公開日:2022/12/20

更新日:2022/12/22

登録者:介護アンテナ編集部

メトグルコ錠500mg

しる100症状に注意

このページではメトグルコ錠500mg(住友ファーマ株式会社|糖尿病治療薬(経口血糖降下剤))について、効能・効果や用法・用量、副作用などの基本情報と併せて、服薬介助のときに介護する方が理解しておきたい高齢者が気を付けるべき点などについても記載しています。

薬の使用に際してはご自身で判断することなく、必ず医師や薬剤師に相談してください。

メトグルコ錠500mgの概要

主成分

メトホルミン塩酸塩

分類

内服薬│糖尿病治療薬(経口血糖降下剤)

効能・効果

食事療法・運動療法のみの治療で十分な効果が得られない場合の2型糖尿病に使用します。

高齢者に多い
病気・病態

用法・用量

2型糖尿病
通常、成人は1日500mgより開始し、1日2~3回に分けて食直前または食後に服用する。維持量は効果を観察しながら決めるが、通常1日750~1,500mgとする。なお、状態により適宜増減するが、1日最大服用量は2,250mgとする。

副作用

以下の副作用が現れることがあるので、異常が認められた場合は速やかに医師に報告または診断をうける事を推奨します。

重大な副作用

  • 乳酸アシドーシス(頻度不明):乳酸アシドーシス(血中乳酸値の上昇、乳酸/ピルビン酸比の上昇、血液pHの低下等を示す)は予後不良のことが多い。一般的に発現する臨床症状は様々であるが、胃腸症状、倦怠感、筋肉痛、過呼吸等の症状がみられることが多く、これらの症状があらわれた場合には直ちに投与を中止し、必要な検査を行うこと。なお、乳酸アシドーシスの疑いが大きい場合には、乳酸の測定結果等を待つことなく適切な処置を行うこと。
  • 低血糖(5%以上):低血糖症状(初期症状:脱力感、高度の空腹感、発汗等)が認められた場合には糖質を含む食品を摂取するなど適切な処置を行うこと。ただし、α-グルコシダーゼ阻害剤との併用により低血糖症状が認められた場合にはブドウ糖を投与すること。
  • 肝機能障害、黄疸(頻度不明):AST、ALT、ALP、γ-GTP、ビリルビンの著しい上昇等を伴う肝機能障害、黄疸があらわれることがある。
  • 横紋筋融解症(頻度不明):筋肉痛、脱力感、CK上昇、血中及び尿中ミオグロビン上昇を特徴とする横紋筋融解症があらわれることがある。

その他副作用

下痢(40.5%)、悪心(15.4%)、食欲不振(11.8%)、腹痛(11.5%)、嘔吐、乳酸上昇

形状・色

?

薬の飲みにくさの改善に向けて、医師や薬剤師、言語聴覚士などの専門職との連携にお役立てください。

白色〜帯黄白色のフィルムコーティング錠、割線入、長径15.8mm、短径7.3mm、厚さ5.7mm

粉砕の可否

粉砕を希望する場合は医師・薬剤師にご相談ください。

保管方法

室温保存

医薬品コード(YJコード)

3962002F3023

その他の剤形

  • メトグルコ錠250mg

情報に誤りがあった場合、お問い合わせフォームよりご連絡をお願いいたします。

メトグルコ錠500mgを服用する際の注意点

禁忌

病名禁忌

  • 乳酸アシドーシスの既往のある方、重度の腎機能障害(eGFR30mL/min/1.73m2未満)のある方または透析している方(腹膜透析を含む)、重度の肝機能障害のある方、心血管系、肺機能に高度の障害(ショック、心不全、心筋梗塞、肺塞栓等)のある方及びその他の低酸素血症を伴いやすい状態にある方、脱水症の方または脱水状態が懸念される方(下痢、嘔吐等の胃腸障害がある方、経口摂取が困難な方等)過度のアルコール摂取される方:乳酸アシドーシスを起こしやすい。嫌気的解糖の亢進により乳酸産生が増加する。
  • 重症ケトーシス、糖尿病性昏睡または前昏睡、1型糖尿病の方:輸液、インスリンによる速やかな高血糖の是正が必須である。
  • 重症感染症、手術前後、重篤な外傷のある方:インスリン注射による血糖管理が望まれるので本剤の投与は適さない。また、乳酸アシドーシスを起こしやすい。
  • 栄養不良状態、飢餓状態、衰弱状態、脳下垂体機能不全または副腎機能不全の方:低血糖を起こす恐れがある。
  • 本剤の成分またはビグアナイド系薬剤に対し過敏症の既往歴のある方

