公開日:2022/12/20

更新日:2022/12/22

登録者:介護アンテナ編集部

アリセプトD錠10mg

しる100症状に注意

このページではアリセプトD錠10mg(エーザイ株式会社|抗認知症治療薬)について、効能・効果や用法・用量、副作用などの基本情報と併せて、服薬介助のときに介護する方が理解しておきたい高齢者が気を付けるべき点などについても記載しています。

薬の使用に際してはご自身で判断することなく、必ず医師や薬剤師に相談してください。

アリセプトD錠10mgの概要

主成分

ドネペジル塩酸塩

分類

内服薬│抗認知症治療薬

効能・効果

アルツハイマー型、レビー小体型認知症における認知症症状の進行抑制に使用します。

高齢者に多い
病気・病態

用法・用量

アルツハイマー型認知症における認知症症状の進行抑制
通常、成人は1日1回3mgから開始し、1~2週間後に5mgに増量し服用する。高度のアルツハイマー型認知症の方には、5mgで4週間以上経過後、10mgに増量する。
レビー小体型認知症における認知症症状の進行抑制
通常、成人は1日1回3mgから開始し、1~2週間後に5mgに増量し服用する。5mgで4週間以上経過後、10mgに増量する。

副作用

以下の副作用が現れることがあるので、異常が認められた場合は速やかに医師に報告または診断をうける事を推奨します。

重大な副作用

  • QT延長(0.1~1%未満)、心室頻拍(torsades de pointesを含む)、心室細動、洞不全症候群、洞停止、高度徐脈(各頻度不明)、心ブロック(洞房ブロック、房室ブロック)、失神(各0.1~1%未満):心停止に至ることがある。
  • 心筋梗塞、心不全(各0.1%未満)
  • 消化性潰瘍(胃・十二指腸潰瘍)(0.1%未満)、十二指腸潰瘍穿孔(頻度不明)、消化管出血(0.1%未満):本剤のコリン賦活作用による胃酸分泌及び消化管運動の促進によって消化性潰瘍(胃・十二指腸潰瘍)、十二指腸潰瘍穿孔、消化管出血があらわれることがある。
  • 肝炎(頻度不明)、肝機能障害(0.1~1%未満)、黄疸(頻度不明)
  • 脳性発作(てんかん、痙攣等)(0.1~1%未満)、脳出血、脳血管障害(各0.1%未満)
  • 錐体外路障害(アルツハイマー型認知症:0.1~1%未満、レビー小体型認知症:9.5%):寡動、運動失調、ジスキネジア、ジストニア、振戦、不随意運動、歩行異常、姿勢異常、言語障害等の錐体外路障害があらわれることがある。
  • 悪性症候群(0.1%未満):無動緘黙、強度の筋強剛、嚥下困難、頻脈、血圧の変動、発汗等が発現し、それに引き続き発熱がみられる場合は、投与を中止し、体冷却、水・電解質管理等の全身管理とともに適切な処置を行うこと。本症発症時には、白血球の増加や血清CKの上昇がみられることが多く、また、ミオグロビン尿を伴う腎機能の低下がみられることがある。
  • 横紋筋融解症(頻度不明):筋肉痛、脱力感、CK上昇、血中及び尿中ミオグロビン上昇等があらわれた場合には、投与を中止し、適切な処置を行うこと。また、横紋筋融解症による急性腎障害の発症に注意すること。
  • 呼吸困難(0.1%未満)
  • 急性膵炎(0.1%未満)
  • 急性腎障害(0.1%未満)
  • 原因不明の突然死(0.1%未満)
  • 血小板減少(0.1%未満)

その他副作用

食欲不振、嘔気、嘔吐、下痢

形状・色

?

