ラシックス錠20mg

しる100症状に注意

このページではラシックス錠20mg(サノフィ株式会社|利尿薬)について、効能・効果や用法・用量、副作用などの基本情報と併せて、服薬介助のときに介護する方が理解しておきたい高齢者が気を付けるべき点などについても記載しています。

薬の使用に際してはご自身で判断することなく、必ず医師や薬剤師に相談してください。

詳細情報

主成分

フロセミド

効能・効果

高血圧症(本態性、腎性等)、悪性高血圧、心性浮腫(うっ血性心不全)、腎性浮腫、肝性浮腫、末梢血管障害による浮腫、尿路結石排出促進に使用します。

病気・病態

用法・用量

通常、成人は1日1回40~80mgを連日または隔日服用する。腎機能不全等の場合には、さらに大量に用いることもある。ただし、悪性高血圧に用いる場合には、通常、他の降圧剤と併用すること。

副作用

以下の副作用が現れることがあるので、異常が認められた場合は速やかに医師に報告または診断をうける事を推奨します。

重大な副作用

  • ショック、アナフィラキシー(いずれも頻度不明)
  • 再生不良性貧血、汎血球減少症、無顆粒球症、血小板減少、赤芽球癆(いずれも頻度不明)
  • 水疱性類天疱瘡(頻度不明)
  • 難聴(頻度不明)
  • 中毒性表皮壊死融解症(Toxic Epidermal Necrolysis:TEN)、皮膚粘膜眼症候群(Stevens-Johnson症候群)、多形紅斑、急性汎発性発疹性膿疱症(いずれも頻度不明)
  • 心室性不整脈(Torsade de pointes)(頻度不明):低カリウム血症を伴う心室性不整脈があらわれることがある。
  • 間質性腎炎(頻度不明)
  • 間質性肺炎(頻度不明):咳嗽、呼吸困難、発熱、肺音の異常(捻髪音)等が認められた場合には、速やかに胸部X線、胸部CT等の検査を実施すること。間質性肺炎が疑われた場合には投与を中止し、副腎皮質ホルモン剤の投与等の適切な処置を行うこと。

その他副作用

貧血、白血球減少、好酸球増加、溶血性貧血、低ナトリウム血症、低カリウム血症、低カルシウム血症、代謝性アルカローシス、高尿酸血症、高血糖症、高トリグリセリド血症、高コレステロール血症、偽性バーター症候群、発疹、蕁麻疹、発赤、光線過敏症、そう痒症、水疱性皮膚炎、紫斑、苔癬様皮疹、食欲不振、下痢、悪心・嘔吐、口渇、膵炎(血清アミラーゼ値上昇)、黄疸、肝機能異常、胆汁うっ滞、BUN上昇、クレアチニン上昇、めまい、頭痛、知覚異常、聴覚障害、脱力感、倦怠感、起立性低血圧、筋痙攣、味覚異常、血管炎、発熱

形状・色

?

薬の飲みにくさの改善に向けて、医師や薬剤師、言語聴覚士などの専門職との連携にお役立てください。

白色の素錠、直径6.0mm、厚さ2.0mm

粉砕の可否

原則不可(治療上必要であると医師や薬剤師が判断した場合粉砕することがある)

保管方法

室温保存

その他の剤形

  • ラシックス錠10mg
  • ラシックス錠40mg
  • ラシックス注100mg
  • ラシックス注20mg

禁忌

病名禁忌

  • 無尿の方:本剤の効果が期待できない。
  • 肝性昏睡の方
  • 体液中のナトリウム、カリウムが明らかに減少している方:電解質失調を起こすおそれがある。
  • スルフォンアミド誘導体に対し過敏症の既往歴のある方

