公開日:2022/12/20

更新日:2022/12/22

登録者:介護アンテナ編集部

デパケン錠100mg

しる100症状に注意

このページではデパケン錠100mg(協和キリン株式会社|抗てんかん薬)について、効能・効果や用法・用量、副作用などの基本情報と併せて、服薬介助のときに介護する方が理解しておきたい高齢者が気を付けるべき点などについても記載しています。

薬の使用に際してはご自身で判断することなく、必ず医師や薬剤師に相談してください。

デパケン錠100mgの概要

主成分

バルプロ酸ナトリウム

分類

内服薬│抗てんかん薬

効能・効果

各種てんかん(小発作・焦点発作・精神運動発作ならびに混合発作)及びてんかんに伴う性格行動障害(不機嫌・易怒性等)の治療や躁病および躁うつ病の躁状態、片頭痛発作の発症抑制に使用します。

高齢者に多い
病気・病態

用法・用量

各種てんかんおよびてんかんに伴う性格行動障害の治療、躁病および躁うつ病の躁状態の治療
通常、1日400~1,200mgを2~3回に分けて服用する。
片頭痛発作の発症抑制
通常、1日400~800mgを1日2~3回に分けて服用する。なお、最大服用量は1日1,000mgとする。

副作用

以下の副作用が現れることがあるので、異常が認められた場合は速やかに医師に報告または診断をうける事を推奨します。

重大な副作用

  • 劇症肝炎等の重篤な肝障害、黄疸、脂肪肝等(いずれも頻度不明):肝障害とともに急激な意識障害があらわれることがある。
  • 高アンモニア血症を伴う意識障害(頻度不明)
  • 溶血性貧血、赤芽球癆、汎血球減少、重篤な血小板減少、顆粒球減少(いずれも頻度不明)
  • 急性膵炎(頻度不明):激しい腹痛、発熱、嘔気、嘔吐等の症状があらわれたり、膵酵素値の上昇が認められた場合には、投与を中止し、適切な処置を行うこと。
  • 間質性腎炎、ファンコニー症候群(いずれも頻度不明)
  • 中毒性表皮壊死融解症、皮膚粘膜眼症候群(いずれも頻度不明)
  • 過敏症症候群(頻度不明):初期症状として発疹、発熱がみられ、さらにリンパ節腫脹、肝機能障害、白血球増加、好酸球増多、異型リンパ球出現等の症状があらわれた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。なお、発疹、発熱、肝機能障害等の症状が再燃あるいは遷延化することがあるので注意すること。
  • 脳の萎縮、認知症様症状、パーキンソン様症状(いずれも頻度不明):認知症様症状として健忘、見当識障害、言語障害、寡動、知能低下、感情鈍麻等があらわれることがある。パーキンソン様症状として静止時振戦、硬直、姿勢・歩行異常等があらわれることがある。なお、これらの症状が発現した例では中止により、ほとんどが1~2ヵ月で回復している 。
  • 横紋筋融解症(頻度不明):筋肉痛、脱力感、CK上昇、血中及び尿中ミオグロビンの上昇等が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。
  • 抗利尿ホルモン不適合分泌症候群(頻度不明):低ナトリウム血症、低浸透圧血症、尿中ナトリウム量の増加、高張尿等があらわれた場合には、水分摂取の制限等の適切な処置を行うこと。
  • 間質性肺炎、好酸球性肺炎(いずれも頻度不明):咳嗽、呼吸困難、発熱等が認められた場合には、速やかに胸部X線、胸部CT等の検査を実施すること。間質性肺炎、好酸球性肺炎が疑われた場合には投与を中止し、副腎皮質ホルモン剤の投与等の適切な処置を行うこと。

その他副作用

傾眠

形状・色

?

