公開日:2022/12/20

更新日:2022/12/22

登録者:介護アンテナ編集部

セロクエル25mg錠

しる100症状に注意

このページではセロクエル25mg錠(アステラス製薬株式会社|抗精神病薬)について、効能・効果や用法・用量、副作用などの基本情報と併せて、服薬介助のときに介護する方が理解しておきたい高齢者が気を付けるべき点などについても記載しています。

薬の使用に際してはご自身で判断することなく、必ず医師や薬剤師に相談してください。

セロクエル25mg錠の概要

主成分

クエチアピンフマル酸塩

分類

内服薬│抗精神病薬

効能・効果

統合失調症に使用します。

高齢者に多い
病気・病態

用法・用量

通常、成人は1回25mg、1日2回または3回より服用を開始し、状態に応じて徐々に増量する。通常、1日服用量は150~600mgとし、2回または3回に分けて服用する。ただし、最大服用量は1日750mgとする。                             肝機能障害の方には、少量(例えば1回25mg1日1回)から服用を開始し、1日増量幅を25~50mgにするなど状態を観察しながら慎重に服用すること。

副作用

以下の副作用が現れることがあるので、異常が認められた場合は速やかに医師に報告または診断をうける事を推奨します。

重大な副作用

  • 高血糖、糖尿病性ケトアシドーシス、糖尿病性昏睡(いずれも頻度不明):死亡に至るなどの致命的な経過をたどることがあるので、血糖値の測定や、口渇、多飲、多尿、頻尿等の観察を十分に行い、異常が認められた場合には、投与を中止し、インスリン製剤の投与を行うなど、適切な処置を行うこと。
  • 低血糖(頻度不明):脱力感、倦怠感、冷汗、振戦、傾眠、意識障害等の低血糖症状が認められた場合には、投与を中止し適切な処置を行うこと。
  • 悪性症候群(0.2%):無動緘黙、強度の筋強剛、嚥下困難、頻脈、血圧の変動、発汗等が発現し、それにひきつづき発熱がみられる場合は、投与を中止し、体冷却、水分補給等の全身管理とともに適切な処置を行うこと。本症発症時には、白血球の増加やCKの上昇がみられることが多く、また、ミオグロビン尿を伴う腎機能低下がみられることがある。なお、高熱が持続し、意識障害、呼吸困難、循環虚脱、脱水症状、急性腎障害へと移行し、死亡した例が報告されている。
  • 横紋筋融解症(頻度不明):筋肉痛、脱力感、CK上昇、血中及び尿中ミオグロビン上昇等が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。横紋筋融解症による急性腎障害の発症に注意すること。
  • 痙攣(頻度不明)
  • 無顆粒球症、白血球減少(いずれも頻度不明)
  • 肝機能障害、黄疸(いずれも頻度不明):AST、ALT、γ-GTP、Al-Pの上昇等を伴う肝機能障害、黄疸があらわれることがある。
  • 麻痺性イレウス(頻度不明):腸管麻痺(食欲不振、悪心・嘔吐、著しい便秘、腹部の膨満あるいは弛緩及び腸内容物のうっ滞等の症状)を来し、麻痺性イレウスに移行することがあるので、腸管麻痺があらわれた場合には、投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
  • 遅発性ジスキネジア(0.9%):口周部等の不随意運動があらわれ、投与中止後も持続することがある。
  • 肺塞栓症、深部静脈血栓症(いずれも頻度不明):肺塞栓症、静脈血栓症等の血栓塞栓症が報告されているので、息切れ、胸痛、四肢の疼痛、浮腫等が認められた場合には、投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
  • 中毒性表皮壊死融解症、皮膚粘膜眼症候群、多形紅斑(いずれも頻度不明)

その他副作用

不眠(19.3%)、易刺激性、傾眠(14.2%)、不安、頭痛、めまい、アカシジア、振戦、構音障害、頻脈、AST上昇、ALT上昇、LDH上昇、便秘、食欲減退、高プロラクチン血症、T4減少、倦怠感、無力症、CK上昇

形状・色

?