薬の飲みにくさの改善に向けて、医師や薬剤師、言語聴覚士などの専門職との連携にお役立てください。

淡赤色の口腔内崩壊錠、割線入、直径8.0mm、厚さ3.4mm

粉砕の可否

不可(粉砕が出来ない)

保管方法

室温保存

医薬品コード(YJコード)

1190012F6028

その他の剤形

  • アリセプトD錠3mg
  • アリセプトD錠5mg
  • アリセプト錠3mg
  • アリセプト錠5mg
  • アリセプト錠10mg
  • アリセプト内服ゼリー3mg
  • アリセプト内服ゼリー5mg
  • アリセプト内服ゼリー10mg
  • アリセプト細粒0.5%

情報に誤りがあった場合、お問い合わせフォームよりご連絡をお願いいたします。

アリセプトD錠10mgを服用する際の注意点

禁忌

病名禁忌

  • 本剤の成分またはピペリジン誘導体に対し過敏症の既往歴のある方

併用注意

スキサメトニウム塩化物水和物
筋弛緩作用を増強する可能性がある。
アセチルコリン塩化物、カルプロニウム塩化物、ベタネコール塩化物、アクラトニウムナパジシル酸塩、アンベノニウム塩化物、ジスチグミン臭化物、ピリドスチグミン臭化物、ネオスチグミン等
迷走神経刺激作用などコリン刺激作用が増強される可能性がある。
イトラコナゾール、エリスロマイシン等、ブロモクリプチンメシル酸塩、イストラデフィリン、キニジン硫酸塩水和物等
本剤の作用を増強させる可能性がある。
カルバマゼピン、デキサメタゾン、フェニトイン、フェノバルビタール、リファンピシン等
本剤の作用を減弱させる可能性がある。
トリヘキシフェニジル塩酸塩、ピロヘプチン塩酸塩、マザチコール塩酸塩水和物、メチキセン塩酸塩、ビペリデン塩酸塩、ブチルスコポラミン臭化物、アトロピン硫酸塩水和物等
それぞれの効果を減弱させる可能性がある。
ロキソプロフェン、ジクロフェナクナトリウム等
消化性潰瘍を起こす可能性がある。

高齢者が特に注意すること(一般的な注意点も含む)

  • 本剤は舌の上にのせて唾液を浸潤させると崩壊するため、水なしで服用が可能である。また、水で服用することもできる。
  • 本剤は寝たままの状態では、水なしで服用しないこと。

薬の併用に際しては専門家(医師、薬剤師)による判断が必要です。決して自己判断で薬の併用や併用中止を行わず、必ず掛かりつけの医師や薬剤にご相談ください。

症状に注意当てはまる症状はありませんか?

  • 食欲低下

    食欲低下

高齢者は多くの薬を使うと副作用が起こりやすいだけでなく、重症化しやすくなります。高齢者に起こりやすい注意すべき症状として、ふらつき・転倒、記憶障害、せん妄、抑うつ、食欲低下、便秘、排尿障害・尿失禁などが現れる場合があります。そのような症状を起こしやすいため、75歳以上の方を対象に、できれば使用を控えたい薬が「高齢者の安全な薬物療法ガイドライン2015」(日本老年医学会)でリストアップされており、それをもとに掲載しています。75歳未満でも介護を受けている方や要介護になる少し手前の状態の方も対象にしています。服薬中の薬であった場合は、決して自己判断で中止にせず、医師にご相談ください。

参考リンク高齢者の医薬品適正使用の指針 (総論編) (厚生労働省)

参考リンク高齢者の安全な薬物療法ガイドライン2015 (一般社団法人 日本老年医学会)

ご利用に際しての注意点

このページでは、医療用医薬品添付文書をもとに高齢者とその介護者向けに編纂した内容を掲載しています(小幼児・妊婦向けの内容を除く)。正確な情報に努めておりますが、常に最新であるとは限らず、また内容を完全に保証するものではありません。薬の使用に際しては、ご自身で判断せず、医師や薬剤師などの専門家にご相談ください。当サイトによって生じた損害について、その賠償の責任を一切負わないものとします。

監修

秋下 雅弘
佐々木 淳

情報提供

クオール株式会社

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