こちらの記事は、歯の役割などを含めた介護の現場における口腔ケアの目的・必要性についてわかりやすくご紹介いたします。
介護の現場における口腔ケアの目的・必要性
高齢者にとって食べ物を咀嚼する・嚥下する、話すなどの口腔機能の維持をすることはとても重要なことです。
この記事では介護の現場における口腔ケアの目的・必要性についてわかりやすく解説します。
歯の役割
- 食べ物を噛む
- 歯の一番重要な役割です。噛むことができないと食べることでの栄養摂取ができなくなってしまいます。歯でよく噛むことが健康の第一歩となります。
- 発音を助ける
- 歯にも唇や舌と同じように発音を助ける役割があります。
- 顔の形を整える
- 顔の形を整え、美しい表情をつくります。これは、人に良い印象を与えることにつながります。
- 健康を助ける
- 歯が悪いと、頭が痛くなったり、姿勢が悪くなったり、その他にもいろいろな身体への害があります。
- 生きる喜びを感じられる
- 良く噛めるということは、身体に十分な栄養を供給し、健康な生活リズムを整えて『食』を楽しいものにします。
口腔ケアの目的
口腔ケアは歯や舌などの口腔内の機能を維持・向上させるために行います。
- 虫歯や歯周病を予防する
- 口腔疾患(口内炎、舌炎、カンジダ症など)を予防する
- 口臭を取り除き、不快感をなくす
- 誤嚥性肺炎を予防する(虫歯まで予防できれば肺炎は予防できる)
※肺炎:日本人の死因の3位(2016年) - 感染症を予防する
- 気分を爽快にし、食欲を増進する
- 口唇、舌、頬、咽頭の刺激やマッサージによって、摂食・嚥下訓練の一助となる
- 唾液の分泌を促進し、自浄作用を促し、口腔の乾燥を防ぐ
- 味覚を保つ
- 健康的な口元は、対人関係をスムーズにする
- 日常生活にメリハリをつける
- 敏感な口腔を刺激することによって、全身の緊張をほぐす
- 歯磨きにより上肢、手指のリハビリテーションを促す
口腔ケアの必要性
- 口の中の細菌は「バイオフィルム」で覆われると、物理的な清掃(フィルムをブラシで物理的に壊す)を行わないと取れません。つまり、歯ブラシで清掃しないと、細菌は取り除けないのです。
- 1本でも歯があったら歯ブラシでの清掃が必要です。
- 高齢者の口の中は細菌が増えやすい環境となっています。
高齢者は口腔器官の働きが低下し、唾液の分泌が減少しているため、汚れやすくなっています。(動きが活発だと汚れがたまりにくい)
逆に高齢者で口から唾液があふれている方は唾液が多いから、ではなく嚥下が難しいからというケースが多いです。
さまざまなメリットがある口腔ケア
歯は食べ物を噛むだけでなく、発音や健康、メンタルヘルスにも深く関わりがあります。口腔ケアを行うことで口臭予防や病気予防だけでなく、手指や舌の運動などさまざまなメリットが多いです。
具体的なケア方法としては、水でゆすぐだけでは不十分であり、歯ブラシを使用し細菌を取り除く必要があります。特に高齢者の口内は動きの低下や唾液の減少に伴い、細菌が増えやすい環境となっています。1本でも歯があれば歯ブラシを使用した口腔ケアを行いましょう。
※記事の内容は2021年3月時点の情報をもとに作成しています。

著者プロフィール
介護アンテナ編集部Kaigo Antenna Editorial Department