併用注意

ヨード造影剤
乳酸アシドーシスを起こすことがある。ヨード造影剤を用いて検査を行う場合には、本剤の服用を一時的に中止すること。
ゲンタマイシン等
乳酸アシドーシスを起こすことがある。
フロセミド、トリクロルメチアジド、エンパグリフロジン、カナグリフロジン等
脱水により乳酸アシドーシスを起こすことがある。
ブホルミン塩酸塩、メトホルミン塩酸塩、グリベンクラミド、グリメピリド、ナテグリニド、ミチグリニドカルシウム水和物、アカルボース、ボグリボース、ピオグリタゾン塩酸塩、シタグリプチンリン酸塩水和物、ダパグリフロジンプロピレングリコール水和物、セマグルチド、トホグリフロジン水和物、インスリン製剤等、たん白同化ホルモン剤、アスピリン等、プロプラノロール等、セレギリン等
低血糖が起こることがある。
アドレナリン、プレドニゾロン、ベタメタゾン等、レボチロキシン等、卵胞ホルモン、フロセミド、トリクロルメチアジド等、ピラジナミド、イソニアジド、ニコチン酸、クロルプロマジン、レボメプロマジン等
血糖降下作用が減弱することがある。
シメチジン、ドルテグラビル、ビクテグラビル、バンデタニブ
本剤の血中濃度が上昇し、作用が増強する恐れがある。
イメグリミン塩酸塩
消化器症状の発現に注意すること。

飲食物(食べ合わせ/飲み合わせ)

注意する飲食物

アルコール(過度の摂取)
乳酸アシドーシスを起こすことがある。本剤の投与中は過度のアルコール摂取(飲酒)を避ける。

高齢者が特に注意すること(一般的な注意点も含む)

高齢者では、腎機能、肝機能等が低下していることが多く、また脱水症状を起こしやすい。これらの状態では乳酸アシドーシスを起こしやすいので、以下の点に注意すること。

  • 本剤の投与開始前、投与中は定期的に、特に慎重な経過観察が必要な場合にはより頻回に腎機能や肝機能を確認するなど十分に観察しながら慎重に投与すること。本剤はほとんど代謝されず、未変化体のまま尿中に排出される。また、肝機能の低下により乳酸の代謝能が低下する。
  • 腎機能や脱水症状等の方の状態に十分注意して投与の中止や減量を検討すること。特に75歳以上の高齢者では、本剤投与の適否をより慎重に判断すること。乳酸アシドーシスが多く報告されており、予後も不良であることが多い。国内に置ける本剤の承認時までの臨床試験において、75歳以上の高齢者への1日1,500mgを超える用量の使用経験は限られている。
  • 血清クレアチニン値が正常範囲内であっても、eGFR等も考慮して、慎重に状態を観察すること。年齢によっては実際の腎機能が低下していることがある。

薬の併用に際しては専門家(医師、薬剤師)による判断が必要です。決して自己判断で薬の併用や併用中止を行わず、必ず掛かりつけの医師や薬剤にご相談ください。

食べ合わせ・飲み合わせについては、服用される方のQOL(生活の質)も含めて専門家(医師、薬剤師)に相談しながら個別に判断が必要です。これらを飲む・食べることで、どんなことが起こる可能性があるかをご本人や周囲の方が理解し、注意点・観察ポイントの検討にお役立てください。

症状に注意当てはまる症状はありませんか?

  • 食欲低下

    食欲低下

高齢者は多くの薬を使うと副作用が起こりやすいだけでなく、重症化しやすくなります。高齢者に起こりやすい注意すべき症状として、ふらつき・転倒、記憶障害、せん妄、抑うつ、食欲低下、便秘、排尿障害・尿失禁などが現れる場合があります。そのような症状を起こしやすいため、75歳以上の方を対象に、できれば使用を控えたい薬が「高齢者の安全な薬物療法ガイドライン2015」(日本老年医学会)でリストアップされており、それをもとに掲載しています。75歳未満でも介護を受けている方や要介護になる少し手前の状態の方も対象にしています。服薬中の薬であった場合は、決して自己判断で中止にせず、医師にご相談ください。

参考リンク高齢者の医薬品適正使用の指針 (総論編) (厚生労働省)

参考リンク高齢者の安全な薬物療法ガイドライン2015 (一般社団法人 日本老年医学会)

ご利用に際しての注意点

このページでは、医療用医薬品添付文書をもとに高齢者とその介護者向けに編纂した内容を掲載しています(小幼児・妊婦向けの内容を除く)。正確な情報に努めておりますが、常に最新であるとは限らず、また内容を完全に保証するものではありません。薬の使用に際しては、ご自身で判断せず、医師や薬剤師などの専門家にご相談ください。当サイトによって生じた損害について、その賠償の責任を一切負わないものとします。

監修

秋下 雅弘
佐々木 淳

情報提供

クオール株式会社

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