公開日:2022/12/20

更新日:2022/12/22

登録者:介護アンテナ編集部

バイアスピリン錠100mg

しる100症状に注意

このページではバイアスピリン錠100mg(バイエル薬品株式会社|抗血栓薬)について、効能・効果や用法・用量、副作用などの基本情報と併せて、服薬介助のときに介護する方が理解しておきたい高齢者が気を付けるべき点などについても記載しています。

薬の使用に際してはご自身で判断することなく、必ず医師や薬剤師に相談してください。

バイアスピリン錠100mgの概要

主成分

アスピリン

分類

内服薬│抗血栓薬

効能・効果

狭心症、心筋梗塞、虚血性脳血管障害(一過性脳虚血発作(TIA)、脳梗塞)、冠動脈バイパス術(CABG)あるいは経皮経管冠動脈形成術(PTCA)施行後における血栓・塞栓形成の抑制や川崎病(川崎病による心血管後遺症を含む)に使用します。

高齢者に多い
病気・病態

用法・用量

狭心症(慢性安定狭心症、不安定狭心症)、心筋梗塞、虚血性脳血管障害(一過性脳虚血発作(TIA)、脳梗塞)における血栓・塞栓形成の抑制、冠動脈バイパス術(CABG)あるいは経皮経管冠動脈形成術(PTCA)施行後における血栓・塞栓形成の抑制に使用する場合
通常、成人は100mgを1日1回服用する。なお、症状により1回300mgまで増量できる。
川崎病(川崎病による心血管後遺症を含む)に使用する場合
急性期有熱期間は、体重1kgあたり1日30~50mgを3回に分けて服用する。解熱後の回復期から慢性期は、体重1kgあたり1日3~5mgを1回服用する。

副作用

以下の副作用が現れることがあるので、異常が認められた場合は速やかに医師に報告または診断をうける事を推奨します。

重大な副作用

  • ショック、アナフィラキシー(いずれも頻度不明):ショックやアナフィラキシー(呼吸困難、全身潮紅、血管浮腫、じん麻疹等)があらわれることがある。
  • 出血(頻度不明):脳出血等の頭蓋内出血(初期症状:頭痛、悪心・嘔吐、意識障害、片麻痺等)、肺出血、消化管出血、鼻出血、眼底出血等があらわれることがある。
  • 中毒性表皮壊死融解症、皮膚粘膜眼症候群、はく脱性皮膚炎(いずれも頻度不明)
  • 再生不良性貧血、血小板減少、白血球減少(いずれも頻度不明)
  • 喘息発作(頻度不明)
  • 肝機能障害、黄疸(いずれも頻度不明):AST、ALT、γ-GTP等の著しい上昇を伴う肝機能障害や黄疸があらわれることがある。
  • 消化性潰瘍、小腸・大腸潰瘍(いずれも頻度不明):下血(メレナ)を伴う胃潰瘍・十二指腸潰瘍等の消化性潰瘍があらわれることがある。また、消化管出血、腸管穿孔、狭窄・閉塞を伴う小腸・大腸潰瘍があらわれることがある。

その他副作用

胃腸障害、嘔吐、腹痛、胸やけ、便秘、下痢、食道炎、口唇腫脹、吐血、吐き気、悪心、食欲不振、胃部不快感、じん麻疹、発疹、浮腫、貧血、血小板機能低下(出血時間延長)、そう痒、皮疹、膨疹、発汗、めまい、興奮、頭痛、AST上昇、ALT上昇、腎障害、血圧低下、血管炎、心窩部痛、気管支炎、鼻炎、角膜炎、結膜炎、耳鳴、難聴、過呼吸、代謝性アシドーシス、倦怠感、低血糖

形状・色

?

薬の飲みにくさの改善に向けて、医師や薬剤師、言語聴覚士などの専門職との連携にお役立てください。

白色のフィルムコーティング錠、直径7.3mm、厚さ3.2mm、腸溶錠

粉砕の可否

不可(粉砕が出来ない)

保管方法

室温保存

医薬品コード(YJコード)

3399007H1021

情報に誤りがあった場合、お問い合わせフォームよりご連絡をお願いいたします。

バイアスピリン錠100mgを服用する際の注意点

禁忌

病名禁忌

  • 本剤の成分またはサリチル酸系製剤に対し過敏症の既往歴のある方
  • 消化性潰瘍のある方:プロスタグランジン生合成抑制作用により、胃の血流量が減少し、消化性潰瘍を悪化させることがある。
  • 出血傾向のある方:血小板機能異常が起こることがあるため、出血傾向を助長する恐れがある。
  • アスピリン喘息(非ステロイド性消炎鎮痛剤等による喘息発作の誘発)またはその既往歴のある方:重篤なアスピリン喘息発作を誘発させることがある。

