認知症予防や転倒予防など介護予防では、日常的に身体を動かすことが重要です。介護アンテナの体操は無料で動画が見られるだけでなく、椅子に座ったまま簡単に楽しく運動できますのでぜひ見てみてください。
心も体も健康になる高齢者体操のススメ
年齢を重ねると体を動かす機会が減り、運動不足になるケースが少なくありません。特に高齢者の場合運動不足になれば、体力や筋力が衰え、とっさの動作が追い付かなくなり転倒などの事故のリスクも高まります。
とはいえ、ハードな運動をいきなり始めてしまうと怪我につながる危険性もありますし、ハードが故に続かないということも。そうなってしまっては元も子もありません。
そこでおすすめなのが体操です。体操は身体への負担が少なく健康や筋力を維持してくれるだけでなく、気分転換になったりリラックス効果の期待もできます。
脳トレ効果も期待できる高齢者の体操
何かを暗記する際に、体を動かしながらのほうが覚えやすいということを一度は聞いたことがありませんか?最新の神経学研究では、10分間の軽い運動で脳の一部が刺激され、記憶機能が向上する可能性があると言われてます。
カリフォルニア大学アーバイン校と日本の筑波大学の研究チームが学生36人に対し、固定した自転車に座ってもらったり、心拍数が上がらない程度にゆっくりペダルをこいでもらいその後に記憶力に関するテストを実施した結果、運動後のほうがより良い成績を残したという結果がでました。
このように軽い運動を行うことは、脳の活性化の効果が期待できます。このとき注意しなければいけないのが、運動することがストレスになってはいけないということです。
ストレスになることで逆に悪影響になり、十分な効果を発揮しないと言われています。そのため介護レクなどで運動や体操を行う際は強要するようなことはせず、楽しい雰囲気づくりを心がけて行いましょう。
楽しく身体を動かせる介護アンテナのオリジナル体操
介護アンテナで紹介している動画は理学療法士監修のもと、それぞれ「認知症予防」や「転倒予防」、「誤嚥予防」など介護予防が期待できる動きを取り入れて作成しております。
1つの動画は5分程度と短く、また座りながらできる体操もあるので、介護レクリエーションとしてもとてもおすすめです。※お身体の状態により、主治医にご相談の上、実施してください。
会員登録をしていただくと無料で動画を見ることができます。今回は「認知症予防体操」と「誤嚥予防体操」、立ちながら行う「転倒予防体操」と座りながら行うものをそれぞれ紹介します。
座りながらできる!高齢者向け「認知症予防体操」
リンク【動画】簡単!座位でできる高齢者向け認知症予防体操(手・指を動かす脳トレ)
認知症予防には頭だけでなく手や指を動かすことも重要だと言われてます。この認知症予防体操は指や腕を使い左右で異なる動きをするので最初は難しいですがその分、脳の活性化につながります。
指折りと腕を使った体操の2つを紹介していますが、それぞれレベル1からありますので、参加者に合わせたスピードや難易度にし、楽しい雰囲気で行ってみてください。
1.指折りと左右異操作
レベル1.指折りで10まで数える
両手の親指から順に指を折り10まで数えます。
レベル2.右手と左手を別々の動作で10まで数える
右手はパー、左手は親指を包むようにグー。右手は親指から折り、左手は小指から伸ばしていき10まで数えます。同様に左右を入れ替えて行います。
レベル3.右手はグー・パーで、左手は指折りで数える
右手はグー・パーを繰り返し、左手は親指から指折りで10まで数えます。同様に左右を入れ替えて行います。
レベル4.左右別の動きで、左右を入れ替えながら英語で10まで数える
右手はOK、左手はLのかたちをつくり、左右を入れ替えながら英語で10まで数えます。(ワン・ツー・スリー…)
レベル5.左右別の動きで、左右を入れ替えながら英語で10まで数える
右手はキツネ、左手はOKのかたちをつくり、左右を入れ替えながら英語で10まで数えます。(ワン・ツー・スリー…)
2.腕も使う左右異操作
