公開日:2019/09/08

更新日:2022/01/17

介護福祉士の資格取得のために必要な介護福祉士実務者研修とは?

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介護に関する専門の国家資格でもある介護福祉士。その受験資格は3年以上の実務経験だけでなく、「介護福祉士実務者研修修了」が義務付けられています。介護福祉士実務者研修の講座内容や、受講するメリットについて紹介します。

介護福祉士の資格取得のために必要な介護福祉士実務者研修とは?

介護福祉士の資格取得のために必要な介護福祉士実務者研修とは?

「介護福祉士実務者研修」は、国家資格である介護福祉士の受験資格として必要な「3年以上の実務経験」に加えて、新たに受講・修了が義務付けられた研修です。

その難易度や「介護職員初任者研修」との違い、受講のメリットなどをきちんと把握した上で、介護福祉士の資格取得を目指したいと考える方も多いのではないでしょうか。ここでは、介護福祉士実務者研修の内容や、受講のメリットなどについてご紹介します。

介護福祉士実務者研修とは?

質の高い介護サービスを安定的に提供できるよう、介護福祉士の国家資格取得には、介護福祉士実務者研修の受講が義務付けられました。介護福祉士実務者研修の概要や、介護職員初任者研修との違いについてまとめました。

介護福祉士になるために必須の研修

介護福祉士の国家試験の受験資格を得るには、「3年以上の実務経験」に加えて、介護福祉士国家試験を受験(毎年1月)する前年12月末までに、介護福祉士実務者研修を修了する必要があります。

介護福祉士実務者研修の修了条件は、次のとおりです。

介護福祉士実務者研修の修了条件

  • 履修すべき科目の自宅学習を提出し、すべての評価が合格基準以上である
  • 履修すべきスクーリングに出席している
  • 介護過程III:実技・筆記試験の評価が合格基準以上である
  • 医療的ケア:シミュレーター演習を規定回数実施しており、示す手順どおりに行うことができる

介護福祉士実務者研修のカリキュラムは、すでに取得している資格によって免除される科目もあるため、受講者によって研修時間や受講期間が異なります。

科目免除となる資格を持たない場合、研修時間は450時間以上で、資格取得までの期間は原則6ヵ月です。「人間と社会」「介護」「こころとからだのしくみ」「医療的ケア」といった科目を学習していきます。

なお、実務者研修を開講している指定スクールは、全国各地にあり、昼間や夜間、通信など、さまざまな種類があります。

介護福祉士実務者研修導入の背景

介護福祉士実務者研修を修了することは、介護福祉士国家試験の受験資格の条件として、2017年1月から新たに加えられました。それまでは、介護に関する実務経験が3年以上あれば、介護職員初任者研修しか修了していない方でも受験は可能だったのです。

しかし、介護ニーズの多様化とともに、国家資格である介護福祉士の資質向上も重要視されるようになりました。現場力に加えて、一定の教育課程から身に付けた知識やスキルも必要だと国が方針を定めたのです。

こうした背景もあり、介護福祉士の国家試験を受験するためには、「実務経験3年以上」に加え、専門学校などで一定の教育課程を修了し、介護福祉士資格を取得する場合を除き、「6ヵ月以上の介護福祉士実務者研修の受講および修了」が義務付けられました。

介護福祉士実務者研修の難易度は?

実務者研修の修了判定基準は、全国一律で定められているわけではないため、実施するスクールによって多少の違いがあります。実技試験は個別に実施されますが、合格点を取れるまで追試試験を実施するケースが多いようです。

座学については、受講内容の確認となるような課題を提出し、間違いが多ければ再提出となるところもあります。

特別、難易度が高いわけではなく、きちんと研修に参加し、講師の解説を聞いていれば問題なく合格できるものがほとんどです。実技試験は、試験前に練習できる場もしっかり与えてもらえることが一般的です。

あくまでも「修了認定試験」と考え、冷静に臨むことがポイントといえるでしょう。

介護職員初任者研修との違い

介護職員初任者研修が介護の基礎的な知識やスキルを養う研修である一方で、介護福祉士実務者研修は、さらにワンランク上の、より幅広い介護利用者に対する介護スキルを養うことを目指す研修です。

介護福祉士実務者研修は、2年以上のカリキュラムを持つ介護福祉士養成施設卒業と、同等水準となります。

介護福祉士には、今後の介護保険制度の改正に伴って、介護分野における課題やスキル、知見などを介護士みずから把握できる能力も求められています。介護福祉士実務者研修は、介護のプロとして活躍していくためにも、とても重要なステップなのです。

介護福祉士実務者研修受講後のメリット

介護福祉士の資格取得のために必要な介護福祉士実務者研修とは?

