ご利用者のなかには、ご自身で身体を動かすことができず、寝返りをうてない方もいらっしゃいます。同じ姿勢で寝続けることで起きる身体への影響を理解し、安楽な姿勢で過ごしていただけるよう介助を行っていきましょう。 この記事では体位変換・ポジショニングについてわかりやすく解説します。※記事の内容は2021年3月時点の情報をもとに作成しています。
長時間同じ姿勢で寝ていると起こりやすいこと
長時間同じ姿勢で寝ていると身体にさまざまな悪影響を及ぼします。起こりやすい3つの症状をご紹介します。
関節拘縮
- 長時間身体を動かせないでいると、苦痛を伴い身体がこわばる
- その結果、関節が拘縮しやすくなる
⇒関節拘縮してしまうと関節の可動域が狭まり、曲げ伸ばしが困難になってしまいます。
血栓や手足の浮腫(むくみ)
- 長時間身体を動かせないでいると、血液・リンパの流れが悪くなり、血流障害やむくみの原因となる
⇒血流障害やむくみは壊死や栄養障害などにも繋がります。
褥瘡(じょくそう)
- 持続的に圧がかかり続けると、皮膚が壊死し褥瘡になる
- 特に骨が突出しているところや皮膚が薄いところが褥瘡になりやすい
⇒褥瘡は感染症の原因になることもあります。
長時間仰臥位のみで寝ていると起こりやすいこと
仰臥位のみで長時間寝ていることも良くありません。起こりやすい2つの症状をご紹介します。
呼吸機能の低下
- 仰臥位の姿勢だと胸の動きも制限され、横隔膜も動きにくい
⇒呼吸が浅くなり呼吸機能が低下しやすい - 肺の下になっている部分に痰がたまりやすい(背中側)
呼吸器感染症
嚥下障害がある方や胃の内容物が逆流しやすい方は、仰臥位の姿勢だと唾液や逆流物を気道に誤嚥しやすい
⇒誤嚥性肺炎などの呼吸器感染症を起こしやすい
体位変換の重要性
長時間同じ姿勢で寝ていると、これまでみてきたように身体への悪影響がおこりやすくなります。
ご自身で寝返りをうてない方は、介助者が一定時間ごとに体位変換をおこなう必要があります。
- エアーマットを使っていても体位変換は必要です。
- 体位変換の間隔はその方のお身体の状態によって異なります。
寝返りをご自身でできない方のポジショニングの基本
ご自身で身体を動かせない方にとっては安楽に過ごせる複数の体位を工夫する必要があります。ポイントは次の3点です。
- 身体をねじらない
- 身体とベッドマットの間を隙間なく埋める
- 身体の緊張がほぐれて一定時間安定して寝ていられる姿勢を作る
仰臥位のポジショニング例
- 頭を高くする(状況に応じてギャッジアップをする)
- 肩甲骨から肘の下にクッションを入れて心臓と同じ高さにする
- 膝裏にクッションを入れ膝を立てる
側臥位のポジショニング例
- 下側の腕を前に出して圧迫されないようにする
- 上側の腕の下にクッションを入れベッドマットとの隙間を埋める(肩、肘、手の高さが同じ)
- 上側の足を曲げクッションを入れ、上下の足が交差しないようにする(股、膝、足の高さが同じ)
多職種でのアセスメントでご利用者の過ごしやすい環境を見つけましょう
安楽な体位はお一人おひとり身体の状態に合わせて工夫が必要です。医師、看護師、理学療法士などを含めた多職種でアセスメントをして検討し、最適な方法を見つけましょう。
また、発声が難しい方は痛みがあっても気づけないケースもありません。過ごしやすい姿勢を見つけられるようにその方の表情や睡眠状況などをよく観察することをおすすめします。
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著者プロフィール
介護アンテナ編集部Kaigo Antenna Editorial Department














