公開日:2022/12/20

更新日:2022/12/22

登録者:介護アンテナ編集部

ドグマチール錠50mg

しる100症状に注意

このページではドグマチール錠50mg(日医工株式会社|抗うつ薬)について、効能・効果や用法・用量、副作用などの基本情報と併せて、服薬介助のときに介護する方が理解しておきたい高齢者が気を付けるべき点などについても記載しています。

薬の使用に際してはご自身で判断することなく、必ず医師や薬剤師に相談してください。

ドグマチール錠50mgの概要

主成分

スルピリド

分類

内服薬│抗うつ薬

効能・効果

胃・十二指腸潰瘍の改善や統合失調症、うつ病・うつ状態の改善に使用します。

高齢者に多い
病気・病態

用法・用量

胃・十二指腸潰瘍
通常、成人は1日150mgを3回に分けて服用する。
統合失調症
通常、成人は1日300~600mgを服用する。なお、1日1,200mgまで増量することができる。
うつ病・うつ状態
通常、成人は1日150~300mgを服用する。なお、1日600mgまで増量することができる。

副作用

以下の副作用が現れることがあるので、異常が認められた場合は速やかに医師に報告または診断をうける事を推奨します。

重大な副作用

  • 悪性症候群(0.1%未満):無動緘黙、強度の筋強剛、嚥下困難、頻脈、血圧の変動、発汗等が発現し、それに引き続き発熱がみられる場合は、投与を中止し、体冷却、水分補給等の全身管理とともに適切な処置を行うこと。本症発症時には、白血球の増加や血清CKの上昇がみられることが多く、また、ミオグロビン尿を伴う腎機能の低下がみられることがある。なお、高熱が持続し、意識障害、呼吸困難、循環虚脱、脱水症状、急性腎障害へと移行し、死亡した例が報告されている。
  • 痙攣(0.1%未満)
  • QT延長、心室頻拍(Torsades de Pointesを含む)(各0.1%未満)
  • 無顆粒球症、白血球減少(各0.1%未満)
  • 肝機能障害、黄疸(各0.1%未満):AST、ALT、γ-GTP、Al-Pの上昇を伴う肝機能障害、黄疸があらわれることがある。
  • 遅発性ジスキネジア(0.1%未満):長期投与により、口周部等の不随意運動があらわれ投与中止後も持続することがある。
  • 肺塞栓症、深部静脈血栓症(各0.1%未満):肺塞栓症、静脈血栓症等の血栓塞栓症が報告されているので、観察を十分に行い、息切れ、胸痛、四肢の疼痛、浮腫等が認められた場合には、投与を中止するなど適切な処置を行うこと。

その他副作用

胃・十二指腸潰瘍
月経異常、乳汁分泌、女性化乳房、不眠、眠気、めまい、ふらつき、口渇、胸やけ、悪心、嘔吐、便秘、熱感、倦怠感
統合失調症、うつ病・うつ状態
血圧下降、パーキンソン症候群(振戦、筋強剛、流涎等)、ジスキネジア(舌のもつれ、言語障害、頸筋捻転、眼球回転、注視痙攣、嚥下困難等)、アカシジア(静坐不能)、乳汁分泌、女性化乳房、月経異常、射精不能、睡眠障害、不穏、焦燥感、眠気、頭痛、頭重、めまい、浮遊感、興奮、躁転、躁状態、しびれ、運動失調、悪心、嘔吐、口渇、便秘、食欲不振、腹部不快感、AST、ALT、Al-P等の上昇、発疹、体重増加、浮腫、脱力感、倦怠感、排尿困難、性欲減退

形状・色

?

