サムスカOD錠7.5mg

しる100症状に注意

このページではサムスカOD錠7.5mg(大塚製薬株式会社|利尿薬)について、効能・効果や用法・用量、副作用などの基本情報と併せて、服薬介助のときに介護する方が理解しておきたい高齢者が気を付けるべき点などについても記載しています。

薬の使用に際してはご自身で判断することなく、必ず医師や薬剤師に相談してください。

詳細情報

主成分

トルバプタン

効能・効果

他の利尿薬で効果不十分な心不全、肝硬変における体液貯留や抗利尿ホルモン不適合分泌症候群(SIADH)における低ナトリウム血症の改善、常染色体優性多発性のう胞腎の進行抑制に使用します。

病気・病態

用法・用量

心不全における体液貯留
通常、成人は15mgを1日1回服用する。
肝硬変における体液貯留
通常、成人は7.5mgを1日1回服用する。
SIADHにおける低ナトリウム血症
通常、成人は7.5mgを1日1回服用する。必要に応じて、望ましい血清ナトリウム濃度に達するまで段階的に増量できる。最高用量は1日60mgまでとする。
常染色体優性多発性のう胞腎
通常、成人には1日60mgを2回(朝45㎎、夕15㎎)に分けて服用を開始する。1日60㎎の用量で1週間以上服用し、忍容性がある場合には、1日90㎎(朝60㎎、夕方30㎎)、1日120㎎(朝90㎎、夕方30㎎)と1週間以上の間隔を空けて段階的に増量する。最高用量は1日120㎎までとする。

副作用

以下の副作用が現れることがあるので、異常が認められた場合は速やかに医師に報告または診断をうける事を推奨します。

重大な副作用

  • 腎不全(1%未満):重度の腎障害があらわれることがある。
  • 血栓塞栓症(1%未満):急激な利尿により血液濃縮を来した場合、血栓症及び血栓塞栓症を誘発するおそれがある。
  • 高ナトリウム血症(1~5%未満):本剤の水利尿作用により血液濃縮を来し、高ナトリウム血症があらわれることがあり、意識障害を伴うこともある。投与中は、飲水量、尿量、血清ナトリウム濃度及び口渇、脱水等の症状の観察を十分に行うこと。口渇感の持続、脱水等の症状がみられた場合には、本剤の投与を減量又は中止し、症状に応じて、輸液を含めた水分補給等の適切な処置を行うこと。また、正常域を超える血清ナトリウム濃度の上昇がみられた場合には、直ちに本剤の投与を中止し、症状に応じて、輸液を含めた水分補給等の適切な処置を行うこと。
  • 急激な血清ナトリウム濃度上昇(1%未満):本剤の水利尿作用により、急激な血清ナトリウム濃度の上昇があらわれることがある。これにより麻痺、発作、昏睡等に至るような浸透圧性脱髄症候群を来すおそれがあるため、投与中は、血清ナトリウム濃度及び体液量の観察を十分に行うこと。本剤投与後24時間以内に12mEq/Lを超える等の血清ナトリウム濃度の急激な上昇がみられた場合には、直ちに本剤の投与を中止し、症状に応じて、輸液を含めた水分補給等の適切な処置を行うこと。
  • 急性肝不全(頻度不明)、肝機能障害(5%以上):AST、ALT、γ-GTP、Al-P、ビリルビン等の上昇を伴う肝機能障害があらわれ、急性肝不全に至ることがある。また、肝機能障害が回復するまでは頻回に血液検査を実施するなど観察を十分に行うこと。
  • ショック、アナフィラキシー(頻度不明):ショック、アナフィラキシー(全身発赤、血圧低下、呼吸困難等)があらわれることがある。
  • 過度の血圧低下(頻度不明)、心室細動(頻度不明)、心室頻拍(1%未満)
  • 肝性脳症(1%未満):肝硬変の方の場合、意識障害を伴う肝性脳症があらわれるおそれがある。なお、肝性脳症は、主に肝性浮腫の方において報告されているので、これらの方に投与する場合は、意識障害等の臨床症状を十分に観察すること。
  • 汎血球減少、血小板減少(頻度不明)

