公開日:2019/09/06

更新日:2022/01/26

マネジメント職や専門職など、介護職のキャリアアップについて

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日本では、増え続ける高齢者に対して、介護職の人材不足が深刻な問題となっています。そのため、現場の介護従事者がいきいきと目標を持って働き続けられるよう、各企業でキャリアパス制度が整備されつつあります。

マネジメント職や専門職など、介護職のキャリアアップについて

マネジメント職や専門職など、介護職のキャリアアップについて

介護職は、介護を受ける方が安全で安心した毎日を送れるようにサポートするプロフェッショナルです。しかし少子高齢化が進む日本では、増え続ける高齢者に対して、介護職の人材不足が予想されています。

そのため、介護職に携わる人材の確保や定着を促すためにも、現場で働く介護職のスタッフが将来のビジョンを持っていきいきと働き続けることができるよう、各企業でさまざまなキャリアパス制度が整備されています。

ここでは、介護職の種類やそれぞれの資格取得までのステップ、またキャリアアップの道筋について紹介します。

介護職のキャリアアップの道筋

介護職のキャリアアップの道筋

介護職は、看護師などの医療系職種と違い、無資格・未経験でも就くことは可能です。とはいえ、まったくの知識ゼロでは、十分なお世話やサービス提供ができません。

そのため、まずは「介護職員初任者研修」を受講して、介護の基本的な医療知識や人間の体のしくみなどを学ぶのが最初のステップになります。

その後は、介護職員初任者研修の上級編である「介護福祉士実務者研修」の取得へと進み、3年間の実務経験を積んだ後に国家資格である「介護福祉士」資格の取得を目指すのが、一般的なキャリアアップの流れです。

なお、介護福祉士の取得後は、さらに現場経験を積み「介護の第一線で働き続ける道」、ケアマネジャーや生活相談員などの「専門職になる道」、エリアマネジャーや施設管理者といった「マネジメント職になる道」があります。

介護職を極める場合

介護の第一線で活躍し続けるためには、「介護福祉士」の資格を目標にしましょう。3年以上の実務経験と介護福祉士の資格があれば、どこの施設でも「介護職として頼りになる人材」と評価してもらえます。

さらに、介護福祉士として5年以上の実務経験、現任研修の受講、介護職のリーダーとしての実務経験や居宅と施設サービスでの生活支援経験を経て、「認定介護福祉士」というキャリアパスの頂点を目指すことができます。

介護福祉士から専門職を目指す場合

介護福祉士の資格を得た後は、次のような専門職を目指すこともできます。

ケアマネジャー(介護支援専門員)

ケアマネジャーは、介護制度の利用希望者やその家族から話を聞き、一人ひとりに合ったケアプランを作る専門職です。自宅で介護サービスを受ける方のプランを作成する「居宅ケアマネジャー」と、施設に常駐して利用者のケアプランを作成する「施設ケアマネジャー」の2種類に分類できます。

給与は、一般的に介護職より高めで、厚生労働省の「平成30年度介護従事者処遇状況等調査結果」によると、介護職員処遇改善加算を取得している事業所におけるケアマネジャーの給与平均(ボーナスや残業代まで合わせた額)は、月額35万320円となっています。

これは、介護職の平均水準30万970円より高くなっています。

ケアマネジャーになるには、「介護支援専門員実務研修受講試験」に合格する必要があり、受験には医師や介護福祉士など国家資格に基づく業務に従事する者、または相談援助業務に従事する者として5年以上、900日以上の実務経験が求められます。試験は毎年秋に行われ、2018年度の合格率は10.1%でした。

介護支援専門員実務研修受講試験に合格し、その後、介護支援専門員実務研修を修了すれば、ケアマネジャーとして働くことができます。

生活相談員

生活相談員は、介護福祉施設に常駐し、利用者とその家族と施設、ケアマネジャーのあいだを調整したり、地域の医療機関、外部施設との橋渡しをしたりする役職です。

生活相談員は役職名であって、資格を意味するものではありません。

生活相談員になるには、「社会福祉士」「精神保健福祉士」「社会福祉主事任用資格」のいずれかの資格が必要とされる場合が多いですが、自治体によって、介護福祉士やケアマネジャー資格、一定期間の介護職経験があれば就任できるところもあります。

サービス提供責任者

サービス提供責任者は、訪問介護サービスの計画・運営を、責任を持って行います。ケアマネジャーが作成したプランに基づいて訪問介護計画書を作り、利用者宅を実際に訪問してニーズや悩みを聞いたり、ホームヘルパーの教育や管理を行ったりします。医療との連携や、ケアマネジャーとの連携もサービス提供責任者の仕事です。

サービス提供責任者になるには、「介護福祉士」の資格を持っているか「介護福祉士実務者研修」を修了していること、または「介護職員初任者研修」の修了者で、3年以上介護などの業務に従事した経験を持っていることが求められます。

介護福祉士からマネジメント職を目指す場合

マネジメント職とは、現場リーダーや施設管理者のほか、介護福祉法人や企業のエリアマネジャー、施設長などの管理職ポジション全般のことです。

将来のリーダー候補として、20代、30代のうちから責任ある役職を任せる企業や法人は多く、認められれば若いうちから活躍できるチャンスがあります。

ただし、マネジメント職のポジションには限りがあり、基本的に前任者が辞めない限りは就任できません。また、介護現場の経験を積んだ後に、自分で訪問介護センターなどを立ち上げる方もいます。

年代やライフスタイルに合わせて働き方を変えられる

年代やライフスタイルに合わせて働き方を変えられる

介護職は、さまざまな働き方ができる職種です。20代、30代のころは現場の第一線で働き、40代、50代になると管理者になったり、肉体的な負担が少ないケアマネジャーになったりと、年代やライフスタイルに合わせて働き方を変えていくことができます。

キャリアパスが明確になっている介護職は、自分らしく長く働き続けることができる職種といえるのではないでしょうか。

著者プロフィール

介護アンテナ編集部Kaigo Antenna Editorial Department

プロフィール
株式会社ベネッセスタイルケア運営の介護アンテナ。編集部では、ベネッセの25年以上にわたる介護のノウハウをはじめ、日々介護の現場で活躍している介護福祉士や介護支援専門員(ケアマネジャー)、看護師、理学療法士、作業療法士、言語聴覚士などの高齢者支援のスペシャリストたちの実践知や日々のお仕事に役立つ情報をお届けします!

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