箱根関所のスポット施設詳細

江戸時代交通史の要所「箱根関所」

1619年に江戸と京を結ぶ街道の重要な交通拠点として開かれた「箱根関所」は、江戸時代末期に解体修理の詳細報告が記された『相州箱根御関所御修復出来形帳』を元に復元された。江戸時代に幕府直轄の関所は全国で53ヶ所余りあったが、当時の関所を完全復元しているのは全国でも大変珍しく、当時の貴重な資料と共に観覧することができる。

関所内には、関所で働く役人たちの様子や「出女」を調べる様子などが立体展示にてリアルに再現されており、まるで自分自身が取り締りを受けているような感覚に陥る。他にも、「足軽番所」の様子が見られる展示があり、芦ノ湖や街道沿いを監視していた「遠見番所」からは芦ノ湖や箱根の山々を一望することができる。

両門の間となる関所自体の長さは40m程となっており、どなたでも疲れることなく見て回ることはできる。また、関所から徒歩2分程度のところにある資料館では、関所の歴史や当時の貴重な資料なども展示されており、幕府の圧倒的権力を物語る江戸時代の関所の重要性をうかがい知ることができる。

優先駐車場から「関所通り」までにはスロープもあり、舗装路であるため車椅子の方でも通りやすいようになっている。関所内の「番所」前には溝があるため、車椅子の方は少し離れたところから見るかたちになる。また、「遠見番所」は当時の石段をそのまま利用しているところもあり、車椅子で行くことはできない。

1869年（明治2年）に廃止されるまでの約250年の長い役目の中、公式記録として残る関所破りが僅か5件、未遂や藪入りが20件程という堅牢な「箱根関所」の歴史を、ぜひ直接見ていただきたい。