年3月時点の情報をもとに作成しています。
6つのポイントでわかる介護技術の基本
介護を行う際に意識するべき6つのポイントをご紹介します。常にこの6つを意識したケアを提供することを心がけましょう。
1.安全を最優先にした介助をする
介助を行ううえで最も大切なのは安全です。
介助のスピードや効率を優先した介助は、とても危険です。もし介助を行う際に、いくつかの方法があった場合、最も安全な介助を選択し、実践してください。
2. 介助されていてもご自分で動いたと思えるように介助をする
ご本人が一番動きやすい動作(高齢者の自然な身体の動き)を考え、介助されていてもご自分で動いたと思えるように介助します。
高齢者の自然な体の動きを無視した介助は、ご利用者を主とした介助にはなりません。
3.苦痛や恐怖心を抱かせない
痛い思いや怖い思いは、ご本人の意欲や動作の妨げになります。安心していただける介助を実践してください。
4.介助をする際には、ご利用者に必ず声かけし、説明・同意を得る
同意を得ないまま介助をすると、恐怖感を抱かせてしまったり、不快な思いをさせてしまいます。
同意を得ない介助はご利用者からの信頼を損なってしまいますので、必ず声かけをし、同意を得てから介助を行いましょう。
声のかけ方
- 目線の高さを合わせてお顔を見ながら声をかける
- これから行う介助の内容(車いすに移る、着替える、食事をするなど)の具体的な方法(手足を触る、ボタンを外すなど)をはっきりお伝えする
- 同意を得る。声を出すことやお話をすることが難しい方にも必ず事前に声をかけて反応を確かめる
- ご利用者の反応(表情、うなずき、しぐさ)をしっかり見て、一呼吸おき、ご利用者が気持ちと身体の準備を整えてから介助を始める
※声かけはとても大切です。声かけがないと、恐怖感から身体をこわばらせてしまうこともあります。
5.お身体に触れるときは優しく
高齢者は皮膚が弱く、骨がもろいため、力加減を間違えると表皮剥離やあざになったり、場合によっては骨折してしまうこともあります。
そのため、触れるときは優しく、支えるときは広い面で下から支えます。
なるべく触れる面を大きくする
- 手のひら全体
- 手のひらから腕の内側にかけて
下から支える
- なるべく身体に近い部分を支える
- 両手・両腕でかかえるように
※片麻痺のある方は脱臼しやすいので麻痺側(患側ともいいます)に力を入れない
6.身体状況や体調に合わせた介助をする
日々変化するご利用者のお気持ちやお身体の状態を確認し、身体能力や体調に合わせた介助を考えます。
できることはし続けたいという想いに沿って、できない部分だけを介助することも大切です。
ご利用者を主として考えるのが重要な身体介護
介護をされる側の気持ちに立って考え、丁寧で確実な介護を行うことが重要です。
介護技術の基本6つのポイントを念頭に、安全で安心していただける介護を行いましょう。
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著者プロフィール
介護アンテナ編集部Kaigo Antenna Editorial Department














