支援が必要な高齢者が、その方らしく快適に暮らせる住まいとしての役割を持つ有料老人ホーム。利用の目的やサービス内容によってさまざまなタイプに分かれます。有料老人ホームの種類や、その費用などについてまとめました。※記事の内容は2021年3月時点の情報をもとに作成しています。
高齢者の生活の場となる有料老人ホームには、目的や入居条件、提供するサービスの内容などによってさまざまな種類があります。
利用者やその家族にとっても快適な生活となるよう、入居を検討する際には、それぞれの特徴を理解し、入居者に合った施設を選ぶことが大切です。
ここでは、有料老人ホームの種類と、気になる費用についてわかりやすく解説します。
有料老人ホームとは、高齢者がその人らしく心身の健康と生活を保てるよう配慮された住まいのことです。
厚生労働省は、高齢者を入居させた上で、下記(1)~(4)のいずれかのサービス(複数も可)を提供している施設と定義しています。
主体は民間企業、社会福祉法人などさまざまですが、設置の際には都道府県知事などへの届け出が必要です。
有料老人ホームは、大きく「介護付有料老人ホーム」「住宅型有料老人ホーム」「健康型有料老人ホーム」の3つに分類されます。
介護付有料老人ホームは、都道府県知事などから「特定施設入居者生活介護」の指定を受けた高齢者向け施設です。
要介護1以上から入居できる「介護専用型」、自立している方も要介護状態にある方も入居できる「混合型」に分かれており、介護職員、看護職員、機能訓練指導員、生活相談員、計画作成担当者といった、専門職による支援を受けることができます。
入院加療や高度な医療措置などが必要になった場合や契約違反の状態とならない限り、ホームでの生活を継続することができ、看取りの対応が可能なホームも多くあります。なお、設備や人員などに関する最低限の基準が定められておりますが、運営事業者によりサービスや設備などが様々で、入居費用にも幅があります。
住宅型有料老人ホームは、生活支援などのサービスが付いた高齢者向けの施設です。
介護が必要となった場合でも生活を続けることが可能で、その場合には、介護サービスは施設のサービスに含まれていないため、要介護認定の手続きを行い、ケアマネジャーの作成したケアプランに基づき、介護サービスを受ける形となります。
健康型有料老人ホームは、食事などのサービスが付いた高齢者向けの施設です。介護が必要となった場合には、契約を解除し退去しなければなりません。
有料老人ホームで生活するにあたり発生する利用料は、賃料・食費・管理費・人件費などの合計金額になります。介護付有料老人ホームの場合は、これらの利用料の他に、要介護度別に介護サービス費用が決められており、利用者の収入によって介護サービス費用の1割~3割を負担するかたちになります。
その他、個人で利用するオムツ代などは別途費用になります。また、入居の際に入居一時金を支払い、月々の支払金額を抑えた形にする料金設定をしている有料老人ホームもあります。
介護付き有料老人ホームでは、主に以下のサービスを受けることができます。
要介護・要支援認定を受けている方に対し、お身体の状態に応じて、下記のようなサービスが提供されます。
介護サービス部分については介護保険の適用となります。
有料老人ホームは高齢者の生活の場ですので、医師の配置義務はなく、普段の健康管理はホームの看護職員が行います。
胃ろうやインシュリン注射などの医療的ケアが必要な場合などお身体の状態によっては、入居できない場合があります。24時間看護職員を配置している場合や医療機関との連携状況などにより入居可能な施設もありますので、入居条件も十分に確認しましょう。
3つの有料老人ホームの違いには、介護の割合が大きく関わっています。
自立から入居できるホームと、要介護・要支援になってから入居が可能なホームがありますので、身体の状態や受けたいサービスを考慮してホームの種類を選びましょう。
介護アンテナ編集部Kaigo Antenna Editorial Department
プロフィール
株式会社ベネッセスタイルケア運営の介護アンテナ。編集部では、ベネッセの25年以上にわたる介護のノウハウをはじめ、日々介護の現場で活躍している介護福祉士や介護支援専門員(ケアマネジャー)、看護師、理学療法士、作業療法士、言語聴覚士などの高齢者支援のスペシャリストたちの実践知や日々のお仕事に役立つ情報をお届けします!
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