併用注意

ワルファリンカリウム
ワルファリンカリウムの作用を増強し、出血時間の延長、消化管出血等を起こすことがある。
ヘパリン製剤、ダナパロイドナトリウム、リバーロキサバン等、ダビガトランエテキシラートメタンスルホン酸塩等、トロンボモデュリン アルファ等、チクロピジン塩酸塩、シロスタゾール、クロピドグレル硫酸塩、トロンボキサン、ザグレルナトリウム、ベラプロストナトリウム等、サルポグレラート塩酸塩、イコサペント酸エチル等、ウロキナーゼ、t-PA製剤等
出血の危険性が増大する恐れがある。
ヒトインスリン、トルブタミド等
これらの薬剤の作用を増強し、低血糖を起こすことがある。
メトトレキサート
メトトレキサートの副作用(骨髄抑制、肝・腎・消化器障害等)が増強されることがある。
バルプロ酸ナトリウム
バルプロ酸ナトリウムの作用を増強し、振戦等を起こすことがある。
フェニトイン
総フェニトイン濃度を低下させますが、非結合型フェニトイン濃度を低下させないとの報告がある。
ベタメタゾン、プレドニゾロン、メチルプレドニゾロン等
本剤(高用量投与時)との併用時に副腎皮質ホルモン剤を減量すると、サリチル酸中毒を起こすことが報告されている。また、消化管出血を増強させることが考えられる。
リチウム製剤
リチウム中毒を起こすことが報告されている。
ヒドロクロロチアジド等、フロセミド、プロプラノロール塩酸塩、ピンドロール等、エナラプリルマレイン酸塩等、ニトログリセリン製剤、プロベネシド、ベンズブロマロン
これらの薬剤の作用を減弱させることが報告されている。
インドメタシン、ジクロフェナクナトリウム等
出血及び腎機能の低下を起こすことがある。
イブプロフェン、ナプロキセン、ピロキシカム、スルピリン
本剤の血小板凝集抑制作用を減弱するとの報告がある。
アセタゾラミド等
アセタゾラミド等の副作用を増強し、嗜眠、錯乱等の中枢神経系症状、代謝性アシドーシス等を起こすことが報告されている。
ドネペジル塩酸塩
消化性潰瘍を起こすことがある。
タクロリムス水和物、シクロスポリン
腎障害が発現することがある。
ザフィルルカスト
ザフィルルカストの血漿中濃度が上昇することがある。
ラマトロバン、セラトロダスト
本剤の血中濃度が上昇すると考えられる。
フルボキサミンマレイン酸塩、塩酸セルトラリン等
皮膚の異常出血(斑状出血、紫斑等)、出血症状(胃腸出血等)が報告されている。

飲食物(食べ合わせ/飲み合わせ)

注意する飲食物

アルコール
吐き気、血の混じった便、腹痛が強くなる恐れがある。

高齢者が特に注意すること(一般的な注意点も含む)

副作用が出やすいので、空腹時の投与は避けさせることが望ましい。本剤は腸溶錠であるので、急性心筋梗塞ならびに脳梗塞急性期の初期治療に用いる場合以外は、割ったり、砕いたり、すりつぶしたりしないで、そのまま服用しすること。

状態を確認しながら慎重に服用すること。一般に腎機能、肝機能などの生理機能が低下しているため、副作用があらわれやすい。

薬の併用に際しては専門家(医師、薬剤師)による判断が必要です。決して自己判断で薬の併用や併用中止を行わず、必ず掛かりつけの医師や薬剤にご相談ください。

食べ合わせ・飲み合わせについては、服用される方のQOL(生活の質)も含めて専門家(医師、薬剤師)に相談しながら個別に判断が必要です。これらを飲む・食べることで、どんなことが起こる可能性があるかをご本人や周囲の方が理解し、注意点・観察ポイントの検討にお役立てください。

症状に注意当てはまる症状はありませんか?

  • 食欲低下

    食欲低下

高齢者は多くの薬を使うと副作用が起こりやすいだけでなく、重症化しやすくなります。高齢者に起こりやすい注意すべき症状として、ふらつき・転倒、記憶障害、せん妄、抑うつ、食欲低下、便秘、排尿障害・尿失禁などが現れる場合があります。そのような症状を起こしやすいため、75歳以上の方を対象に、できれば使用を控えたい薬が「高齢者の安全な薬物療法ガイドライン2015」(日本老年医学会)でリストアップされており、それをもとに掲載しています。75歳未満でも介護を受けている方や要介護になる少し手前の状態の方も対象にしています。服薬中の薬であった場合は、決して自己判断で中止にせず、医師にご相談ください。

参考リンク高齢者の医薬品適正使用の指針 (総論編) (厚生労働省)

参考リンク高齢者の安全な薬物療法ガイドライン2015 (一般社団法人 日本老年医学会)

ご利用に際しての注意点

このページでは、医療用医薬品添付文書をもとに高齢者とその介護者向けに編纂した内容を掲載しています(小幼児・妊婦向けの内容を除く)。正確な情報に努めておりますが、常に最新であるとは限らず、また内容を完全に保証するものではありません。薬の使用に際しては、ご自身で判断せず、医師や薬剤師などの専門家にご相談ください。当サイトによって生じた損害について、その賠償の責任を一切負わないものとします。

監修

秋下 雅弘
佐々木 淳

情報提供

クオール株式会社

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