併用禁忌

デスモプレシン酢酸塩水和物(ミニリンメルト)(男性における夜間多尿による夜間頻尿)
低ナトリウム血症が発現するおそれがある。

併用注意

昇圧アミン:アドレナリン、ノルアドレナリン
昇圧アミンの作用を減弱するおそれがあるので、手術前の方に使用する場合には、本剤の一時休薬等の処置を行う必要がある。
ツボクラリン及びその類似作用物質:ツボクラリン塩化物塩酸塩水和物
麻痺作用を増強することがあるので、手術前の方に使用する場合には、本剤の一時休薬等の処置を行う必要がある。
他の降圧剤:β-遮断剤等
降圧作用を増強するおそれがあるので、降圧剤の用量調節等に注意すること。
ACE阻害剤、A-II受容体拮抗剤
本剤投与中にACE阻害剤またはA-II受容体拮抗剤を初めて投与もしくは増量した際に、高度の血圧低下や、腎不全を含む腎機能の悪化を起こすことがある。
アミノグリコシド系抗生物質:ゲンタマイシン硫酸塩、アミカシン硫酸塩
第8脳神経障害(聴覚障害)を増強するおそれがある。
シスプラチン
聴覚障害が増強するおそれがある。
アミノグリコシド系抗生物質:ゲンタマイシン硫酸塩、アミカシン硫酸塩
セファロスポリン系抗生物質:セファロチンナトリウム
腎毒性を増強するおそれがある。
ジギタリス剤:ジギトキシン、ジゴキシン
ジギタリスの心臓に対する作用を増強するおそれがある。
糖質副腎皮質ホルモン剤:ヒドロコルチゾン、ACTH
グリチルリチン製剤:強力ネオミノファーゲンC
甘草含有製剤
過剰カリウム放出により、低カリウム血症が発現するおそれがある。
糖尿病用剤:スルホニルウレア剤、インスリン
糖尿病用剤の作用を著しく減弱するおそれがある。
SGLT2阻害剤
利尿作用が増強されるおそれがあるので、血圧、脈拍数、尿量、血清ナトリウム濃度等を確認し、脱水症状の発現に注意する必要がある。
リチウム:炭酸リチウム
リチウム毒性を増強するおそれがあるので、血中リチウム濃度等に注意する必要がある。
サリチル酸誘導体:サリチル酸ナトリウム、アスピリン
サリチル酸誘導体毒性が発現するおそれがある。
非ステロイド性消炎鎮痛剤:インドメタシン
本剤の利尿作用を減弱するおそれがある。
尿酸排泄促進剤:プロベネシド
尿酸促進剤の尿酸排泄作用を減弱するおそれがある。
カルバマゼピン
症候性低ナトリウム血症が発現するおそれがある。
その他の強心剤:コルホルシンダロパート塩酸塩
心室性期外収縮等の不整脈の発現を助長させるおそれがある。
シクロスポリン
痛風性関節炎を起こすおそれがある。
V2-受容体拮抗剤:モザバプタン塩酸塩
利尿作用が増強するおそれがある。血圧、脈拍数、尿量、血清ナトリウム濃度等を頻回にチェックし、脱水症状の発現に注意する必要がある。
アリスキレン
併用投与(空腹時)により本剤のCmaxを49%、AUCを28%減少させる。

高齢者が特に注意すること
(一般的な注意点も含む)

夜間の休息がとくに必要な方には、夜間の排尿を避けるため、昼間に投与することが望ましい。

次の点に注意し、少量から投与を開始するなど状態を観察しながら慎重に投与すること。

  • 急激な利尿は血漿量の減少をきたし、脱水、低血圧等により立ちくらみ、めまい、失神等等を起こすことがある。
  • 特に心疾患等で浮腫のある高齢者では急激な利尿は急速な血漿量の減少と血液濃縮をきたし、脳梗塞等の血栓塞栓を誘発するおそれがある。
  • 一般に過度の降圧は好ましくないとされている。脳梗塞等が起こるおそれがある。
  • 低ナトリウム血症、低カリウム血症があらわれやすい。

薬の併用に際しては専門家(医師、薬剤師)による判断が必要です。決して自己判断で薬の併用や併用中止を行わず、必ず掛かりつけの医師や薬剤にご相談ください。

症状に注意当てはまる症状はありませんか?

  • 排尿障害・尿失禁

    排尿障害・尿失禁

高齢者は多くの薬を使うと副作用が起こりやすいだけでなく、重症化しやすくなります。高齢者に起こりやすい注意すべき症状として、ふらつき・転倒、記憶障害、せん妄、抑うつ、食欲低下、便秘、排尿障害・尿失禁などが現れる場合があります。そのような症状を起こしやすいため、75歳以上の方を対象に、できれば使用を控えたい薬が「高齢者の安全な薬物療法ガイドライン2015」(日本老年医学会)でリストアップされており、それをもとに掲載しています。75歳未満でも介護を受けている方や要介護になる少し手前の状態の方も対象にしています。服薬中の薬であった場合は、決して自己判断で中止にせず、医師にご相談ください。

参考リンク高齢者の医薬品適正使用の指針 (総論編) (厚生労働省)

参考リンク高齢者の安全な薬物療法ガイドライン2015 (一般社団法人 日本老年医学会)

ご利用に際しての注意点

このページでは、医療用医薬品添付文書をもとに高齢者とその介護者向けに編纂した内容を掲載しています(小幼児・妊婦向けの内容を除く)。正確な情報に努めておりますが、常に最新であるとは限らず、また内容を完全に保証するものではありません。薬の使用に際しては、ご自身で判断せず、医師や薬剤師などの専門家にご相談ください。当サイトによって生じた損害について、その賠償の責任を一切負わないものとします。

監修

秋下 雅弘
佐々木 淳

情報提供

クオール株式会社

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