公開日:2019/08/26

更新日:2019/09/19

介護における記録でおさえるべきポイントと実例

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介護保険サービスは公的な制度の下で行われるサービスで、サービス記録も公的な記録になります。誰が見ても理解できる記録であることが大切です。 この記事では記録を書く際のポイントについて事例を交えてご紹介します。

介護における記録でおさえるべきポイントと実例

介護に関する記録のポイント

記録を書く際の4つのポイントは下記の通りです。

1.「5W1H」を明確にした分かりやすい文章を心がける

分かりやすい文章「5W1H」は、介護記録の書き方でも重要になってきます。

When(いつ)、Where(どこで)、Who(誰が)、What(何を)、Why(なぜ)、How(どうした)を文章の中に具体的に記載します。

2.自分の感情や憶測を入れずに、客観的事実を正確に書く

自分の感情や憶測を入れずに、客観的事実を正確に書きましょう。

こんな記録はNG!

  • NG「○○さんが不服そうな顔をしている」⇒OK「○○さんが顔をしかめている」
  • NG「○○さんが嬉しそうに笑顔を見せた」⇒OK「○○さんが笑顔を見せる」
  • NG「○○さんに暴力を振るわれた」⇒OK「○○さんが左手で介護職員の右手を3回平手でたたいた」
  • NG「暴言を吐かれた」⇒OK「○○さんが介護職員に向かって大声で『この馬鹿』と言った」

3.略語や専門用語はなるべく控える

記録を書く際は、誰が読んでも理解できる言葉・文章でなくてはなりません。ご利用者やご家族から記録の閲覧を希望される場合に備えて、略語・専門用語は必要最低限にとどめます

4.フォーカスチャーティングでの記録

4つの項目に整理して記録する

Focus(フォーカス)/焦点・・・発生したことの見出しを記載
  • ご利用者の気になる行動や様子
  • ご利用者が気がかりに思っていること
  • ご利用者の状態の変化、症状や兆候
  • ケアプランの実行した結果
  • ケア上の課題
Data(データ)/情報、状態・・・情報(見たままを記載)
  • 観察したこと(起きていること)、表情、行動
  • ご利用者やご家族の言葉をそのまま記載
Action(アクション)/行為、介入、ケア・・・スタッフが直接行ったこと
  • データで起きていることに対して、スタッフ(あなたが)行ったこと
Response(レスポンス)/結果、反応・・・Action に対する反応
  • スタッフが行った対応(アクション)に対して、ご利用者の心身の反応

サービス記録の実例

次に、記録の事例を参考にしながら、悪い記録の例、良い記録の例を見ていきましょう。ここでは加藤トキ様(仮名)という方の例をもとにご紹介します。

ご利用者様の普段のご様子

加藤トキ様は、お食事時間は同じテーブルのご利用者といろいろなお話をされるのが楽しいと言われます。

「今日はね、ブリの照り焼きどう作る?って、話したのよ。私の作るブリの照り焼き、主人は一番美味しいって食べてくれていたの。あなたにも食べさせてあげたいわ。」と笑顔でスタッフにお話した内容を教えてくださいます。

お食事は毎食「今日も美味しかったわ」とスタッフに声をかけてくださり、全量召し上がられる方です。

悪い介護記録の例

朝食の記録:NG例

  • Data主食1/2 副食1/2 召し上がられる。

この記録の足りない部分

この記録では、なぜ食事量が少なかったのか、加藤トキ様のご様子がわかりません。どんな情報があれば、加藤トキ様のご様子がわかるでしょうか?

いつも加藤様はお食事を残さず召し上がる方です。半分しか召し上がらないということは、何か理由があるかも知れないと思う視点が大切です。

良い介護記録の例

朝食の記録:OK例

  • Data主食1/2 副食1/2 召し上がられる。

  • Focus少し顔が赤らんでおり、ぼーっとしたご様子。

  • Actionバイタル測定、体温37.4度 。ご本人に自覚症状なし。ナースに報告、水分摂取の指示。

  • Dataお茶100CC摂取していただく。

  • Response「ありがとう。少しお部屋で休むわ」とおっしゃられる。

この記録では、食事を残されたDataデータに対して、Focus体調の変化にフォーカスし、Actionバイタル測定することで、体調の変化に気づくことが出来ました。

フォーカスチャーティングに沿い、整理して記録に残している良い例です。

その方らしさが見える記録がその方らしさを支えるケアに繋がる

記録をつける際は、実施したサービスだけでなく、その方らしさが見えるような記録を残しましょう。

こんな記録を目指してみましょう!

  • Data居室にてお茶を持っていくと「あら、ありがとう」と仰り、「ねぇ、私の旦那の写真があるのよ。見ない?」と黒いかばんから旦那様の写真を出してスタッフに見せてくださる。

  • Actionスタッフが「品の良い。かっこいい方ですね」と応えると

  • Response「そうでしょ?」と、とても嬉しそうに話され、旦那様のお話をしてくださる。

このような記録を残すことにより、この方は旦那様の写真を持っていて、スタッフに見てもらいたいと思っている。旦那様のお話をすることが嬉しいと感じている。ということが分かります。

まずは今までの記録を読むことから始めよう

いきなり良い記録を書くことは難しいので、まずは、これまでの記録を読むことから始めましょう。きっとご利用者の新たな一面を知るきっかけとなります。

また記録を読んで「知らない言葉・わからない言葉(専門用語)」などがあったら、必ず確認をしましょう。わからないままでいることは、ご利用者に関する正しい情報を共有することができず、重大な事故につながる可能性もあります。

記録は、ご利用者お一人おひとりの生きてこられた証と言えます。実施したサービスを書くだけでなく、ご利用者の表情、言動を大切に綴ってください。

この先、ご利用者が自分の意思を伝えることが難しくなった時でも、ご本人が望まれるその方らしい生活を考える大切な手がかりになります。

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