サインバルタカプセル20mg

しる100症状に注意

このページではサインバルタカプセル20mg(塩野義製薬株式会社|抗うつ薬)について、効能・効果や用法・用量、副作用などの基本情報と併せて、服薬介助のときに介護する方が理解しておきたい高齢者が気を付けるべき点などについても記載しています。

薬の使用に際してはご自身で判断することなく、必ず医師や薬剤師に相談してください。

詳細情報

主成分

デュロキセチン塩酸塩

効能・効果

うつ病・うつ状態、糖尿病性神経障害・線維筋痛症・慢性腰痛症・変形性関節症に伴う疼痛に使用します。

病気・病態

用法・用量

うつ病・うつ状態、糖尿病性神経障害に伴う疼痛
通常、成人は40mgを1日1回朝食後に服用する。服用は1日20mgより開始し、1週間以上の間隔を空けて1日用量として20mgずつ増量する。なお、1日60mgまで増量することができる。
線維筋痛症に伴う疼痛、慢性腰痛症に伴う疼痛、変形性関節症に伴う疼痛
通常、成人は60mgを1日1回朝食後に服用する。服用は1日20mgより開始し、1週間以上の間隔を空けて1日用量として20mgずつ増量する。
                              

副作用

以下の副作用が現れることがあるので、異常が認められた場合は速やかに医師に報告または診断をうける事を推奨します。

重大な副作用

  • セロトニン症候群(頻度不明):不安、焦燥、興奮、錯乱、発汗、下痢、発熱、高血圧、固縮、頻脈、ミオクローヌス、自律神経不安定等があらわれることがある。セロトニン作用薬との併用時に発現する可能性が高くなるため、特に注意すること。異常が認められた場合には投与を中止し、体冷却、水分補給等の全身管理と共に適切な処置を行うこと。
  • 悪性症候群(頻度不明):発熱、無動緘黙、強度の筋強剛、嚥下困難、頻脈、血圧の変動、発汗、白血球数増加、血清CK(CPK)上昇等の異常が認められた場合には、投与を中止し、体冷却、水分補給等の全身管理と共に適切な処置を行うこと。また、ミオグロビン尿を伴う腎機能の低下がみられ、急性腎障害に至ることがあるので注意すること。
  • 抗利尿ホルモン不適合分泌症候群(SIADH)(頻度不明):低ナトリウム血症、低浸透圧血症、尿中ナトリウム排泄量の増加、高張尿、痙攣、意識障害等を伴う抗利尿ホルモン不適合分泌症候群(SIADH)があらわれることがあるので、異常が認められた場合には投与を中止し、水分摂取の制限等適切な処置を行うこと。
  • 痙攣(0.1%未満)、幻覚(頻度不明)
  • 肝機能障害(0.1%未満)、肝炎(頻度不明)、黄疸(頻度不明):AST、ALT、γ-GTP、総ビリルビン等の上昇を伴う肝機能障害、肝炎、黄疸があらわれることがある。
  • 皮膚粘膜眼症候群(Stevens-Johnson症候群)(頻度不明)
  • アナフィラキシー反応(頻度不明):呼吸困難、痙攣、血管浮腫、蕁麻疹等を伴うアナフィラキシー反応があらわれることがある。
  • 高血圧クリーゼ(頻度不明)
  • 尿閉(頻度不明):症状があらわれた場合には投与を中止し、導尿を実施するなど適切な処置を行うこと。

その他副作用

倦怠感、傾眠(24.3%)、頭痛、めまい、悪心(22.4%)、食欲減退、口渇(12.8%)、便秘(12.4%)、下痢、不眠、立ちくらみ、しびれ感、振戦、浮遊感、腹部痛、嘔吐、腹部膨満感、腹部不快感、消化不良、胃炎、耳鳴、動悸、頻脈、血圧上昇、AST上昇、ALT上昇、γ-GTP上昇、総ビリルビン上昇、Al-P上昇、LDH上昇、排尿困難、高血糖、トリグリセリド上昇、総コレステロール上昇、尿中蛋白陽性、発汗、体重減少、体重増加、CK(CPK)上昇、発疹、そう痒、蕁麻疹、ほてり、発熱、悪寒、脱水、脱力感、あくび、焦燥感、気分高揚、注意力障害、錐体外路症状、不安、異常夢(悪夢を含む)、頭がぼーっとする、性欲減退、躁病反応、錯感覚、無感情、味覚異常、口内炎、歯痛、胃腸炎、咽頭不快感、視調節障害、眼乾燥、霧視、耳痛、起立性低血圧、上室性不整脈、失神、ヘモグロビン減少、赤血球減少、ヘマトクリット減少、鼻出血、背部痛、関節痛、筋痛、肩こり、筋痙攣、性機能異常(月経異常、射精障害、勃起障害等)、排尿障害、血中クレアチニン上昇、BUN上昇、頻尿、尿中アルブミン/クレアチニン比上昇、尿流量減少、血中カリウム減少、浮腫、冷感、熱感、呼吸苦、胸痛、冷汗、咳嗽

形状・色

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薬の飲みにくさの改善に向けて、医師や薬剤師、言語聴覚士などの専門職との連携にお役立てください。

キャップが淡赤白色、ボディが微黄白色の不透明な硬カプセル剤である。内容物は白色~微灰白色の顆粒である。

粉砕の可否

不可(粉砕が出来ない)

