この記事ではご自分で寝返りや起き上がることができない方に対して行う寝返り・起き上がりの介助方法やコツを詳しく説明します。
寝返りは、介助者の方に向かって動くよう介助することが基本となります。
ご本人の姿勢は、腕を組む、膝を立てるなどして、身体を小さくしていただきます。
介助者は、手の平で肩甲骨を支え、もう片方の手で骨盤横、大腿部を支えます。
お声がけをして、顔を動く方に向けていただいてから、上半身(肩甲骨)→下半身(骨盤横、大腿部)の順で手前に引くように介助します。
先に上半身を動かすと、少し身体のねじれがおきますが、これが自然な動きです。
起き上がりの介助は転落事故になることが多いため、ゆっくり慎重に行ってください。
安全な介助に必要なポイントを意識して起き上がり介助をやってみましょう。
ベッドの高さを介助姿勢の重心の位置まで上げ、サイドレールをはずす
身体を密着させたまま起き上がると、自然にご本人の正面に自分の身体が来るので、後方・側方に倒れないよう支えやすい。
首だけを支えて起き上がり介助をすると首に負担がかかります。
首は人間の身体の中でも弱い部分なので、必ず側頭部から背中までを支えて介助を行いましょう。
身体を密着させずに介助を行うと、姿勢が不安定になり、介助者の腰をいためやすい。
起き上がり直後の、姿勢が安定していない状態でご利用者から離れると危険です。ご利用者の姿勢が安定したことを確認してから離れるようにします。
身体を無理に動かそうとすると、ご本人に大きな負担がかかるばかりか、介助者側にも余計な負担がかかることになります。
そうならないためにも、身体の動きの特性や力と運動の関係を十分に理解することが大切です。
小さい力で安全に介助するコツは、介助全般にわたって使える技術です。さまざまな場面でコツを使った介助を行うよう心がけましょう。
※記事の内容は2021年3月時点の情報をもとに作成しています。
介護アンテナ編集部Kaigo Antenna Editorial Department
プロフィール
株式会社ベネッセスタイルケア運営の介護アンテナ。編集部では、ベネッセの25年以上にわたる介護のノウハウをはじめ、日々介護の現場で活躍している介護福祉士や介護支援専門員(ケアマネジャー)、看護師、理学療法士、作業療法士、言語聴覚士などの高齢者支援のスペシャリストたちの実践知や日々のお仕事に役立つ情報をお届けします!
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