レベル1.前後で別の動きで、左右を入れ替えながら十二支を言う
右手を胸の前でグー、左手を前に出してパー、左右入れ替えながら十二支を言います。(子・丑・寅…)
レベル2.左右・前後で別の動きで、手拍子を挟んで左右を入れ替えながら10まで数える
右手を胸の前でパー、左手を前に出してグー、左右を入れ替えるときに手拍子を挟んで10まで数えます。
レベル3.左右・前後別の動きで、左右を入れ替えながら10まで数え、特定の数字のときチョキを出す
片手を胸の前でパー、逆の手を前に出してグーにして、左右の手を交互に変えながら1から10まで数えます。そして、3と8の時に前の手をチョキにします。
リンク【動画】簡単!座位でできる高齢者向け認知症予防体操(手・指を動かす脳トレ)
楽しくて簡単!5分でできる高齢者向け「誤嚥予防体操」
リンク【動画】楽しい簡単!高齢者向け誤嚥予防体操(口腔・首・肩の体操)
歳を重ねると口や舌の機能が低下することから誤嚥のリスクが高まります。日頃から話をしたり歌ったり口を動かすことを意識することが誤嚥予防につながります。
さらにそれだけではなく、食べ物を飲み込むときに重要な唾液分泌を促すための肩・首周りの筋肉をほぐしたり、唾液腺のマッサージすることで食べ物を噛み、まとめるための総合的な口の筋肉を鍛えることができます。本体操は楽しみながらできる誤嚥予防を目的とした体操となっています。
1.首と肩をほぐす
1.うつむき、顔をあげます→両肩を上げておろします
ゆっくりとうつむき、顔をあげます。両肩を上げておろします。この一連の動きを8カウントで2回行います。
2.左右に振り向きます→両肩を上げておろします
ゆっくりと肩の後ろを見るように左右に振り向きます。両肩を上げておろします。この一連の動きを8カウントで2回行います。
3.首を左右に倒して戻します→両肩を上げておろします
首を左右にゆっくり倒して戻す。両肩を上げてからおろします。この一連の動きを8カウントで2回行います。
4.両肩を上げておろします
両肩をしっかり上げてからおろします。5回行います。
2.耳下腺のマッサージ
耳下腺・顎下腺は唾液腺とも呼ばれ、唾液の分泌にかかわる場所です。ここを刺激することによって唾液の分泌を促進させます。
耳の前と後ろにある耳下腺に人差し指と中指をあてて、円を描くように後ろから前に5回マッサージします。
3.顎下腺のマッサージ
耳下腺同様、顎下腺のマッサージを行います。あごの根本(耳の下あたり)からあご先にかけて、親指でゆっくりと押していきましょう。
8カウントで1往復し、それを2回繰り返します。
じんわりと唾液が出てきたら、少しうつむいてごくんと飲み込みます。
4.口の運動
「パタカラ」と発声する。噛む・飲み込むというお口の機能向上が期待できます。
1.「パタカラ」を一音ずつ5回発声します
「パ・パ・パ・パ・パ」「タ・タ・タ・タ・タ」「カ・カ・カ・カ・カ」「ラ・ラ・ラ・ラ・ラ」とはっきり発声します。
2.手拍子にあわせてリズムよく「パタカラ」と発声します
手拍子にあわせて「パタカラ・パタカラ・パタカラ・パタカラ・パタカラ」と発声します
5.歌を歌う「ふじの山」
歌を歌うことは心肺機能の維持・向上も期待できます。
「ふじの山」を歌いながら、リズムにあわせて左右の肩を交互に上げます。両腕を大きくひろげて2回まわします。この一連の流れを2回繰り返します。
動画を見ながら、もしくは職員がお手本となって一緒に行うのも良いでしょう。
リンク【動画】楽しい簡単!高齢者向け誤嚥予防体操(口腔・首・肩の体操)
椅子を使って座りながらできる「転倒予防体操」
リンク【動画】楽しい簡単!高齢者向け転倒予防体操(座位で行う体操)
こちらの「転倒予防体操」は座りながらできるのでどなたでも簡単に行うことができます。足を上げる筋力トレーニングやバランスを高める骨盤の運動、身体のひねり動作を取り入れた内容となっております。後半はリズムに合わせて上肢を動かしたりと楽しくできる体操です。
1.ウォーミングアップ
3拍子で腕を振りながら足踏みを行います
