公開日:2024/03/21
更新日:2024/03/28
登録者:介護アンテナ編集部
この記事は、訪問介護記録をICT化(電子化)し、アプリを使うことで業務効率改善に繋がったベネッセスタイルケアの事例をご紹介します。おすすめの訪問介護記録アプリ「Care-wing」の機能や導入の効果についても詳しく解説していますので、ぜひアプリ導入に迷っている方はご参考ください。【PR】
介護業界における大きな悩みのひとつとして慢性的な人材不足が挙げられます。介護の仕事はハードだというイメージがあるため多くの事業所で人手不足となっており、その結果スタッフの負担が増える状況が続いています。
そんな状況を打破するべく介護職の賃上げや働き方改革など施策が進められていますが、そのひとつが訪問介護のICT化(電子化)です。言葉では聞いたことがあるかもしれませんが、具体的に何ができてどう改善できるかとしっかりとご存じない方もいらっしゃるかもしれません。
そんな方々のために訪問介護のICT化によるメリットなどを紹介していきます。
介護の現場において介護記録を残すことは法律で義務付けられていますが、主に5つの目的や役割を果たしています。それぞれどんな目的や役割があるのかをご紹介します。
サービス提供の記録を残すことが、より良いケアのための手がかりになったり、その方を知るためのヒントになることも多く、介護職は誰が見ても理解できる記録を残すことが求められます。
厚生労働省から発信されている【介護ソフトを選定・導入する際のポイント集】では介護ソフト(アプリ)の主な機能として下記が挙げられています。
上記からもわかるとおり、介護ソフトで実施可能な業務というのは多岐にわたります。
多くの介護施設ではまだ紙の介護記録を使用し、ICTが進んでおらず、事務作業に負担がかかる状況があります。紙の業務を電子化することでスタッフの負担軽減、効率化による人手不足の解消、ペーパーレスなどさまざまなメリットがあります。もちろんその反面デメリットもあり、それぞれ正しく理解し、導入を検討しましょう。
ICTというと業務効率の側面が注目されがちですが、記録を電子化することで記録にいつでもアクセスできる・読み返せるため、情報共有を容易になり、より良いケアに繋がることも多いです。
職員の中には、ICT化に抵抗感を感じる方もいらっしゃるかもしれません。特にスマートフォンやタブレットの利用になれていない比較的高齢の職員の中には介護アプリの使い方を覚えられるか不安を抱くケースもあり、理解いただけるまで意義や使い方を説明する必要があります。
訪問介護サービスでの導入実績が多く、ベネッセスタイルケアでも導入した「Care-wing」。ここでは「Care-wing」で可能な業務や導入した際のメリットについてご紹介します。
ご利用者宅に設置したICタグにスマートフォンを”ピッ”とかざすだけで、入退出管理ができます。ID入力やパスワード入力が不要で、その日行うケアの内容が表示され、ワンタッチ入力で記録が取れるため、忘れる心配がありません。
また、わかりやすい画面デザインと併せてワンタッチ入力で記録が取れる仕様で、感覚的に操作可能です。さらに音声入力にも対応しているため、スマートフォンの操作に慣れていない方でも「私にもできる!」と思える使いやすさを実現しています。
ヘルパーのスマートフォンをご利用者宅のICタグにかざすことがサービス開始・終了の記録となるため、職員の不正防止に繋がります。
また、ICカードがなければログインできず、管理者がアカウント自体を停止することも容易にできるため、万が一スマートフォンを紛失した場合でも個人情報流出のリスクを最小限にすることが可能です。
記録は全て5年間以上自動保存されるので、保存や管理にかかる工数が一切かかりません。紙の記録書の場合、実地指導などで確認の際に大量の記録書のなかから探すという手間が発生したり、保管するにも場所が必要なため、Care-wingの導入でペーパーレスをしつつ管理や保存にかかっている手間暇を大幅に削減することができます。
サポート体制が充実しているのが「Care-wing」の特徴のひとつ。電話で画面を見ながら操作するリモート(遠隔)サポートやインストラクターによる操作研修(有償)も対応しています。
電話での問い合わせ即時回答率(転送やコールバックせずに一度の通話で解決した割合)は90%と困ったことがあったときにすぐに解決できるのもうれしいポイント。
報告書のコメントを音声入力で行うことができるので、文字入力などスマートフォンの操作が苦手な方でも簡単に報告書の作成をすることができます。
1サービスごとに複数枚の写真を記録することができます。文字だけの報告書に加え、怪我の具合や経過、献立などの写真があることでスタッフ間の認識が深まるだけでなく、ご家族の安心にも繋がります。
介護記録アプリ「Care-wing」シフト管理画面(デモ)
自費サービスや障がいサービス、社内の会議や有休などさまざま予定をひとつのシフトで管理することができます。さらにスケジュールの変更はドラッグ&ドロップでできるので簡単に行うことができ、紙やエクセルでの作成と比べると大幅にシフト作成・管理が手軽になります。