その他副作用

頭痛、めまい、口渇(56.9%)、便秘、血中尿酸上昇、頻尿(38.8%)、多尿(26.2%)、血中クレアチニン上昇、疲労、多飲症、不眠症、食欲不振、悪心、嘔吐、下痢、味覚異常、消化不良、腹痛、腹部膨満、血圧上昇、血圧低下、動悸、脱水、高カリウム血症、糖尿病、高血糖、脂質異常症、痛風、腎臓痛、BUN上昇、腎機能障害、血尿、発疹、そう痒、皮膚乾燥、咳嗽、呼吸困難、体重変動(増加、減少)、無力症、倦怠感、浮腫、筋骨格痛、筋痙縮、胸痛、失神、意識消失、睡眠障害、嗜眠、傾眠、ナルコレプシー、注意力障害、感覚鈍麻、不随意性筋収縮、錯感覚、不安、うつ病、リビドー減退、神経過敏、パニック発作、胃食道逆流性疾患、食道炎、裂孔ヘルニア、腹部不快感、心窩部不快感、口唇乾燥、鼓腸、胃腸炎、胃炎、胃腸障害、憩室炎、結腸ポリープ、嚥下障害、消化管運動障害、舌痛、舌苔、舌変色、口唇炎、口内炎、口の感覚鈍麻、臍ヘルニア、食欲亢進、呼気臭、痔核、頻脈、期外収縮、不整脈、起立性低血圧、不安定血圧、貧血、ヘモグロビン低下、平均赤血球容積増加、血小板減少、白血球増多、好酸球増多、血液浸透圧上昇、血液量減少症、低カリウム血症、高カルシウム血症、低ナトリウム血症、低血糖、低リン酸血症、CK上昇、尿浸透圧低下、尿失禁、尿意切迫、排尿困難、尿閉、乏尿、尿路感染、膀胱痛、腎結石、シスタチンC上昇、蕁麻疹、脱毛、ざ瘡、皮膚炎、色素沈着障害、爪の障害、多汗、乏汗、寝汗、鼻咽頭炎、上気道感染、扁桃炎、副鼻腔炎、喘息、気管支炎、口腔咽頭痛、咽喉乾燥、鼻乾燥、鼻出血、発声障害、眼乾燥、緑内障、霧視、結膜出血、背部痛、関節痛、四肢痛、疼痛、側腹部痛、冷感、発熱、ほてり、熱感、粘膜乾燥、ウイルス感染、カンジダ症、真菌感染、筋硬直、関節腫脹、勃起不全、月経過多、不規則月経、乳房嚢胞、易刺激性、LDH上昇、耳鳴

形状・色

?

薬の飲みにくさの改善に向けて、医師や薬剤師、言語聴覚士などの専門職との連携にお役立てください。

青色の素錠、割線入り、長径7.7mm、短径4.4mm、厚さ2.6mm

粉砕の可否

原則不可(治療上必要であると医師や薬剤師が判断した場合粉砕することがある)

保管方法

室温保存

その他の剤形

  • サムスカ錠OD15mg
  • サムスカ錠OD30mg
  • サムスカ顆粒1%

禁忌

病名禁忌

  • 本剤の成分または類似化合物(トルバプタンリン酸エステルナトリウム等)に対し過敏症の既往歴のある方
  • 口渇を感じないまたは水分摂取が困難な方:循環血漿量の減少により高ナトリウム血症及び脱水のおそれがある。
  • 無尿の方:本剤の効果が期待できない。
  • 適切な水分補給が困難な肝性脳症の方
  • 高ナトリウム血症の方:本剤の水利尿作用により高ナトリウム血症が増悪するおそれがある。
  • 重篤な腎機能障害の方
  • 慢性肝炎、薬剤性肝機能障害等の肝機能障害(常染色体優性多発性のう胞腎に合併する肝のう胞を除く)またはその既往歴のある方

