公開日:2022/12/20

更新日:2022/12/22

登録者:介護アンテナ編集部

リスパダール錠1mg

しる100症状に注意

このページではリスパダール錠1mg(ヤンセンファーマ株式会社|抗精神病薬)について、効能・効果や用法・用量、副作用などの基本情報と併せて、服薬介助のときに介護する方が理解しておきたい高齢者が気を付けるべき点などについても記載しています。

薬の使用に際してはご自身で判断することなく、必ず医師や薬剤師に相談してください。

リスパダール錠1mgの概要

主成分

リスペリドン

分類

内服薬│抗精神病薬

効能・効果

統合失調症などに使用します。

用法・用量

統合失調症
通常、成人は1回1mg 1日2回より開始し、徐々に増量する。維持量は通常1日2~6mgを原則として1日2回に分けて服用する。

副作用

以下の副作用が現れることがあるので、異常が認められた場合は速やかに医師に報告または診断をうける事を推奨します。

重大な副作用

  • 悪性症候群(頻度不明):無動緘黙、強度の筋強剛、嚥下困難、頻脈、血圧の変動、発汗等が発現し、それに引き続き発熱がみられる場合は、投与を中止し、体冷却、水分補給等の全身管理とともに適切な処置を行うこと。本症発症時には、白血球の増加や血清CKの上昇がみられることが多く、また、ミオグロビン尿を伴う腎機能の低下がみられることがある。なお、高熱が持続し、意識障害、呼吸困難、循環虚脱、脱水症状、急性腎障害へと移行し、死亡することがある。
  • 遅発性ジスキネジア(0.55%):長期投与により、口周部等の不随意運動があらわれ、投与中止後も持続することがある。
  • 麻痺性イレウス(頻度不明):腸管麻痺(食欲不振、悪心・嘔吐、著しい便秘、腹部の膨満あるいは弛緩及び腸内容物のうっ滞等の症状)を来し、麻痺性イレウスに移行することがあるので、腸管麻痺があらわれた場合には、投与を中止するなど適切な処置を行うこと。なお、本剤は動物実験(イヌ)で制吐作用を有することから、悪心・嘔吐を不顕性化する可能性があるので注意すること。
  • 抗利尿ホルモン不適合分泌症候群(頻度不明):低ナトリウム血症、低浸透圧血症、尿中ナトリウム排泄量の増加、高張尿、痙攣、意識障害等を伴う抗利尿ホルモン不適合分泌症候群があらわれることがある。
  • 肝機能障害、黄疸(頻度不明):AST、ALT、γ–GTPの上昇等を伴う肝機能障害、黄疸があらわれることがある。
  • 横紋筋融解症(頻度不明):筋肉痛、脱力感、CK上昇、血中及び尿中ミオグロビン上昇を特徴とする横紋筋融解症があらわれることがある。また、横紋筋融解症による急性腎障害の発症に注意すること。
  • 不整脈(頻度不明):心房細動、心室性期外収縮等があらわれることがある。
  • 脳血管障害(頻度不明)
  • 高血糖、糖尿病性ケトアシドーシス、糖尿病性昏睡(頻度不明):高血糖や糖尿病の悪化があらわれ、糖尿病性ケトアシドーシス、糖尿病性昏睡に至ることがあるので、本剤投与中は、口渇、多飲、多尿、頻尿等の症状の発現に注意するとともに、血糖値の測定を行うなど十分な観察を行い、異常が認められた場合には、投与を中止し、インスリン製剤の投与等の適切な処置を行うこと。
  • 低血糖(頻度不明):脱力感、倦怠感、冷汗、振戦、傾眠、意識障害等の低血糖症状が認められた場合には、投与を中止し適切な処置を行うこと。
  • 無顆粒球症、白血球減少(頻度不明)
  • 肺塞栓症、深部静脈血栓症(頻度不明):肺塞栓症、静脈血栓症等の血栓塞栓症が報告されているので、息切れ、胸痛、四肢の疼痛、浮腫等が認められた場合には、投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
  • 持続勃起症(頻度不明):α交感神経遮断作用に基づく持続勃起症があらわれることがある。

その他副作用

食欲不振、不眠症、不安、アカシジア、振戦、構音障害、傾眠、めまい・ふらつき、流涎過多、便秘、悪心、嘔吐、筋固縮、月経障害、易刺激性、倦怠感、口渇

形状・色

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薬の飲みにくさの改善に向けて、医師や薬剤師、言語聴覚士などの専門職との連携にお役立てください。