2023年9月にCare-wingをテスト導入、10月より本格導入し、現在では全事業所で「Care-wing」を利用しているベネッセスタイルケアの訪問介護事業所。今回はベネッセ介護センター蒲田で「Care-wing」について詳しくお聞きしました。
今回お話をうかがったベネッセスタイルケアのみなさん
介護記録アプリ「Care-wing」の導入を推進した澤井さん
ベネッセスタイルケアでは、「Care-wing」を導入する前は特定事業所加算のために別の業務報告アプリを使っていましたが、訪問介護の記録は紙の運用でした。どのような課題があり「Care-wing」に切り替えたのでしょうか。
ベネッセスタイルケアでは「Care-wing」導入前、特定事業所加算のためにヘルパーにガラホを携帯してもらい、そこで別のアプリで業務報告をしてもらっていました。しかし請求ソフトと業務報告アプリが連動しておらず、サービスの記録自体も紙だったため、さまざまな二度手間が発生していました。
さらに申し送りも別途メールや電話で行っていたため、後から見返すのに手間だったり、見返すこと自体ができないなど業務効率が悪い状態。
また、紙の記録用紙は月末や締め日にヘルパーから提出されるので、サービス提供責任者の月末や月初の業務負担がとても大きいことも課題でした。
ベネッセスタイルケアでは、登録ヘルパーはご利用者のお宅に直行直帰で勤務しており、紙の記録は月末や締め日前にまとめて事業所に届けていただく運用になっていました。
記入済みの記録用紙は個人情報に該当し、ヘルパーが紛失した場合は個人情報漏洩になってしまうため記録用紙を失くさないよう管理するのが、ヘルパーにとってプレッシャーになっていました。
またサービス提供責任者にとっても、サービス提供の証左になる記録用紙の管理や保管の業務負担は大きい状況でした。
ベネッセスタイルケアでは、導入に際して「Care-wing」のほかにもさまざまなアプリを比較しましたが、下記の理由で「Care-wing」の導入が決まりました。
上記だけでなく、「Care-wing」は訪問介護記録アプリとしてはシェアNo.1で、訪問介護サービスを理解している会社という信頼感も大きかった、と澤井さんにお話いただきました。
いつでも最新のスケジュールが確認できるようになった
ベネッセスタイルケアの場合はヘルパー個人のスマートフォンから記録を記入する運用で(個人のスマートフォンを使用することに対し手当支給)、普段使い慣れているデバイスからの記入なので、感覚値だが、紙のときと比べて記録にかかる時間は約半分程度になっている。
また紙の記録のときは氏名や時間など予め決まっていることも記入しなければならなかったし、書き間違えなどもあったが、それもなくなったため時間短縮になってる。あとから修正や加筆が可能という点も良いと感じる。(ヘルパー:片平さん)
前述したとおり、記入済の記録用紙は個人情報に該当するため、紛失しないよう管理に細心の注意を払う必要があったが、「Care-wing」の場合はICカードがなければログインできない(ベネッセスタイルケアの運用方針)し、万が一スマートフォンを紛失した場合でもアカウントを停止すればご利用者の個人情報漏洩に繋がることはなくなるため、リスクがかなり軽減されたと考えている。
ログイン後も画面のスクリーンショットがとれないようになっているのも良い点だと思う。(Care-wing導入推進担当:澤井さん)
「いつでもご利用者の情報が見れるのが便利」と話すお二人(大野さん・片平さん)
今まではご利用者宅に保管してある紙の記録をサービス開始直後に見てからサービス提供をしていたが、今では空き時間などにあらかじめ前回までの記録をしっかり見てからご利用者のお宅にお伺いできるようになった。
直近どのようなご様子だったか理解した上でケアできるし、記録の時間も短くなったので実質的なご利用者と接する時間も増え、良いサービスに繋がっていると感じている。(ヘルパー:片平さん)
介護業界では慢性的に人材不足といわれていますが、進む高齢化で要介護者は増えるも、日本の人口減少により人手不足はさらに深刻化すると予想されます。すでにそのような状況から働いているスタッフには多くの負担がかかり、結果的に人材が定着しないという負のスパイラルに陥っている介護事業所も少なくないでしょう。
それを解決するための手段のひとつが介護記録の電子化です。介護記録など紙で運用しているものを電子化することで大幅な業務の効率化を図ることができ、それがスタッフの負担軽減やサービスの向上につながります。
今後要介護者が増え、人口が減少している現在の日本においての介護記録の電子化は必要不可欠といっても過言ではありません。
介護アンテナ編集部Kaigo Antenna Editorial Department
プロフィール
株式会社ベネッセスタイルケア運営の介護アンテナ。編集部では、ベネッセの25年以上にわたる介護のノウハウをはじめ、日々介護の現場で活躍している介護福祉士や介護支援専門員(ケアマネジャー)、看護師、理学療法士、作業療法士、言語聴覚士などの高齢者支援のスペシャリストたちの実践知や日々のお仕事に役立つ情報をお届けします!
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