介護の現場で災害が発生した場合、職員には冷静な判断や対応が求められます。この記事では施設・居住系サービスにおいて、災害発生時に必要な心構えや、災害発生前や発生直後に求められる対応例をご紹介します。
災害はいつ発生するかわかりません。その対応にはさまざまな「判断」が必要になります。
災害発生時でもいつもと変わることなく、職員一人ひとりが持っておくべき判断基準に共通することは、「ご入居者と職員の安心・安全を守る」ということではないでしょうか。
災害が発生した際に、「上司がいない中で、今すぐに判断して行動しないといけない」といった急を要することもあるかと思います。平常時にあらかじめ施設での判断基準を確認しておきましょう。
この記事は、介護施設に共通する観点の一部をコンパクトにまとめていますが、この記事の内容のみでは、いざというときに本当に必要な行動はとれません。
災害発生時に想定される被害状況は、施設ごとに異なります。備蓄品をどこに保管するか、災害発生時にご入居者に施設内のどこに集まっていただくか(各階か、上階か、下階か、避難場所か)など、個々に計画をたてて、それに基づいた災害訓練を行い、いざというときに実際に動けるようにすることが必要です。
大災害は忘れた頃にやってきます。状況と季節に応じた災害訓練を、継続的に実施し、ご入居者・職員を守れる体制を常に整えておきましょう。
台風など、災害発生が予期できる場合は、下記の観点でチェックしていきましょう。
施設の規模・地域によってチェック項目は異なります。ご自身の施設で必要なチェック項目を検討し、あらかじめ決めておきましょう。
※その他ご利用者の状態や使用されている状況に応じて必要な対応を検討しましょう。
災害が発生したら、すぐに下記の対応を行いましょう。役割分担をだれが行うかあらかじめ決めておき、手分けして迅速に行えるようにしておくことも大切です。
救命対応がなによりも最優先です。ご入居者がお変わりない状態でいらっしゃるか、職員が全員無事かを確認します。
停電時、暗い中では探すのが困難になるため、非常灯が点灯しているうちに、照明器具・水・食料・生活消耗品などの備蓄品を集めておきましょう。
災害直後に求められる行動の例をご紹介しましたが、災害といっても震災、火災、台風などさまざまなケースがあります。
ぜひ、この記事を参考にしていただきながら、それぞれの施設でシミュレーションしていただき、検討を重ねて、その施設オリジナルの災害対策をケースごとにつくりあげてください。
そして、災害発生時にあらかじめ決めておいたルール通りに冷静に行動できるよう、訓練を行いましょう。
介護アンテナ編集部Kaigo Antenna Editorial Department
プロフィール
株式会社ベネッセスタイルケア運営の介護アンテナ。編集部では、ベネッセの25年以上にわたる介護のノウハウをはじめ、日々介護の現場で活躍している介護福祉士や介護支援専門員(ケアマネジャー)、看護師、理学療法士、作業療法士、言語聴覚士などの高齢者支援のスペシャリストたちの実践知や日々のお仕事に役立つ情報をお届けします!