公開日:2021/03/09

更新日:2021/03/10

介護施設運営

介護業界の人手不足を解決する!企業における「外国人採用」

深刻な人手不足が嘆かれる介護業界。今後さらなる人手不足が予想されます。そこで必要不可欠になるのが「外国人材」です。
明暗を分けるであろう外国人材の採用の必要性について、人材サービスのパーソルグループで外国人材の受入れや定着の事業に携わっている多田 盛弘さんに解説していただきました。

介護業界の人手不足を解決する!企業における「外国人採用」

外国人材活用は必然な流れ

2019年の日本の年間の人口の自然減(出生数-死亡数)が初めて50万人を超えました。これは鳥取県の人口に迫る数です。

現在、新型コロナウイルスの影響で多少緩和していますが、次の10年では約700万人の人口減少が予測されており、日本全体の労働力の需給ギャップは拡大し、現在よりもさらに激しい採用競争に企業はさらされることになります。

また、介護産業は国内の高齢化により、需要は拡大するため、他産業に比べて大きく人材の需給ギャップが拡大します。

厚生労働省の「平成30年人材不足の現状把握について」によると、介護人材の需要を満たすためには、2016年の190万人であった介護人材を2025年までに245万人まで増やす必要があるとの予測がされています。

介護人材の世界的な獲得競争は始まっている

介護業界の人手不足を解決する企業における「外国人採用」

このような背景のなか、介護産業でもこれまでのEPAや在留介護などの既存の在留資格に加え技能実習、特定技能が追加され、外国人材がこのギャップを埋めることが期待されています。

この不可逆に進む人口減少社会では「外国人材を採用する・しない」という選択肢ではなく、「いつ外国人材を採用するか」という前提で将来の戦略を進める必要があります。

高齢化は先進国だけでなく、アジアを含む新興国でも進んでいます。日本に過去もっとも労働力を供給していた中国では高齢化率(65歳以上)が10%を上回り、日本の人口以上の高齢者がいることになります。

他にもベトナム、タイ、マレーシアなどでも高齢化が進んでおり、アジアの近隣諸国で若年労働者が余っているという認識は時代遅れになっています。

人材獲得の競争相手は国内企業ではなく海外企業

新興国の若年層の労働力は、日本のみならず世界中でニーズが高まっています。日本では未だに外国人材=低賃金というイメージがあり、「新興国の給与より高いはずだから最低賃金でも日本に来たいはずだ」と考えている経営者もいます。

しかしグローバルの人材獲得競争が激化する現在、日本企業の人材獲得競争相手は、新興国内の企業ではなく、日本と同様に海外からの労働力を求めているアジア(韓国や台湾など)、さらに欧米などの先進国の企業です。

日本が過去25年でGDP(名目)がほとんど変わっていないなかで、日本に人材を最も送り出していた中国の経済規模は約30倍になり、すでに日本の3倍近い経済規模になっています。

来日人材が急増しているベトナムも経済規模は同期間に18倍と急成長しており、日本とアジア諸国の経済格差は大きく変化していることを私たちは認識しないと、グローバルな人材獲得競争に負け、日本国内のみならず海外からの採用も困難に直面する可能性が高いでしょう。

外国人材の採用を考えるなら「むしろ、いま」がチャンス

介護業界の人手不足を解決する企業における「外国人採用」

これまで、日本の人口問題や世界での経済地位の低下など、ネガティブな情報を多く言及しました。このようななかで、優秀な外国人材が本当に日本に来るのでしょうか。答えはイエスです。さまざまな課題をもつ日本ではありますが、海外、特に東南アジアから見た時に日本は、日本人が持つ以上にブランド力をまだ持っているのです。

多少厳しい言い方をすれば、実態以上に日本はよく見られています。これまで日本が培ってきた技術力、経済力、安全性などの暮らしやすさ、これら条件が相まって日本で働きたいという人材を掘り起こすことができているというのが、海外の現場で人材を募集しているなかでの実感です。

また、新型コロナウイルスによって欧米での職を失ったり、アジア人への偏見が増えていくなかで、同じアジアのなかでの就業を求める人材も増えています。

成長か、消滅か、明暗を分けるのはグローバル人材の獲得競争

新型コロナウイルスで短期的には日本国内の人材流動性が高まったとしても、長期的には介護業界に関わらず、日本の法人は国内の高齢化とともに採用難に陥り縮小から消滅に向かうか、グローバルな人材獲得能力をもち、新たな成長に向かうか二極化するでしょう。

この人口減少時代を生き抜くためには、外国人材の採用を「する・しない」ではなく「いつ」するかという視点で、採用戦略を見直し、日本が培ったブランド力が残っている間にグローバル人材の採用や活用のノウハウを溜め、来るべき国内人材の枯渇とグローバルの人材獲得競争に備える必要があります。

10年後には、日本人の採用が今以上に厳しくなることが明白ななか、この新しい視点での人材採用戦略を今から考えることができるかが重要になってきます。

執筆者プロフィール

執筆者プロフィール

多田 盛弘

プロフィール

PERSOL Global Workforce 代表取締役社長 兼パーソルキャリア 地域外国人材定着事業部 事業部長(厚生労働省地域外国人材受入れ・定着モデル事業 統括責任者)

大学卒業後、国内・海外におけるさまざまな業務経験を経て、JICA(国際協力機構)などが実施する政府開発援助プロジェクトに参加。コンサルタントとして過去20年間・30カ国以上において、産業開発、人材育成、保健医療、教育など多様な分野での事業実施経験をもつ。2018年には外務省の政府開発援助に関する有識者懇談会の委員を務めた。これら事業現場での文化、言語、宗教など異なる背景をもつ多様な人材の活用経験から外国人材と共にはたらくことに対する多くの知見を有している。また、国内では経済産業省の日本企業の新興国市場開拓補助事業や農林水産省の地方創生事業の実施責任者を担い、日本企業の支援経験も多数有している。

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