薬の飲みにくさの改善に向けて、医師や薬剤師、言語聴覚士などの専門職との連携にお役立てください。

白色〜帯黄白色のフィルムコーティング錠、直径約6.1mm、厚さ約2.7mm

粉砕の可否

原則不可(治療上必要であると医師や薬剤師が判断した場合粉砕することがある)

保管方法

室温保存

医薬品コード(YJコード)

2329009F1110

その他の剤形

  • ドグマチールカプセル50mg
  • ドグマチール細粒10%
  • ドグマチール細粒50%
  • ドグマチール錠100mg/200mg
  • ドグマチール錠200mg

情報に誤りがあった場合、お問い合わせフォームよりご連絡をお願いいたします。

ドグマチール錠50mgを服用する際の注意点

禁忌

病名禁忌

  • 本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある方
  • プロラクチン分泌性の下垂体腫瘍(プロラクチノーマ)の方:抗ドパミン作用によりプロラクチン分泌が促進し、病態を悪化させる恐れがある。
  • 褐色細胞腫の疑いのある方:急激な昇圧発作を起こす恐れがある。

併用注意

イミプラミン、ピモジド等
QT延長、心室性不整脈等の重篤な副作用を起こす恐れがある。
ジゴキシン、ジギトキシン等
悪心、嘔吐、食欲不振症状を不顕性化する恐れがある。
メトクロプラミド、チアプリド等、クロルプロマジン等、ハロペリドール等
内分泌機能異常、錐体外路症状が発現しやすくなる。
ペントバルビタール、アモバルビタール、フェノバルビタール等の麻酔剤等
相互に注水神経抑制作用を増強させることがある。
レボドパ等
相互に作用を減弱させることがある。

飲食物(食べ合わせ/飲み合わせ)

注意する飲食物

アルコール
脳の活動を抑制し、不安やパニック障害、急性ストレス反応、睡眠障害などを治療する上で効果を増強させることがある。

高齢者が特に注意すること(一般的な注意点も含む)

本剤は、主として腎臓から排泄されるが、高齢者では腎機能が低下していることが多く、高い血中濃度が持続する恐れがあるため、副作用(錐体外路症状等)の発現に注意し、用量並びに投与間隔に留意するなど慎重に投与すること。

薬の併用に際しては専門家(医師、薬剤師)による判断が必要です。決して自己判断で薬の併用や併用中止を行わず、必ず掛かりつけの医師や薬剤にご相談ください。

食べ合わせ・飲み合わせについては、服用される方のQOL(生活の質)も含めて専門家(医師、薬剤師)に相談しながら個別に判断が必要です。これらを飲む・食べることで、どんなことが起こる可能性があるかをご本人や周囲の方が理解し、注意点・観察ポイントの検討にお役立てください。

症状に注意当てはまる症状はありませんか?

  • ふらつき・転倒

    ふらつき・転倒

高齢者は多くの薬を使うと副作用が起こりやすいだけでなく、重症化しやすくなります。高齢者に起こりやすい注意すべき症状として、ふらつき・転倒、記憶障害、せん妄、抑うつ、食欲低下、便秘、排尿障害・尿失禁などが現れる場合があります。そのような症状を起こしやすいため、75歳以上の方を対象に、できれば使用を控えたい薬が「高齢者の安全な薬物療法ガイドライン2015」(日本老年医学会)でリストアップされており、それをもとに掲載しています。75歳未満でも介護を受けている方や要介護になる少し手前の状態の方も対象にしています。服薬中の薬であった場合は、決して自己判断で中止にせず、医師にご相談ください。

参考リンク高齢者の医薬品適正使用の指針 (総論編) (厚生労働省)

参考リンク高齢者の安全な薬物療法ガイドライン2015 (一般社団法人 日本老年医学会)

ご利用に際しての注意点

このページでは、医療用医薬品添付文書をもとに高齢者とその介護者向けに編纂した内容を掲載しています(小幼児・妊婦向けの内容を除く)。正確な情報に努めておりますが、常に最新であるとは限らず、また内容を完全に保証するものではありません。薬の使用に際しては、ご自身で判断せず、医師や薬剤師などの専門家にご相談ください。当サイトによって生じた損害について、その賠償の責任を一切負わないものとします。

監修

秋下 雅弘
佐々木 淳

情報提供

クオール株式会社

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