公開日:2019/08/28

更新日:2022/01/26

介護職における夜勤・夜勤専従の仕事内容とは?

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24時間体制でのケアが必要なケースもある介護の現場。介護サービス利用者が安心して生活を送れるよう、介護職には夜勤という働き方があります。その仕事内容や業務形態、メリット・デメリットのほか、夜勤専従の働き方についても紹介します。

介護職における夜勤・夜勤専従の仕事内容とは?

介護職における夜勤・夜勤専従の仕事内容とは? 

24時間体制でケアが必要なケースもある介護の現場。介護サービス利用者が安心して生活を送れるよう、介護職には看護職と同様に、夜勤という働き方があります。

ここでは、介護職の夜勤という働き方について、仕事内容やメリット・デメリットなどの実態をまとめました。併せて、夜勤専従という働き方についてもご紹介します。

介護職の「夜勤」という働き方

介護職の「夜勤」という働き方

入居型の介護施設や、24時間体制で夜間対応型の訪問看護サービスなどを行っている場合、夜間勤務は必須です。

まずは、介護職の夜勤の仕事内容と業務時間について見ていきましょう。

夜勤の仕事内容

介護職の夜勤は、夜間も利用者がいる施設(特別養護老人ホームやグループホーム)や、お泊りデイサービスを実施している施設などで必要とされています。

仕事内容は施設ごとに異なりますが、基本的には利用者の就寝前後から起床前後までの生活介助がメインとなるため、入浴介助やレクリエーションなどの業務を担当しない場合が多いものの、夜間の救急時の対応などを行う可能性は出てくるでしょう。

施設によっては、利用者の就寝後の巡回業務をメインとするところもあります。その場合、職員が仮眠室で休憩できるように配慮している施設もあります。

夜勤の業務時間

業務時間も施設によって異なりますが、日本医療労働組合連合会が2018年に行った「介護施設夜勤実態調査」では、「2交代制」の入居施設が約9割近くを占め、「3交代制」が約1割でした。

なお、夜勤の勤務回数には法的な制限がないため、担当する職員の人数などによって夜勤の頻度は変わってきます。

夜勤の業務時間の区切り方である「2交代制」と「3交代制」の詳細は以下のとおりです。

2交代制
2交代制は、日勤を8時~17時、夜勤を16時~翌9時というように、1日を2つの時間帯に分けた勤務形態です。この場合、夜勤の仕事には利用者の夕食や就寝準備なども含まれています。
3交代制
3交代制は、早番を6時~14時、遅番を14時~22時、夜勤を22時~翌6時というように、1日を3つの時間帯に分けた勤務形態です。夜勤担当者の出勤時には、ほとんど利用者が就寝中のため、巡回業務や起床後の準備などがメイン業務となります。

夜勤のメリット・デメリット

介護の現場には、欠かすことのできない夜勤という働き方。では、夜勤で働く場合のメリットとデメリットには、どのようなものがあるのでしょうか。

夜勤のメリット

高収入が見込める
夜勤は、手当があったり、元々の給与設定が高かったりするため、高収入を狙うことができる場合もあります。ただし、雇用形態によって夜勤手当の金額は異なり、「一律額」「一律額+割増額」「割増額(基本時給×割増額)」と、施設によってさまざまです。

夜勤のデメリット

生活リズムが乱れる
夜勤は昼夜が逆転するため、体調を崩しやすいことがデメリットとして挙げられます。夜勤が増えると一定の睡眠時間の確保も難しくなり、心身ともに疲弊してしまいやすい点にも注意したいところです。
夜間対応が不安
夜勤は日勤と比べて職員数が少ないため、慣れないうちは夜間の救急対応が不安だったり、業務の負担が大きく感じられたりすることもあるでしょう。

