公開日:2022/12/20

更新日:2022/12/22

登録者:介護アンテナ編集部

ジプレキサ錠5mg

しる100症状に注意

このページではジプレキサ錠5mg(日本イーライリリー株式会社|抗うつ薬)について、効能・効果や用法・用量、副作用などの基本情報と併せて、服薬介助のときに介護する方が理解しておきたい高齢者が気を付けるべき点などについても記載しています。

薬の使用に際してはご自身で判断することなく、必ず医師や薬剤師に相談してください。

ジプレキサ錠5mgの概要

主成分

オランザピン

分類

内服薬│抗うつ薬

効能・効果

統合失調症や双極性障害の改善、抗悪性腫瘍剤(シスプラチン等)投与に伴う消化器症状(悪心、嘔吐)の改善に使用します。

高齢者に多い
病気・病態

用法・用量

統合失調症
通常、成人は5~10mgを1日1回服用により開始する。維持量として1日1回10mgを服用する。なお、最大服用量は1日20mgとする。
双極性障害における躁症状の改善
通常、成人は10mgを1日1回服用より開始する。なお、最大服用量は1日20mgとする。
双極性障害におけるうつ症状の改善
通常、成人は5mgを1日1回服用より開始し、その後1日1回10mgに増量する。なお、いずれも就寝前に服用することとし、最大服用量は1日20mgとする。
抗悪性腫瘍剤(シスプラチン等)服用に伴う消化器症状(悪心、嘔吐)
他の制吐剤との併用において、通常、成人は5mgを1日1回服用する。なお、最大服用量は1日10mgとする。

副作用

以下の副作用が現れることがあるので、異常が認められた場合は速やかに医師に報告または診断をうける事を推奨します。

重大な副作用

  • 高血糖(0.9%)、糖尿病性ケトアシドーシス(頻度不明)、糖尿病性昏睡(頻度不明):高血糖があらわれ、糖尿病性ケトアシドーシス、糖尿病性昏睡から死亡に至るなどの致命的な経過をたどることがあるので、血糖値の測定や、口渇、多飲、多尿、頻尿等の観察を十分に行い、異常が認められた場合には、投与を中止し、インスリン製剤の投与を行うなど、適切な処置を行うこと。
  • 低血糖(頻度不明):脱力感、倦怠感、冷汗、振戦、傾眠、意識障害等の低血糖症状が認められた場合には、投与を中止し適切な処置を行うこと。
  • 悪性症候群(0.1%未満):無動緘黙、強度の筋強剛、脈拍及び血圧の変動、発汗等が発現し、それに引き続き発熱がみられる場合は、投与を中止し、水分補給、体冷却等の全身管理とともに、適切な処置を行うこと。本症発症時には、血清CKの上昇や白血球の増加がみられることが多い。また、ミオグロビン尿を伴う腎機能の低下に注意すること。なお、高熱が持続し、意識障害、呼吸困難、循環虚脱、脱水症状、急性腎障害へと移行し、死亡した例が報告されている。
  • 肝機能障害、黄疸:AST(1.5%)、ALT(2.5%)、γ-GTP(0.7%)、Al-P(頻度不明)の上昇等を伴う肝機能障害、黄疸(頻度不明)があらわれることがある。
  • 痙攣(0.3%):痙攣(強直間代性、部分発作、ミオクロヌス発作等)があらわれることがある。
  • 遅発性ジスキネジア(0.6%):長期投与により、不随意運動(特に口周部)があらわれ、投与中止後も持続することがある。
  • 横紋筋融解症(頻度不明):筋肉痛、脱力感、CK上昇、血中及び尿中ミオグロビン上昇等が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。また、横紋筋融解症による急性腎障害の発症に注意すること。
  • 麻痺性イレウス(頻度不明):腸管麻痺(食欲不振、悪心・嘔吐、著しい便秘、腹部の膨満あるいは弛緩及び腸内容物のうっ滞等の症状)を来し、麻痺性イレウスに移行することがあるので、腸管麻痺があらわれた場合には、投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
  • 無顆粒球症(頻度不明)、白血球減少(0.6%)
  • 肺塞栓症(頻度不明)、深部静脈血栓症(頻度不明):肺塞栓症、静脈血栓症等の血栓塞栓症が報告されているので、観察を十分に行い、息切れ、胸痛、四肢の疼痛、浮腫等が認められた場合には、投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
  • 薬剤性過敏症症候群(頻度不明):初期症状として発疹、発熱がみられ、更に肝機能障害、リンパ節腫脹、白血球増加、好酸球増多、異型リンパ球出現等を伴う遅発性の重篤な過敏症状があらわれることがあるので、観察を十分に行い、このような症状があらわれた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。なお、ヒトヘルペスウイルス6等のウイルスの再活性化を伴うことが多く、投与中止後も発疹、発熱、肝機能障害等の症状が再燃あるいは遷延化することがあるので注意すること。