介護福祉士実務者研修を修了することで、今後のキャリアアップに活かせるさまざまなメリットが得られます。

スキルアップにつながる

介護福祉士実務者研修を修了することで、介護に関するより専門的な知識が増え、一部の医療行為の技術も修得できるため、仕事の幅が広がり、自身のやりがいや評価にもつながるでしょう。

介護の現場で必要とされる存在としてアピールできたり、就職にも有利に働いたりします。

介護福祉士を目指せる

介護福祉士は、介護職としてのキャリアアップや収入アップのためにも取得を目指したい国家資格です。しかし、実務経験に加えて、介護福祉士実務者研修の修了者という条件が追加されたことで、介護福祉士の受験資格はきびしくなりました。

また、介護福祉士実務者研修の修了者であれば、介護福祉士の実技試験が免除されるというメリットもあります。

サービス提供責任者への転職も

訪問介護事業所の「サービス提供責任者」のポジションに就くには、介護福祉士実務者研修の修了者か、介護福祉士のいずれかであることが求められます。

これまでは、介護職員初任者研修の修了者(旧ホームヘルパー2級課程修了者を含む)の配置も可能でしたが、2018年度の介護報酬改定に伴い、サービス提供責任者の任用要件が見直され、2019年3月31日以降は資格要件を満たさなくなりました。

こうした背景もあり、訪問介護事業の経営のためにも、介護福祉士実務者研修の修了者が求められており、研修修了者であれば、サービス提供責任者への転職でも大きな武器となります。

たん吸引と経管栄養の知識を習得できる

実務研修修了後、一定の研修を修了した介護職員は、さらに実地研修を受けることでたん吸引・経管栄養を、一定の条件のもとで行うことができるようになりました。

こうした介護職員によるたん吸引・経管栄養は、登録済の介護事業所で、研修で修了した内容であれば実施することが可能です。

重症化した高齢者の増加や、在宅または老人ホームなどにおけるたん吸引や経管栄養に対するニーズの高まりもあり、介護職員による実施も求められるようになっています。そのため、就職や転職も有利に進められるでしょう。

介護福祉士実務者研修修了後に活躍できる場所

介護福祉士の資格取得のために必要な介護福祉士実務者研修とは?

介護福祉士実務者研修修了者は、次のような施設やポジションで活躍できるようになるでしょう。

訪問介護事業所

介護福祉士実務者研修の修了者であれば、訪問介護事業所のサービス提供責任者のポジションに就くことができます。

研修修了者は、現場経験が豊富かつ、介護に関する幅広い知識とスキルを身に付けた介護のプロとして、大きな信頼が寄せられるでしょう。

デイサービス・老人ホーム

デイサービスや老人ホームといった施設では、リーダー的ポジションにいる存在として働くことができるでしょう。こうした現場で3年間経験を積めば、介護福祉士の国家試験の受験資格も得られるため、さらなるキャリアアップも目指せます。

認知症グループホームや介護度の高い利用者の多い施設

介護福祉士実務者研修を通して、認知症やたん吸引・経管栄養に関する知識とスキルも学ぶことができるため、認知症グループホームや介護度の高い利用者の多い施設では、特に貴重な人材として重宝されるでしょう。

介護福祉士実務者研修修了者の声

最後に、介護福祉士実務者研修の受講者から寄せられた声をご紹介します。

現場での実践的なスキルが身に付く

介護福祉士実務者研修は事例を用いた演習も多いため、より現場の雰囲気に近いイメージを持ちながら学ぶことができます。現場で主体的に動く力を養うことができたと実感できるようです。

講師陣も介護現場に精通しているプロであるため、現場で役立つスキルの数々を、直接学ぶことができます。

受講生同士の交流や情報交換の場になる

介護福祉士実務者研修では、職場や介護職歴、年齢など、さまざまな受講生といっしょに学びます。自分の働く職場以外の介護現場に関する話を聞いたり、情報交換をしたりと、新たな刺激を受けながら視野を養うことができるでしょう。

医療職員との連携にも役立つ

介護福祉士実務者研修では、たん吸引・経管栄養についても学習できるため、介護現場における他の看護職員との連携にも役立ちます。

介護福祉士実務者研修で現場力と知識・スキルを磨こう

介護の現場では、思考力だけでなく、実践力も求められます。介護福祉士実務者研修を修了することで、介護のプロとして知識やスキルを磨きながら、現場での対応力をさらに高めることができます。

介護の世界で働く方にとって、介護福祉士実務者研修の受講は、スキルの向上だけでなく、給与や待遇の改善といったキャリアアップにもつながるでしょう。

著者プロフィール

介護アンテナ編集部Kaigo Antenna Editorial Department

プロフィール
株式会社ベネッセスタイルケア運営の介護アンテナ。編集部では、ベネッセの25年以上にわたる介護のノウハウをはじめ、日々介護の現場で活躍している介護福祉士や介護支援専門員(ケアマネジャー)、看護師、理学療法士、作業療法士、言語聴覚士などの高齢者支援のスペシャリストたちの実践知や日々のお仕事に役立つ情報をお届けします!


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