まずは3拍子のリズムで30秒から1分程度足踏みを行い、身体を温めます。
2.腸腰筋の運動
膝を交互に4回上げます→膝と両手を一緒に4回上げます
始めに膝を交互に4回上げます。次に膝と両手を一緒に4回上げます。
3.骨盤の運動
1.骨盤の動きを意識しながら左右のお尻を上げます
ひじ掛けを持ち、片方ずつお尻を持ち上げます。4回行います。
2.左右に重心を移動しバランスをとります
両手・両足を開き、左右に重心を移動してバランスをとります。4回行います。
4.上半身のひねり
1.両手を合わせ左右に4回ひねります
両足を開き、両手を合わせて上半身を左右に4回ひねります。
2.ヒールタッチ&パンチ
片方の手でパンチを出し、反対側の足を伸ばしかかとで床をタッチします。左右交互に4回行います。
3.ニーアップ&パンチ
片方の手でパンチを出し、反対側の足の膝を上げます。左右交互に4回行います。
リンク【動画】楽しい簡単!高齢者向け転倒予防体操(座位で行う体操)
椅子を使って簡単にできる!高齢者向け「転倒予防体操」
リンク【動画】簡単!座位でできる高齢者向け認知症予防体操(手・指を動かす脳トレ)
高齢者の怪我の原因として多いのが転倒によるものです。転ばないためには足の筋力だけでなく、体幹との協調性、重心移動などをバランスよく鍛えることが大切です。
本体操では足腰の筋力、片足で安定して体重を支えられるバランス機能、左右の足へのスムーズな体重移動、上下の身体のひねりをトレーニングして、安定した歩行ができることを目指します。
1.腸腰筋を鍛える運動
小さい動き・大きい動きで足踏みをします
安定した椅子の背につかまり、足を軽く広げます。
1・2・3・4で小さく足踏みし、5・6・7・8は大きく足踏みをします。8カウントを2回行います。小さな動きは小さな声で、大きな動きは大きな声で行いましょう。
2.ふくらはぎの運動
1.10回程度かかとの上げ下げをしてウォーミングアップを行います
安定した椅子の背につかまり、10回程度かかとの上げ下げをしてウォーミングアップを行います。
前傾姿勢にならないよう、頭を真上に上げるように意識をして行いましょう。
2.かかとを上げた状態から徐々に下げ、一気に上げるトレーニングを行います
安定した椅子の背につかまり、かかとを上げた状態から、1・2・3で徐々に下ろし、4でかかとを一気に上げます。足の指にしっかり力を入れて行いましょう。
3.軸足の運動
片足ずつ強弱をつけながらつま先で床をタップします
安定した椅子の背につかまり、片足5回ずつ、つま先で床を軽くタップします。次になるべくつま先を床につけないように、足を大きく動かし左右5回ずつタップします。
4.重心の横移動
左右の足、交互に重心を移動します
安定した椅子の背につかまり、リズムよく左右の足を交互に横に出しながら体重を乗せます。8回行います。この時、足先だけの移動ではなく足全体に体重を乗せるようにしましょう。
5.体幹の回旋
手を目で追いながら、後ろに大きく腕を回します
安定した椅子の背につかまり、腰幅よりも大きく足を広げます。片手を正面に伸ばし、目で追いながら後ろに大きく腕を回します。
8カウントで腕を正面に戻し、左右交互に2回ずつ行います。
6.スクワット
4カウントで腰を下げて、4カウントで元に戻ります
安定した椅子の背につかまり、足を腰の幅に広げます。1・2・3・4で腰を下げて、5・6・7・8で元に戻ります。この時、お尻を真下に下げず、後ろに突き出すようにしましょう。
上体を上げる時は、足裏全部で身体を押し上げるように意識しましょう。8カウントで3回行います。
リンク【動画】簡単!座位でできる高齢者向け認知症予防体操(手・指を動かす脳トレ)
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認知症予防体操動画
監修者プロフィール
小沼 理士Masashi Onuma

著者プロフィール
介護アンテナ編集部Kaigo Antenna Editorial Department











