入浴は身体の清潔を保ったり、身体を温めて血行を促進させたり、心身のリラックスが期待できるなどさまざまな良い効果があります。一方、入浴時は転倒や血圧変動などのリスクも高まります。 この記事では入浴介助の注意点、リスク、ポイントについてわかりやすく解説します。
保清の効果・リスクを理解した上で、プライバシーに配慮し、安全かつ快適な保清の介助を行いましょう。
入浴介助中は事故が起こりやすいタイミングでもあります。入浴時のリスクを事前に把握しておく必要があります。
特に転倒と体調変化のリスクが高まります。しっかりリスクを回避するための対応方法を覚えておきましょう。
浴室や脱衣所は、居室などと比較してリスクの高い環境になっています。
いつもはできる動作も、入浴前後は疲労もするので転倒のリスクが高まります。
※入浴時は、自立の方の転倒が多い。
※立位のとれる方でも、立ったままの更衣は危険なので、できるだけ座って着替えていただく。
浴室への移動はアセスメントにより、歩行、シャワーキャリーなど適切な移動方法で移動するようにします。脱衣所や浴室は転倒リスクが高いことを念頭にいれておきましょう。
血圧の変動が大きいことで、脳出血や脳梗塞・心筋梗塞のリスクがあります。
→入浴前のバイタル測定、水分補給が重要
※特に冬場はヒートショックに注意!
ヒートショックは主に室内での温度差により起こるといわれています。脱衣所や浴室に暖房を置くなどして予防をするとよいでしょう。
入浴時の発汗は気づきにくいため、入浴前後の水分摂取が重要です。
入浴中はカロリー消費が大きいため、無意識のうちに体力を消耗し、疲労している場合があります。注意深く観察が必要です。
入浴時は、皮膚の血管が拡張され、血流量が増えます。そのぶん、内臓の血液量が減少するため、消化機能が低下します。食事の前後30分の入浴はひかえましょう。
シャワーの温度は、介助者の手で温度を確認してからご本人の手にかけて確かめていただきましょう。問題なければ足先・手先からかけていきます。
保清は身体的にも心理的にもとても重要な役割を果たします。その反面、外的・内的要因それぞれでリスクも伴います。
そのため保清のリスクや注意点をしっかり理解しておくことが大事です。
ご利用者の身体的な機能と入浴設備により、入浴介助方法が変わります。ご利用者ごとの具体的な介助方法を確認して、安全に介助するよう心がけましょう。
※記事の内容は2021年3月時点の情報をもとに作成しています。
介護アンテナ編集部Kaigo Antenna Editorial Department
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株式会社ベネッセスタイルケア運営の介護アンテナ。編集部では、ベネッセの25年以上にわたる介護のノウハウをはじめ、日々介護の現場で活躍している介護福祉士や介護支援専門員(ケアマネジャー)、看護師、理学療法士、作業療法士、言語聴覚士などの高齢者支援のスペシャリストたちの実践知や日々のお仕事に役立つ情報をお届けします!
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