保管方法

室温保存

その他の剤形

  • サインバルタカプセル30mg

禁忌

病名禁忌

  • 本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある方
  • モノアミン酸化酵素(MAO)阻害剤(セレギリン塩酸塩、ラサギリンメシル酸塩、サフィナミドメシル酸塩)を投与中あるいは投与中止後2週間以内の方
  • 高度の肝機能障害のある方
  • 高度の腎機能障害のある方
  • コントロール不良の閉塞隅角緑内障の方:症状が悪化することがある。

併用禁忌

モノアミン酸化酵素(MAO)阻害剤:セレギリン塩酸塩(エフピー)、ラサギリンメシル酸塩(アジレクト)、サフィナミドメシル酸塩(エクフィナ)
他の抗うつ剤で併用により発汗、不穏、全身痙攣、異常高熱、昏睡等の症状があらわれたとの報告がある。MAO阻害剤の投与を受けた方に本剤を投与する場合には、少なくとも2週間の間隔をおき、また、本剤からMAO阻害剤に切り替えるときは5日間の間隔をおくこと。

併用注意

ピモジド
QT延長、心室性不整脈(Torsade de pointes)等の心血管系副作用が起こることがある。
中枢神経抑制剤:バルビツール酸誘導体、ロラゼパム等
相互に作用を増強することがある。
メチルチオニニウム塩化水和物:メチレンブルー
セロトニン症候群があらわれるおそれがある。
フルボキサミンマレイン酸塩、シプロフロキサシン、エノキサシン等
本剤の血中濃度を上昇させることがある。
三環系抗うつ剤:アミトリプチリン塩酸塩、ノルトリプチリン塩酸塩、イミプラミン塩酸塩等
フェノチアジン系抗精神病剤:ペルフェナジン
抗不整脈剤:プロパフェノン塩酸塩、フレカイニド酢酸塩
これらの薬剤の血中濃度を上昇させることがある。
パロキセチン塩酸塩水和物、キニジン硫酸塩水和物等
本剤の血中濃度を上昇させることがある。
セロトニン作用薬:炭酸リチウム、セロトニン・ノルアドレナリン再取り込み阻害剤(SNRI)、トラマドール塩酸塩、トリプタン系薬剤、L-トリプトファン含有製剤リネゾリド等
相互にセロトニン作用が増強することによりセロトニン症候群等のセロトニン作用による症状があらわれることがある。
降圧剤:クロニジン塩酸塩等
これらの薬剤の効果を減弱することがある。
アドレナリン、ノルアドレナリン
これらの薬剤(特に注射剤)との併用により、心血管作用(血圧上昇等)が起こりやすくなる。
血漿蛋白との結合率の高い薬剤:ワルファリンカリウム等
相互に作用を増強することがある。
出血傾向が増強する薬剤:非定型抗精神病剤、フェノチアジン系薬剤、三環系抗うつ剤、アスピリン等の非ステロイド系抗炎症剤、ワルファリンカリウム等
出血傾向が増強することがある。

飲食物(食べ合わせ/飲み合わせ)

注意する飲食物

アルコール
中枢神経抑制作用を増強することがある。また肝機能が悪化するおそれがある。
セイヨウオトギリソウ(セントジョーンズワート)含有食品等
相互にセロトニン作用を増強することによりセロトニン症候群等のセロトニン作用による症状があらわれることがある。

高齢者が特に注意すること
(一般的な注意点も含む)

状態を観察しながら慎重に投与すること。高齢者では薬物の消失が遅延し、血漿中濃度が上昇することがある。また、高齢者においては、以下の点に注意すること。

  • 低ナトリウム血症、抗利尿ホルモン不適合分泌症候群(SIADH)の危険性が高くなることがある。
  • めまい等による転倒を起こすことがある。

薬の併用に際しては専門家(医師、薬剤師)による判断が必要です。決して自己判断で薬の併用や併用中止を行わず、必ず掛かりつけの医師や薬剤にご相談ください。

食べ合わせ・飲み合わせについては、服用される方のQOL(生活の質)も含めて専門家(医師、薬剤師)に相談しながら個別に判断が必要です。これらを飲む・食べることで、どんなことが起こる可能性があるかをご本人や周囲の方が理解し、注意点・観察ポイントの検討にお役立てください。

症状に注意当てはまる症状はありませんか?

  • ふらつき・転倒

    ふらつき・転倒

高齢者は多くの薬を使うと副作用が起こりやすいだけでなく、重症化しやすくなります。高齢者に起こりやすい注意すべき症状として、ふらつき・転倒、記憶障害、せん妄、抑うつ、食欲低下、便秘、排尿障害・尿失禁などが現れる場合があります。そのような症状を起こしやすいため、75歳以上の方を対象に、できれば使用を控えたい薬が「高齢者の安全な薬物療法ガイドライン2015」(日本老年医学会)でリストアップされており、それをもとに掲載しています。75歳未満でも介護を受けている方や要介護になる少し手前の状態の方も対象にしています。服薬中の薬であった場合は、決して自己判断で中止にせず、医師にご相談ください。

参考リンク高齢者の医薬品適正使用の指針 (総論編) (厚生労働省)

参考リンク高齢者の安全な薬物療法ガイドライン2015 (一般社団法人 日本老年医学会)

ご利用に際しての注意点

このページでは、医療用医薬品添付文書をもとに高齢者とその介護者向けに編纂した内容を掲載しています(小幼児・妊婦向けの内容を除く)。正確な情報に努めておりますが、常に最新であるとは限らず、また内容を完全に保証するものではありません。薬の使用に際しては、ご自身で判断せず、医師や薬剤師などの専門家にご相談ください。当サイトによって生じた損害について、その賠償の責任を一切負わないものとします。

監修

秋下 雅弘
佐々木 淳

情報提供

クオール株式会社

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