薬の飲みにくさの改善に向けて、医師や薬剤師、言語聴覚士などの専門職との連携にお役立てください。

黄色のフィルムコーティング錠、直径8.2mm、厚さ4.2mm

粉砕の可否

不可(粉砕が出来ない)

保管方法

室温保存

医薬品コード(YJコード)

1139004F1096

その他の剤形

  • デパケン錠200mg
  • デパケンR錠100mg
  • デパケンR錠200mg
  • デパケンシロップ5%
  • デパケン細粒20%
  • デパケン細粒40%

情報に誤りがあった場合、お問い合わせフォームよりご連絡をお願いいたします。

デパケン錠100mgを服用する際の注意点

禁忌

病名禁忌

  • 重篤な肝障害のある方
  • 尿素サイクル異常症の方:重篤な高アンモニア血症があらわれることがある。

併用禁忌

パニペネム・ベタミプロン、メロペネム水和物、イミペネム水和物・シラスタチン、レレバクタム水和物・イミペネム水和物・シラスタチン、ビアペネム、ドリペネム水和物、テビペネムピボキシル
てんかんの発作が再発することがある。

併用注意

ペントバルビタール、フェノバルビタール等
本剤の作用が減弱する。また、これらの薬剤の作用が増強することがある。
フェニトイン、カルバマゼピン
本剤の作用が減弱する。また、これらの薬剤の作用が増強または減弱することがある。
エトスクシミド、アミトリプチリン、ノルトリプチリン
これらの薬剤の作用が増強することがある。
クロバザム
本剤の作用が増強されることがある。
ラモトリギン
ラモトリギンの血中濃度が上昇することがある。
ロラゼパム(注射剤)
ロラゼパム(注射剤)の血中濃度が上昇することがある。
ジアゼパム、ワルファリン等
これらの薬剤の作用が増強することがある。
アスピリン等、エリスロマイシン、シメチジン
本剤の作用が増強されることがある。
クロナゼパム
欠神発作を起こすことがある。

高齢者が特に注意すること(一般的な注意点も含む)

用量に留意して慎重に投与すること。本剤は、血漿アルブミンとの結合性が強いが、高齢者では血漿アルブミンが減少していることが多いため、遊離の薬物の血中濃度が高くなる恐れがある。

薬の併用に際しては専門家(医師、薬剤師)による判断が必要です。決して自己判断で薬の併用や併用中止を行わず、必ず掛かりつけの医師や薬剤にご相談ください。

症状に注意当てはまる症状はありませんか?

  • ふらつき・転倒

    ふらつき・転倒
  • 記憶障害

    記憶障害

高齢者は多くの薬を使うと副作用が起こりやすいだけでなく、重症化しやすくなります。高齢者に起こりやすい注意すべき症状として、ふらつき・転倒、記憶障害、せん妄、抑うつ、食欲低下、便秘、排尿障害・尿失禁などが現れる場合があります。そのような症状を起こしやすいため、75歳以上の方を対象に、できれば使用を控えたい薬が「高齢者の安全な薬物療法ガイドライン2015」(日本老年医学会)でリストアップされており、それをもとに掲載しています。75歳未満でも介護を受けている方や要介護になる少し手前の状態の方も対象にしています。服薬中の薬であった場合は、決して自己判断で中止にせず、医師にご相談ください。

参考リンク高齢者の医薬品適正使用の指針 (総論編) (厚生労働省)

参考リンク高齢者の安全な薬物療法ガイドライン2015 (一般社団法人 日本老年医学会)

ご利用に際しての注意点

このページでは、医療用医薬品添付文書をもとに高齢者とその介護者向けに編纂した内容を掲載しています(小幼児・妊婦向けの内容を除く)。正確な情報に努めておりますが、常に最新であるとは限らず、また内容を完全に保証するものではありません。薬の使用に際しては、ご自身で判断せず、医師や薬剤師などの専門家にご相談ください。当サイトによって生じた損害について、その賠償の責任を一切負わないものとします。

監修

秋下 雅弘
佐々木 淳

情報提供

クオール株式会社

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