公開日:2022/02/21

更新日:2022/03/04

介護レク

高齢者のレクリエーションの目的や意義とは?分かりやすく解説!

施設レクとはどんなもので、誰のために行うものなのでしょうか。レクを盛り上げたい、あるいはレクに苦手意識のある方は、レクの目的や意義を理解すると取り組みやすくなります。こちらの記事では、人気のレクや盛り上げる方法、声掛けのポイントなどもご紹介します。

高齢者のレクリエーションの目的や意義とは?分かりやすく解説!

この記事の執筆者

執筆者プロフィール

川﨑 陽一

プロフィール

株式会社プレイケア代表取締役社長 兼日本アクティビティ協会理事長 兼日本音楽健康協会顧問

介護施設でのレクリエーションに脳トレボッチャなどを行う機会もあると思いますが、そもそもレクリエーションは、何のために・誰に向けて行うものなのでしょうか。介護施設でのレクリエーションをより充実したものにするためには、施設レクの目的や意義、対象者について、今一度理解を深めることが大切です。それを踏まえ、レクを盛り上げる方法や誘導時のポイントなどを知ると、実践しやすくなり、質も高まってくるはずです。

こちらの記事では、盛り上がる人気のレクリエーションもご紹介しますので、ぜひ参考にしてみてください。

介護施設でのレクリエーションの目的や意義

まずは、レクリエーションの目的や意義、対象者について解説します。

レクリエーションは「自己実現のお手伝い」

施設レクリエーションの目的・意義を簡潔に言うと「自己実現のお手伝い」です。

これまでレクリエーションは、「笑顔を引き出す」ことをゴールとする傾向がありましたが、近年では、食事や入浴などと同様に、日常生活に不可欠なものとして位置付けられるようになってきました。自己実現のお手伝いでは、何をしたらどんな変化が起きたという「原因と結果」を求められます。

レクリエーションはアクティビティのひとつ

また、対象は最終的に「個人」に行きつくところもポイントです。これらを理解すると、どんなレクをどんな方法で行うべきか判断しやすくなってきます。

レクリエーションは誰のためのものか

施設でのレクリエーション(以下施設レク)を通じて自己実現を図るのは、ご利用者だけではありません。ご利用者を中心として、以下の5つのステークホルダーが存在しています。

レクは誰のために行うもの?

施設でのレクリエーションにおける5つのステークホルダー(利害関係者)

  • ご利用者
  • ご家族
  • 介護職員
  • 知人
  • 地域

これらは相互に関わり合い、高め合っていく関係です。つまり、「介護職員の皆さんの自己実現」も大切だということです。ご自身の趣味や特技、やってみたいことをどんどん具現化していきましょう。それが、結果としてご利用者の満足につながります。

レクリエーションの4つの資源

介護の現場には、レクリエーションの資源となるものが4つあります。

  • 人的資源
  • 物理的資源
  • 空間的資源
  • 情報的資源

内部・外部の人、施設にある道具や設備、普段レクでは使わない空間、現状をリサーチした情報など、あらゆるものがレクで活かせます。レクがマンネリ化したり、場が盛り上がらなかったりしたときは、4つの資源をどう活かすかを考えると、解決の糸口が見つかるはずです。

盛り上がる人気の施設レクリエーションとは

盛り上がる人気の施設レクリエーションとは

施設レクを盛り上げたいときは、「ご利用者がしたいこと」を取り入れるのがポイントです。ここでは、ご利用者に「外出したい」「身体を動かしたい」というニーズがあったときにおすすめのレクリエーションをご紹介します。

外出気分を味わえるレク

外出は難しくても、外出気分を味わえるレクは気軽に行えます。おすすめは「外気浴」と「オンライン散歩」です。外気浴はエントランスなど、風や光が入る場所で行います。エントランスの扉を開放し、外の空気や光を感じてもらいましょう。

シンプルですが、外出と似た体験を提供できます。オンライン散歩は、身近な景色を動画に収め、施設で再生して楽しむレクです。ご利用者も知っている身近な景色で、散歩に出たような気分を味わってもらうことができます。

思わず足が動いてしまうゲーム

体操など、身体を動かすレクリエーションはいろいろありますが、盛り上げたいときはゲームと連動させると効果的です。普段動かすことの少ない下肢に注目し、思わず動いてしまうような要素を取り入れると、楽しく運動量を増やすことができます。

たとえば、すごろくゲームであれば「サイコロをふるときに足を3回バタバタさせる」などのルールを設けてみましょう。運動していると意識することなく、遊びの延長で身体を動かせます。ゲームや運動の内容は何でもOKです。施設ごとに工夫してみましょう。盛り上がる施設レクについてもっと詳しく知りたい方は、以下のページをご覧ください。

関連記事介護施設で盛り上がる!人気・トレンドの高齢者向けレクリエーション

レクリエーションを盛り上げる方法(ポイント・手順)

レクリエーションを盛り上げる方法(ポイント・手順)

レクを盛り上げるときに押さえておきたいポイントを、企画時、導入時、進行時に分けて解説します。ご紹介する内容を少し意識するだけでも、レクの雰囲気が変わるはずです。得意な職員ばかりが行うのではなく、施設として標準化して誰もが出来るようにしておくことが大切です。