介護職の「夜勤専従」という働き方

介護職の「夜勤専従」という働き方

介護職には、夜間の勤務シフトだけに入る「夜勤専従」という働き方もあります。ここでは、夜勤専従の介護職の仕事内容や、メリット・デメリットなどをまとめました。

夜勤専従の仕事内容

夜勤専従の場合、施設利用者の夕食から朝食までの生活介助がメイン業務となります。また、早番の職員や日勤の職員への引き継ぎも行います。

有料老人ホームにおける夜勤専従の業務例

  • 遅番スタッフからの引き継ぎ
  • 夕食の介助
  • 就寝前の介助
  • 巡回・見回り・ナースコールの対応
  • 起床介助
  • トイレ誘導・オムツ介助・着替えの介助
  • 朝食会場への誘導
  • バイタル測定・服薬介助
  • 食事準備・食事介助
  • 早番または日勤への引き継ぎ

夜勤専従の勤務形態

夜勤は日勤に比べて、1日の勤務時間が長くなります。そのため、「1日の勤務時間は8時間を超えても、1週間の合計勤務時間は40時間以内」という変形労働時間制となります。

一般的には、夜勤専従の場合は夕方から翌日朝までの勤務形態であるところが多いようですが、拘束時間が16時間を超えると「2日分勤務」とみなされます(日本医療労働組合連合会「2018年介護施設夜勤実態調査」によると、16時間以上の夜勤を実施している施設は7割近くに上る)。そのため、勤務日数は月に10日前後となり、日勤よりも少なくなる場合もあります。

反対に、22時から翌7時など「8時間+休憩時間」のような勤務形態の場合は、日勤と同様に「1日分勤務」とみなされます。この場合は、夜勤専従であっても日勤と同じく月に20日前後の勤務日数となるでしょう。

夜勤専従のメリット・デメリット

夜の時間帯を専門に働く夜勤専従。では、そのメリット・デメリットには、どのようなものがあるのでしょうか。以下にまとめました。

夜勤専従のメリット

少ない勤務日数で高収入を狙える
夜勤専従の勤務時間は日勤よりも長くなりますが、その分、働く日数は少なくても十分な収入が期待できます。一般的な介護スタッフで日給20,000円以上、有資格者であれば日給30,000円以上を得られる場合が多く、しっかり稼ぐことができるでしょう。
昼間の時間が有効活用できる
人の少ない平日の昼間を、有効的に活用することができます。自分の趣味にあてたり、資格取得の時間に利用したり、家族や友達とゆっくり過ごしたりするなど、ワークライフバランスを重視する方に適しています。

夜勤専従のデメリット

昼夜逆転してしまう
日勤・夜勤と日によって違う働き方よりも生活リズムは整いますが、それでも16時間夜勤の場合は一般的な8時間勤務に比べ、生活リズムは乱れがちになります。
また、昼夜逆転の生活になるため家族や友人と生活リズムが合わなかったり、身体への影響も考えられます。
ご利用者の状態をキャッチしにくい
夜勤の時間帯はご利用者が就寝されている時間が長いため、あまりコミュニケーションの時間がとれず、ご利用者の活動する様子などを知ることができません。
もちろん、申し送りや記録などで確認できますが、「いつもと違う」などの変化を感じにくい場合があります。

夜勤のメリット・デメリットを踏まえてワークスタイルに合った働き方を

夜勤のメリット・デメリットを踏まえてワークスタイルに合った働き方を

夜勤や夜勤専従という働き方には、メリット・デメリットがありますが、メリットを上手に活かしながら、日々の体調管理や職場選びでデメリットをカバーすることができるでしょう。

自分の希望するワークスタイルや生活リズムについて振り返り、無理のない範囲で夜勤を取り入れていくことをおすすめします。

著者プロフィール

介護アンテナ編集部Kaigo Antenna Editorial Department

プロフィール
株式会社ベネッセスタイルケア運営の介護アンテナ。編集部では、ベネッセの25年以上にわたる介護のノウハウをはじめ、日々介護の現場で活躍している介護福祉士や介護支援専門員(ケアマネジャー)、看護師、理学療法士、作業療法士、言語聴覚士などの高齢者支援のスペシャリストたちの実践知や日々のお仕事に役立つ情報をお届けします!

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