併用注意

CYP3A4阻害作用を有する薬剤:ケトコナゾール(経口剤:国内未発売)、イトラコナゾール、フルコナゾール、クラリスロマイシン等
代謝酵素の阻害により、本剤の作用が増強するおそれがある。
CYP3A4誘導作用を有する薬剤:リファンピシン等
代謝酵素の誘導により、本剤の作用が減弱するおそれがある。
ジゴキシン
ジゴキシンの作用が増強されるおそれがある。
P糖蛋白阻害作用を有する薬剤:シクロスポリン等
本剤の作用が増強するおそれがある。
カリウム製剤
カリウム保持性利尿薬:スピロノラクトン、トリアムテレン等
抗アルドステロン薬:エプレレノン等
アンジオテンシン変換酵素阻害薬:エナラプリルマレイン酸塩等
アンジオテンシンⅡ受容体拮抗薬:ロサルタンカリウム等
レニン阻害薬:アリスキレンフマル酸塩等
血清カリウム濃度が上昇するおそれがある。
バソプレシン誘導体:デスモプレシン酢酸塩水和物等
バソプレシン誘導体の止血作用が減弱するおそれがある。

飲食物(食べ合わせ/飲み合わせ)

注意する飲食物

グレープフルーツジュース
作用が増強するおそれがある。
セイヨウオトギリソウ(St.John’sWort、セントジョーンズワート)含有食品
作用が減弱するおそれがある。

高齢者が特に注意すること
(一般的な注意点も含む)

  • 夜間の排尿を避けるため、午前中に服用することが望ましい。
  • 急激な利尿があらわれた場合、急速な循環血漿量減少、血液濃縮をきたし、血栓塞栓症を誘発するおそれがある。
  • 状態を観察しながら慎重に投与すること。一般に生理機能が低下しており、また、脱水症状を起こしやすいとされている。
  • 高ナトリウム血症発現のおそれがある。
  • 夜間頻尿を避けるため、夕方の服用は就寝前4時間以上空けることが望ましい。

薬の併用に際しては専門家(医師、薬剤師)による判断が必要です。決して自己判断で薬の併用や併用中止を行わず、必ず掛かりつけの医師や薬剤にご相談ください。

食べ合わせ・飲み合わせについては、服用される方のQOL(生活の質)も含めて専門家(医師、薬剤師)に相談しながら個別に判断が必要です。これらを飲む・食べることで、どんなことが起こる可能性があるかをご本人や周囲の方が理解し、注意点・観察ポイントの検討にお役立てください。

症状に注意当てはまる症状はありませんか?

  • 排尿障害・尿失禁

    排尿障害・尿失禁

高齢者は多くの薬を使うと副作用が起こりやすいだけでなく、重症化しやすくなります。高齢者に起こりやすい注意すべき症状として、ふらつき・転倒、記憶障害、せん妄、抑うつ、食欲低下、便秘、排尿障害・尿失禁などが現れる場合があります。そのような症状を起こしやすいため、75歳以上の方を対象に、できれば使用を控えたい薬が「高齢者の安全な薬物療法ガイドライン2015」(日本老年医学会)でリストアップされており、それをもとに掲載しています。75歳未満でも介護を受けている方や要介護になる少し手前の状態の方も対象にしています。服薬中の薬であった場合は、決して自己判断で中止にせず、医師にご相談ください。

参考リンク高齢者の医薬品適正使用の指針 (総論編) (厚生労働省)

参考リンク高齢者の安全な薬物療法ガイドライン2015 (一般社団法人 日本老年医学会)

ご利用に際しての注意点

このページでは、医療用医薬品添付文書をもとに高齢者とその介護者向けに編纂した内容を掲載しています(小幼児・妊婦向けの内容を除く)。正確な情報に努めておりますが、常に最新であるとは限らず、また内容を完全に保証するものではありません。薬の使用に際しては、ご自身で判断せず、医師や薬剤師などの専門家にご相談ください。当サイトによって生じた損害について、その賠償の責任を一切負わないものとします。

監修

秋下 雅弘
佐々木 淳

情報提供

クオール株式会社

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