その他副作用

興奮、傾眠(22.3%)、不眠(10.3%)、不安、めまい・ふらつき、頭痛・頭重、抑うつ状態、構音障害、立ちくらみ、アカシジア(静坐不能)、振戦、筋強剛、ジストニア、ジスキネジア、歩行異常、ブラジキネジア(動作緩慢)、血圧低下、動悸、頻脈、便秘、食欲亢進、口渇、嘔気、胃不快感、食欲不振、嘔吐、流涎過多、月経異常、ALT上昇、AST上昇、排尿障害、トリグリセリド上昇、コレステロール上昇、糖尿病、体重増加(20.1%)、倦怠感、脱力感、体重減少、発熱、浮腫

形状・色

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薬の飲みにくさの改善に向けて、医師や薬剤師、言語聴覚士などの専門職との連携にお役立てください。

白色のフィルムコーティング錠、直径8.1mm、厚さ4.0mm

粉砕の可否

不可(粉砕が出来ない)

保管方法

室温保存

医薬品コード(YJコード)

1179044F2025

その他の剤形

  • ジプレキサ錠2.5mg
  • ジプレキサ錠10mg
  • ジプレキサ細粒1%
  • ジプレキサザイディス錠2.5mg
  • ジプレキサザイディス錠5mg
  • ジプレキサザイディス錠10mg

情報に誤りがあった場合、お問い合わせフォームよりご連絡をお願いいたします。

ジプレキサ錠5mgを服用する際の注意点

禁忌

病名禁忌

  • 昏睡状態の方:昏睡状態を悪化させる恐れがある。
  • バルビツール酸誘導体等の中枢神経抑制剤の強い影響下にある方:中枢神経抑制作用が増強される。
  • 本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある方
  • 糖尿病の方、糖尿病の既往歴のある方

併用禁忌

アドレナリン、ボスミン
アドレナリンの作用を逆転させ、重篤な血圧降下を起こすことがある。

併用注意

ペントバルビタールやフェノバルビタール等
中枢神経抑制作用を増強する。
ビペリデンやイミプラミン等
腸管麻痺等を引き起こす恐れがある。
レボドパ製剤
レボドパ製剤の作用が減弱することがある。
フルボキサミン、シプロフロキサシン
本剤の血中濃度を上昇させる。
カルバマゼピン、オメプラゾール、リファンピシン
本剤の血中濃度を低下させる。

飲食物(食べ合わせ/飲み合わせ)

注意する飲食物

アルコール
中枢神経抑制作用を増強することがある。
たばこ
本剤の血中濃度を低下させる。

高齢者が特に注意すること(一般的な注意点も含む)

高齢者は一般に生理機能が低下しており、本剤の腎臓などによる排泄能力が低下していることがある。 本剤の腎臓などで排泄される能力を低下させる要因(非喫煙者、女性等)を併せ持つ高齢者では、2.5〜5mgの少量から投与を開始するなど、状態を観察しながら慎重に投与すること。

薬の併用に際しては専門家(医師、薬剤師)による判断が必要です。決して自己判断で薬の併用や併用中止を行わず、必ず掛かりつけの医師や薬剤にご相談ください。

食べ合わせ・飲み合わせについては、服用される方のQOL(生活の質)も含めて専門家(医師、薬剤師)に相談しながら個別に判断が必要です。これらを飲む・食べることで、どんなことが起こる可能性があるかをご本人や周囲の方が理解し、注意点・観察ポイントの検討にお役立てください。

症状に注意当てはまる症状はありませんか?

  • ふらつき・転倒

    ふらつき・転倒
  • 抑うつ

    抑うつ
  • 食欲低下

    食欲低下

高齢者は多くの薬を使うと副作用が起こりやすいだけでなく、重症化しやすくなります。高齢者に起こりやすい注意すべき症状として、ふらつき・転倒、記憶障害、せん妄、抑うつ、食欲低下、便秘、排尿障害・尿失禁などが現れる場合があります。そのような症状を起こしやすいため、75歳以上の方を対象に、できれば使用を控えたい薬が「高齢者の安全な薬物療法ガイドライン2015」(日本老年医学会)でリストアップされており、それをもとに掲載しています。75歳未満でも介護を受けている方や要介護になる少し手前の状態の方も対象にしています。服薬中の薬であった場合は、決して自己判断で中止にせず、医師にご相談ください。

参考リンク高齢者の医薬品適正使用の指針 (総論編) (厚生労働省)

参考リンク高齢者の安全な薬物療法ガイドライン2015 (一般社団法人 日本老年医学会)

ご利用に際しての注意点

このページでは、医療用医薬品添付文書をもとに高齢者とその介護者向けに編纂した内容を掲載しています(小幼児・妊婦向けの内容を除く)。正確な情報に努めておりますが、常に最新であるとは限らず、また内容を完全に保証するものではありません。薬の使用に際しては、ご自身で判断せず、医師や薬剤師などの専門家にご相談ください。当サイトによって生じた損害について、その賠償の責任を一切負わないものとします。

監修

秋下 雅弘
佐々木 淳

情報提供

クオール株式会社

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