白色のフィルムコーティング錠、直径6.6mm、厚さ3.1mm

粉砕の可否

粉砕を希望する場合は医師・薬剤師にご相談ください。

保管方法

室温保存

医薬品コード(YJコード)

1179038F1023

その他の剤形

  • リスパダール錠2mg/3mg
  • リスパダール内用液1mg/mL
  • リスパダール細粒1%
  • リスパダールOD錠1mg/2mg/3mg

情報に誤りがあった場合、お問い合わせフォームよりご連絡をお願いいたします。

リスパダール錠1mgを服用する際の注意点

禁忌

病名禁忌

  • 昏睡状態の方:昏睡状態を悪化させる恐れがある。
  • バルビツール酸誘導体等の中枢神経抑制剤の強い影響下にある方:中枢神経抑制作用が増強されることがある。
  • 本剤の成分及びパリペリドンに対し過敏症の既往歴のある方

併用禁忌

アドレナリン、ボスミン(アドレナリンをアナフィラキシーの救急治療に使用する場合を除く。)
アドレナリンの作用を逆転させ、重篤な血圧降下を起こすことがある。

併用注意

ペントバルビタール、フェノバルビタール等
相互に作用を増強させることがある。
レボドパ製剤、ブロモクリプチンメシル酸塩
相互に作用を減弱することがある。
アムロジピン、オルメサルタン等
降圧作用が増強することがある。
パロキセチン等、イトラコナゾール等
本剤の血中濃度が上昇することがある。
カルバマゼピン、フェニトイン、リファンピシン、フェノバルビタール等
本剤の血中濃度が低下することがある。
ハロペリドール等
不整脈を起こしやすくなる。

飲食物(食べ合わせ/飲み合わせ)

注意する飲食物

アルコール
相互に中枢神経抑制作用を増強することがある。

高齢者が特に注意すること(一般的な注意点も含む)

状態を観察しながら少量(1回0.5mg)から投与するなど、慎重に投与すること。高齢者では錐体外路症状等の副作用があらわれやすく、また、腎機能障害を有する方では最高血漿中濃度が上昇し、半減期が延長することがある。

薬の併用に際しては専門家(医師、薬剤師)による判断が必要です。決して自己判断で薬の併用や併用中止を行わず、必ず掛かりつけの医師や薬剤にご相談ください。

食べ合わせ・飲み合わせについては、服用される方のQOL(生活の質)も含めて専門家(医師、薬剤師)に相談しながら個別に判断が必要です。これらを飲む・食べることで、どんなことが起こる可能性があるかをご本人や周囲の方が理解し、注意点・観察ポイントの検討にお役立てください。

症状に注意当てはまる症状はありませんか?

  • 抑うつ

    抑うつ
  • 食欲低下

    食欲低下

高齢者は多くの薬を使うと副作用が起こりやすいだけでなく、重症化しやすくなります。高齢者に起こりやすい注意すべき症状として、ふらつき・転倒、記憶障害、せん妄、抑うつ、食欲低下、便秘、排尿障害・尿失禁などが現れる場合があります。そのような症状を起こしやすいため、75歳以上の方を対象に、できれば使用を控えたい薬が「高齢者の安全な薬物療法ガイドライン2015」(日本老年医学会)でリストアップされており、それをもとに掲載しています。75歳未満でも介護を受けている方や要介護になる少し手前の状態の方も対象にしています。服薬中の薬であった場合は、決して自己判断で中止にせず、医師にご相談ください。

参考リンク高齢者の医薬品適正使用の指針 (総論編) (厚生労働省)

参考リンク高齢者の安全な薬物療法ガイドライン2015 (一般社団法人 日本老年医学会)

ご利用に際しての注意点

このページでは、医療用医薬品添付文書をもとに高齢者とその介護者向けに編纂した内容を掲載しています(小幼児・妊婦向けの内容を除く)。正確な情報に努めておりますが、常に最新であるとは限らず、また内容を完全に保証するものではありません。薬の使用に際しては、ご自身で判断せず、医師や薬剤師などの専門家にご相談ください。当サイトによって生じた損害について、その賠償の責任を一切負わないものとします。

監修

秋下 雅弘
佐々木 淳

情報提供

クオール株式会社

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