企画時のポイント

  • 介護職員の趣味や特技、やってみたいことを取り入れる
  • ご利用者に向けてカスタムするときは、中間層に標準を置く

前述したように、施設レクでは介護職員の自己実現も大切です。企画する際は「介護職員の趣味や特技、やってみたいこと」をどんどん取り入れましょう。

それをご利用者に向けてカスタムするときは、集団分母が一番大きい「中間層」の自立度に合わせてメニューを調整すると、全体を一定の水準で盛り上げることができます。カバーできない部分は、進行時に個別対応していきます。

導入時のポイント

  • 冒頭のあいさつでは、ご利用者の発語を促すことを重視する
  • レク担当者の名前、レクの内容、レクの開催時間をきちんと毎回伝える

導入時のあいさつでは、ご利用者の発語を促すことを意識してください。発語することで参加への意識が高まり、レクのウォーミングアップにもつながります。

また、ご利用者に安心感を与えることも大切です。基本的なことですが、導入時には必ず名前・内容・時間を伝えましょう。このあたりが曖昧だと、特に自立度の高いご利用者は不安を感じることがあります。

進行時のポイント

  • 盛り上がっている様子を周囲にアナウンスする
  • 自立度の高いご利用者にサポートをお願いする

進行時は、全体がバランスよく盛り上がるように配慮することが大事です。グループによって盛り上がりにバラつきがある場合は、盛り上がっているグループの様子を、盛り上がりに欠けるグループに向けてアナウンスしてみてください。刺激を与えられ、場の一体感も生まれます。

またときには、自立度が高くコミュニケーション能力に長けたご利用者の力を借りてみるのもいいでしょう。たいがい共有部でも同じ席に座ることが多いので、たまにレクの時間だけ違う席に座っていただくことで雰囲気を変えることもできます。レクを盛り上げる方法は、以下のページで詳しく紹介しています。こちらも参考にしてみてください。

関連記事【介護レクが苦手な方必見】レクを盛り上げる方法とは?

レクリエーション誘導のアナウンスと声掛けのポイント

レクリエーション誘導のアナウンスと声掛けのポイント

レクへの参加を促したいときは、アナウンスと声掛けを工夫すると、ご利用者の参加意欲を高めることができます。今日や明日からでも取り入れられることばかりなので、ぜひ試してみてください。

月間予定表を工夫し、合図になる音楽を流す

レクのアナウンスでは、「どんなレクがいつ始まるのか」をより明確に・印象的に伝えることがポイントです。まずは、レクの月間予定表を貼る場所や、発信の回数を増やしてみましょう。

フロアだけでなく、ご利用者の許可を得て居室にも貼らせてもらったり、月間を週間にしてみたりといった方法があります。また、レクを担当する介護職員の名前やイラストを添えると、より目に留まりやすくなります。

レクの始まりをお知らせするときは、合図になる音楽を用いると効果的です。電車の到着音のように毎回同じ音楽を流し、ご利用者に「この音楽が流れると楽しいことが始まる」と認識してもらいましょう。

フルネームでお呼びし、立ち止まって声掛けをする

積極的に声掛けをしている介護職員の方は多いでしょう。しかし、せっかくの声掛けも、ご利用者の心に届いていなければ意味がありません。声掛けの質を上げたいときは、ご利用者のお名前を「フルネーム」でお呼びしましょう。

誰しもがそうですが、フルネームで名前を呼ばれると関心が高まります。また、歩きながらではなく、必ず立ち止まって声掛けするようにしてください。ご利用者に「自分に向かって、自分のために話してくれている」としっかり認識してもらうことが大事です。

より詳しい内容は、以下のページでご紹介しています。こちらもチェックしてみてください。

関連記事介護レクリエーションの誘導のポイントは?やる気・参加意欲の高め方

実践の中で身につけ育んでいきましょう

施設レクリエーションの意義や目的、盛り上げる方法などをご紹介しました。レクの本質がわかると、どんなレクをどのような手段で行えばいいのかが自ずとわかってくるでしょう。

また、ご紹介した方法はあくまで一例です。ご自身がやりやすいようにアレンジし、ぜひ自分のものにしていってください。実践の中で身につけたものは、何ものにも代え難い財産となり、ご自身やまわりを成長させてくれます。

執筆者プロフィール

執筆者プロフィール

川﨑 陽一

プロフィール

株式会社プレイケア代表取締役社長 兼日本アクティビティ協会理事長 兼日本音楽健康協会顧問

1994年中央大学卒業後、株式会社バンダイに入社。マーケティングに従事する傍ら高齢者施設でレクリエーションを行うボランティア組織を玩具・ゲーム・ホビー業界を中心に設立し活動。(現日本アクティビティ協会)2003年社内ベンチャー大会に入賞しプレイケア社を設立。現在は日本アクティビティ協会理事長等を兼任。高齢者施設のアクテビティ・レクの教育を体系化し毎年全国で講習会の開催や法人研修などを実施。20年間で1万施設以上が参加。ヘルスケアコンテンツ開発を行い自治体・企業・医療/介護の3者を繋ぐ官民交流コーディネーターや高齢者の社会参加寿命の延伸を支援する様々な活動を行っている。その他、雑誌等で連載を持つなどの執筆活動にも従事している。

著者プロフィール

介護アンテナ編集部Kaigo Antenna Editorial Department

プロフィール
株式会社ベネッセスタイルケア運営の介護アンテナ。編集部では、ベネッセの25年以上にわたる介護のノウハウをはじめ、日々介護の現場で活躍している介護福祉士や介護支援専門員(ケアマネジャー)、看護師、理学療法士、作業療法士、言語聴覚士などの高齢者支援のスペシャリストたちの実践知や日々のお仕事に役立つ情報をお届けします!


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