薬の飲みにくさの改善に向けて、医師や薬剤師、言語聴覚士などの専門職との連携にお役立てください。

うすい黄みの赤色のフィルムコーティング錠、直径約6.0mm、厚さ約3.5mm

粉砕の可否

原則不可(治療上必要であると医師や薬剤師が判断した場合粉砕することがある)

保管方法

室温保存

医薬品コード(YJコード)

1179042F1020

その他の剤形

  • セロクエル100mg錠
  • セロクエル200mg錠
  • セロクエル細粒50%

情報に誤りがあった場合、お問い合わせフォームよりご連絡をお願いいたします。

セロクエル25mg錠を服用する際の注意点

禁忌

病名禁忌

  • 昏睡状態の方:昏睡状態を悪化させる恐れがある。
  • バルビツール酸誘導体等の中枢神経抑制剤の強い影響下にある方:中枢神経抑制作用が増強される。
  • 本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある方
  • 糖尿病の方、糖尿病の既往歴のある方

併用禁忌

アドレナリン、ボスミン(アドレナリンをアナフィラキシーの救急治療に使用する場合を除く。)
アドレナリンの作用を逆転させ、重篤な血圧降下を起こすことがある。

併用注意

フェニトイン、カルバマゼピン、バルビツール酸誘導体、リファンピシン等
本剤の作用が減弱することがある。
イトラコナゾール等
本剤の作用が増強する恐れがある。また不整脈を起こす恐れがある。
エリスロマイシン等
本剤の作用を増強する恐れがある。
ハロペリドール等
不整脈を起こす恐れがある。

飲食物(食べ合わせ/飲み合わせ)

注意する飲食物

アルコール
中枢神経抑制作用を増強することがある。

高齢者が特に注意すること(一般的な注意点も含む)

高齢者には、少量(例えば1回25mg1日1回)から投与を開始し、1日増量幅を25~50mgにするなど状態を観察しながら慎重に投与すること。

薬の併用に際しては専門家(医師、薬剤師)による判断が必要です。決して自己判断で薬の併用や併用中止を行わず、必ず掛かりつけの医師や薬剤にご相談ください。

食べ合わせ・飲み合わせについては、服用される方のQOL(生活の質)も含めて専門家(医師、薬剤師)に相談しながら個別に判断が必要です。これらを飲む・食べることで、どんなことが起こる可能性があるかをご本人や周囲の方が理解し、注意点・観察ポイントの検討にお役立てください。

症状に注意当てはまる症状はありませんか?

  • 抑うつ

    抑うつ
  • 食欲低下

    食欲低下

高齢者は多くの薬を使うと副作用が起こりやすいだけでなく、重症化しやすくなります。高齢者に起こりやすい注意すべき症状として、ふらつき・転倒、記憶障害、せん妄、抑うつ、食欲低下、便秘、排尿障害・尿失禁などが現れる場合があります。そのような症状を起こしやすいため、75歳以上の方を対象に、できれば使用を控えたい薬が「高齢者の安全な薬物療法ガイドライン2015」(日本老年医学会)でリストアップされており、それをもとに掲載しています。75歳未満でも介護を受けている方や要介護になる少し手前の状態の方も対象にしています。服薬中の薬であった場合は、決して自己判断で中止にせず、医師にご相談ください。

参考リンク高齢者の医薬品適正使用の指針 (総論編) (厚生労働省)

参考リンク高齢者の安全な薬物療法ガイドライン2015 (一般社団法人 日本老年医学会)

ご利用に際しての注意点

このページでは、医療用医薬品添付文書をもとに高齢者とその介護者向けに編纂した内容を掲載しています(小幼児・妊婦向けの内容を除く)。正確な情報に努めておりますが、常に最新であるとは限らず、また内容を完全に保証するものではありません。薬の使用に際しては、ご自身で判断せず、医師や薬剤師などの専門家にご相談ください。当サイトによって生じた損害について、その賠償の責任を一切負わないものとします。

監修

秋下 雅弘
佐々木 淳

情報提供

クオール株式会社

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